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君と最初で最後の初恋 #１

第1話 - 君と最初で最後の初恋 #１

2020年03月18日

#幼なじみ

#恋

#奇病

そら︎︎☁︎︎*.

皆さんは”奇病”というのをご存知だろうか。

それは”奇跡の病気” そのため治す方法がない。

本当にあるのかもわからない。

ただこれだけは言える。

奇病になると必ず死に至るということだ。

高校2年生

春

五十嵐大輝

ただいま

お母さん

おかえりなさい
ご飯できてるわ。

五十嵐大輝

うん。
ありがとう。

妹

お兄ちゃん！
さっきお兄ちゃんに
郵便物がきてたよ！

五十嵐大輝

そっか。
どこに置いた？

妹

お兄ちゃんの机の上！

五十嵐大輝

わかった。
ありがとう。

大輝の部屋

五十嵐大輝

これか…。

五十嵐大輝

な、なんだ…これ…。

それは国からの通達だった。

五十嵐大輝様は色彩検査の結果 ”無彩病” ということがわかりました。

五十嵐大輝

…は？

”無彩病”というのは時が経つとどんどん色が見えなくなり最終的には白と黒の世界になり死に至る病気です。

五十嵐大輝

なんだよ…これ…。

詳しくは○○病院の ○○という医師にお聞き下さい。

五十嵐大輝

（明日学校ないし○○病院行ってみるかな。）

お母さん

大輝。
幸輝くんが来たわよ。

五十嵐大輝

え？
約束してないよ。

お母さん

でも来てるわよ？

五十嵐大輝

わかった。
ありがとう。

幸輝というのは俺の幼なじみ。赤ちゃんの頃からずっと一緒だ。

藤田幸輝

あいっ変わらず
でっかいなこの家

五十嵐大輝

まあ父さんが
社長だしな。

五十嵐大輝

それで？何の用だ。

藤田幸輝

あー！
急に来ちゃってごめんな！
大事な用があるんだ。

五十嵐大輝

ん？なんだよ。

藤田幸輝

実は家にある本全部
読み終わっちゃってさ。
大輝の本を
貸してくれないか？

五十嵐大輝

なんだよ
そんなことか。

五十嵐大輝

いいよ。
好きなだけ持ってけ。

藤田幸輝

よっしゃ！
ありがとな！！

五十嵐大輝

…お前本が好きって
見た目に合ってないな。

藤田幸輝

いいだろ、別に。
好きなんだからさ！

五十嵐大輝

別にいいけどさ、
俺の貴重な休日
潰さないでくれよ？

藤田幸輝

お前って
いつも忙しいもんな。

五十嵐大輝

ああ。

五十嵐大輝

そうだ。
明日は家にいないから
用事があるなら電話
してくれ。

藤田幸輝

わかった。

藤田幸輝

用事ってなんだ？

五十嵐大輝

ちょっとな。

藤田幸輝

…そうか。

五十嵐大輝

てか早く帰れよ。

藤田幸輝

はーい笑
帰りますよー

藤田幸輝

おばさん！
お邪魔しました！

お母さん

あらあら
幸輝くん
今日は泊まって
いかないのね？

藤田幸輝

うん。
大輝が早く帰れってさ

お母さん

まあ！
仲良いわね。

藤田幸輝

まーね！
じゃ！

お母さん

ええ。
また来てね。

五十嵐大輝

じゃーな

休日の朝

五十嵐大輝

よし、行くか。

山口優心

あれ？
大輝じゃん！

山口優心

なしたの？
こんな朝早くに。

こいつは山口優心（こころ）幸輝と同じく俺の幼なじみだ。

五十嵐大輝

あぁ、優心か。

山口優心

あぁってなんだよ！

山口優心

それで？どこか行くの？

五十嵐大輝

ちょっとな。

五十嵐大輝

お前はいつも通り
ジョギングか？

山口優心

そうだよ！
バスケ部のエース
なんだからさ！

五十嵐大輝

運動神経だけは
いいもんなお前

山口優心

何よだけって！

山口優心

大輝こそ頭だけじゃん！

五十嵐大輝

頭が良ければ大体は
できるからな。

山口優心

もー！
早く行きなよ。
用事、あるんでしょ？

五十嵐大輝

ああ。
ありがとな。

山口優心

ううん！
行ってらっしゃい！

山口優心

また3人で集まろうねー！

五十嵐大輝

うん。
優心も頑張れよ。

山口優心

ありがと…(照)

五十嵐大輝

じゃーな。

山口優心

あ、うん！
バイバイ！

病院に到着

五十嵐大輝

○○先生は
いらっしゃいますか？

看護師さん

ええ。
少しお待ち下さい。

医者

おはようございます。
君が五十嵐大輝くん？

五十嵐大輝

はい。そうです。

医者

そうか。
ではこちらへ。

五十嵐大輝

あの、あれは
なんなんですか？

医者

国からの通達かい？
あれに書いていた通りだよ。

医者

それを今から詳しく話すから
よく聞いていてね。

五十嵐大輝

…はい。

医者

まず無彩病が
どういうものかを
詳しく説明するよ。

五十嵐大輝

…お願いします。

医者

無彩病は時が経つと
どんどん目に見える色が
白と黒になり
見えなくなるんだ。

医者

見える色だけじゃない。
記憶の中の色も
消し去ってしまう。

医者

そして全ての色が
見えなくなった時
その人は死に至る。

医者

約１年で全ての色が
見えなくなる。

五十嵐大輝

え？じゃあ…

医者

そう。
白黒の世界になったら
死ぬ。

医者

だから、君の余命は
あと”１年”だ。

五十嵐大輝

え…

医者

治すことができない
病気だからね…。

医者

これは非常に珍しい
病気なんだ。

医者

それを皆は奇跡の病気。
”奇病”と呼んでいる。

五十嵐大輝

そん…な…

医者

やりたい事や
やらなきゃいけない事が
あるのならやって
おいた方がいい。

医者

これで私の説明は終わったよ。

医者

質問はありますか？

五十嵐大輝

…病気中の苦しみとかは
あるんですか？

医者

それは無いと
言われているよ。

五十嵐大輝

この事って親に伝えた方
がいいですか。

医者

それは君の判断に任せるよ。

五十嵐大輝

…なら伝えないです。

医者

わかった。
一応、理由も聞いていいかな？

五十嵐大輝

…病人扱いをして
欲しくないです。

五十嵐大輝

心配をかけたくないです。

五十嵐大輝

最後まで一緒に笑って
いたいからです。

医者

そうか。
その理由なら
心配いらないね。

五十嵐大輝

それでは
ありがとうございました。

医者

うん。
何かあったらまたおいで。

五十嵐大輝

…はい。

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