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ふりむかないあの子(あの子とアイツ...)

第1話 - ふりむかないあの子(あの子とアイツ...)

2022年05月29日

#せいしゅん

#れんあい

マッシュ(メンヘラ化)

自分

つぎの休み時間。

自分

あ〜あ、柴咲さんと話したいな......｡

自分

となりで杉田さんがいろいろ話しかけてくれるんだけど、おれは柴崎さんのことが気になってしょうがない。

自分

テキトーにあった話なんかをしてその場を盛りあげてると、

杉田さん

やだ、小出くん！それ、チョーおもしろいよ！

自分

杉田さんが手をたたいて笑ってくれるから、おれはちょっと自信がつく。

自分

おれの話で柴咲さんも笑ってくれないかな。

杉田さん

ねぇねぇ、小出くんの話、もっと聞きたいなぁ〜

自分

杉田さんがそう言ってくれるのも、うれしくないわけじゃないんだけど...｡

自分

あれ......柴咲さん、今こっち見てた？

小出ツトム

柴咲さ〜ん！

自分

柴咲さんにはすぐに目をそらされたけど、そんなのヨユウ。おれはいつもみたいに手をふりながら、柴咲さんの席へとむかった。

自分

でも、今日の柴咲さんはなんかちがう。

自分

いつもならちょっとめんどくさそうでも、ちゃんとおれのこと見てくれるのに。なんか、ずっと下をむいたままだ。

自分

もしかして、おれの顔を見るのもイヤとか？

小出ツトム

柴咲さんもさ、あっちでいっしょに話そうよ！

柴咲カホ

う、うるさいな！あっちで話してればいいじゃん

自分

柴咲さんにキツいカンジで、追い返されてしまった。

自分

今日の柴咲さんは、かなりキゲンが悪いみたいだ。

自分

それからすぐにチャイムが鳴ったから、おれは自分の席に戻ったけど、頭の中ではずっと柴咲さんのことを考えてた。

自分

でも、柴咲さんのあんなたいど、今まで見たことない...｡

自分

話すのも、目をあわすのさえもイヤなのかな。

自分

おれのことさけてるのかな。

自分

もしそうだったら、めちゃくちゃショックだな...｡

自分

気になってしょうがなかったおれは、その日の放課後、柴咲さんにいっしょに帰ろうって誘ったんだ。でも、柴咲さんはおこったみたいに赤い顔してて。

柴咲カホ

小出、いつもメイワクしてるんだから、こういうのやめてよね！

自分

心がズキッてした。

自分

でも、それを柴咲さんに気づかれたくなくて、おれはいつもみたいに笑ったんだ。

自分

そしたら、柴咲さんはにげるようにして教室を出て行った。

自分

柴咲さん、おれだってへこむよ。これって本気でキライだってことだよね。

自分

つぎの日から、おれは柴咲さんに話しかけるのをやめることにした。

自分

だって、もうこれ以上きらわれるのはイヤだから...｡

自分

だから目があっても、そこまで。そのあと、しつこく声をかけたりはしない。

自分

ガマン、ガマン...｡うるさくするからきらわれるんだ。

杉田さん

でね、小出くん。昨日のドラマが......でね......

自分

杉田さんが楽しそうにしゃべってるけど、正直、なんの話をしてるのか頭にはいってこなかった。

自分

返事も上の空になってしまうのは、気づくと柴咲さんのほうばかり見てるから。

杉田さん

あのさ、小出くん。柴咲さんに昨日言われてたこと...気にしてるの？

自分

なぜか杉田さんにバレてる。彼女は心配そうにおれの顔をのぞきこんできた。

小出ツトム

べつに、気にしてないよ

自分

そう言ってみたけど、あのときの柴咲さんを思いだすと、また心がズキッとする。

杉田さん

柴咲さんって、前からひどかったよね。小出くんに冷たいってゆうか...

自分

そんなことない。杉田さんには、柴咲さんのいいところがわからないんだ...｡

自分

柴咲さんがじつはすごく優しい子だってこと、おれは知ってる。

自分

問題がとけなかった子に休み時間を使って勉強を教えてあげたり、日直が消し忘れた黒板を、さり気なく消してあげたり。それからみんながめんどくさがる委員会の仕事だって、柴咲さんは自分から立候補してやってくれている。

自分

いつもさり気なく、みんなを気づかってくれてるんだよね。

自分

みんながそのことに気づいてないのは､柴咲さんが自分からそれをわざわざアピールしない子だからなんだ。

自分

1度おれが日直だったときに「ありがとう」って伝えたことがあったんだけど、そしたら柴咲さん、すごくキラキラした笑顔を返してくれたんだ。

自分

あのときの柴咲さんの笑顔、なぜか忘れられなくて...｡

自分

それからおれは、毎日柴咲さんのことを目で追うようになった。するとさらに、あの子のさり気ない優しさを知るようになった。

自分

見てるだけじゃガマンできなくなって、毎日柴咲さんに話しかけるようになってた。

自分

バカなこと言って、あの子を笑わせられると「よっしゃ！」ってガッツポーズしたし。

自分

ちゃんと柴咲さんのこと見てるやつがいるんだって伝えたくて、ついうるさくしてた。

自分

でもさ...それもこれも全部、あの子にいつも笑っていてほしかっただけなんだ。

マッシュ

「あの子とアイツ...」の小出ツトムバージョンです！コメントでつとむでよろしくといわれたのでしました！次はカホの話です！バィバィ

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マッシュ(メンヘラ化)

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