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#キャラ崩壊注意
Rara__ .
32
#キャラ崩壊
しゅぴ
2,024
1,217
まっちゃ🍵
80
目が覚めて、最初に思ったこと
━━体が、軽い
○○は布団の中でしばらくぼーっとしたあと
ゆっくり起き上がった
昨日まで重かった頭も
少し痛かった喉も
今日はほとんど気にならない
枕元に置いていた体温計を手に取る
脇に挟んで数十秒
ピピッと音が鳴った
○○は画面を見る
○○
平熱
よかった
今日は学校に行ける
それだけで、少し安心した
キッチンに立つ
炊飯器を開けると
炊いたばかりのご飯から湯気が上がった
○○はエプロンをつけて、冷蔵庫を開ける
卵を2つ
ボウルに割り入れて
砂糖を少し多めに入れる
兄は甘い卵焼きが好きだ
○○は卵を溶きながら、昨日の兄を思い出す
頬っぺ痛そうだったな
きっと、何事も無い顔で学校に行く
卵を焼く
形を整えて、少し厚めに焼いていく
自分のお弁当箱には普通くらい
兄の弁当は少しだけ多く
ご飯も増やす
お肉も3つくらい入れる
○○
蓋を閉める前に確認する
そして少しだけ冷ます
ふと、窓際に目がいく
○○
そこには見慣れない花があった
淡い色のスイートピー
細い茎にヒラヒラとした花びらがついている
昨日までここには何も無かった
○○
たぶん
昨日の夜にでも置いたのだろう
○○は花の前まで行く
○○
○○は少し笑った
花言葉
━━「門出」
新しい旅立ち
新しい出会い
今日の自分に、ぴったりだった
○○
○○
母はこういう所がある
普段は豪快で、忙しくて
あまり細かいことを気にしない癖に
こういう時だけ、妙にロマンチスト
○○はその花を少しだけ見つめる
○○
もちろん返事はない
それでも少しだけ、背中を押された気分になる
そのとき
大我
大きなあくびが聞こえる
振り返る
大我
寝癖のついた大我が、眠そうな顔で
階段を降りてきた
○○
大我
○○
大我
大我は冷蔵庫を開けながら
お弁当を見る
大我
○○
大我
○○
大我
それだけ
大して嬉しそうな顔もしない
けれど、当たり前だとも思っていない
○○もそれをわかっている
○○
大我
○○
大我
大我はあくびをしながら
椅子に座った
○○は先に自分の準備を始めた
制服
鞄
教科書
準備していたものをひとつずつ確認する
そして最後に廊下の鏡の前に立った
○○
自分を見る
黒い髪
少し眠そうな顔
昨日は熱もあったせいで、顔が怖かった
今日は大丈夫
学校に行ける
○○
緊張している
胸の奥が、少しだけ苦しい
今日から本当に始まる
新しいクラス
新しい人
知らない場所
ちゃんと話せるだろうか
また、何も出来ないまま
1日が終わってしまったら
○○は鏡の中の自分に笑いかけた
○○
笑顔
何かが変だった
○○
今度はどこか不自然だった
もう一度
○○
何を練習しているのか
自分でも分からなくなる
○○
もう一度笑う
大我
びっくりして○○は鞄を落とす
振り返る
○○
○○
大我
大我
○○
大我
○○
○○はそれ以上何も言わず、鞄を手に取った
そして玄関に向かった
○○
大我
大我
後ろから大我の声
○○は振り返る
○○
大我
○○
○○はイヤホンをつける
そして外に出た
朝の空気が少しだけ冷たかった
昨日まで寝込んでいた体には
それが少しだけ心地よかった
○○はひとりで歩き出す
青葉城西高校へ
今度こそ
ちゃんと始めるため
青葉城西高校
校門をくぐったところで
○○は足を止めた
中学生の頃とは違う制服
昨日は家にいたから、実感がなかった
でも今日は違う
本当に、今日からここで過ごす
職員室に寄ってから
色んな資料を貰った
クラスは1年2組
教室の場所を確認して、ゆっくりと歩く
やがてクラスの前に着いた
○○
扉の前で足が止まる
中から人の声が聞こえる
もう何人か来ているらしい
○○は鞄をぎゅっと握る
大丈夫
昨日休んだだけ
みんなそんなに気にしていない
そう自分に言い聞かせて
そっと扉を開けた
○○
一瞬
教室にいた何人かの視線が
こちらを向いた
『誰?』
そんな顔だった
当然だ
昨日入学式にいなかったのだから
○○はその場で固まりそうになる
けれど、なんでもないような顔をして
教室へ入った
自分の席を探す
黒板の横に貼られている席を確認し
席に向かっていく
既にいくつかの輪ができていた
女子が数人固まって話している
男子も集まっている
『昨日さー』
『え、南中出身なん?じゃあ小林知ってる?』
『え、知ってるってか友達』
そんな声が聞こえる
○○は自分の席に座った
○○
隣の席はまだ空いている
まだ来ていないらしい
周りからチラチラと視線を感じる
けれどしばらくすると、興味を無くしていた
...あぁ
○○は小さく息をついた
やっぱり
こうなる
まぁ...いい
1人なら、1人でいい
そう思っているとチャイムがなった
先生が入ってきて、HRが始まる
出席を取っていく
先生
○○
自分の名前に返事をする
そのままどんどん読み進める
隣の席は最後まで空いていた
○○は少しだけ首を傾げる
...休み、か
机に置いてある名札を見る
野田紬
○○
小さく呟く
綺麗な名前
きっと可愛らしい女の子なんだろう
そう思っただけで、それ以上は考えなかった
HRも終わりに近づいた頃
先生が思い出したように
先生
と言った
○○を見る
先生
○○
先生
先生
時が止まった
自己紹介
いちばん苦手なもの
教室の視線が○○に集まる
先生
立たなければ
わかっている
わかっているのに、体がうごかない
心臓がうるさい
手も足も震える
何か言わないと
名前、それだけでもいい
○○
それだけ
座った
教室が妙に静まり返った
どこかから
『え、それだけ?』
という声が聞こえる
○○は俯く
先生も困ったように笑った
先生
先生
それだけ言って、HRは終わった
━━終わった。
帰宅してから
○○はリビングのソファにうつ伏せになった
顔をクッションに埋める
○○
母
キッチンから母の声がする
○○
母
○○
小さく母が笑っている
その時玄関が開いた
大我
大我だった
リビングに入って
ソファに突っ伏している妹をみる
大我
母を見る
大我
母
大我
大我は察した
○○は何も言わない
大我
ソファの横に座る
大我
○○
○○は顔をあげない
昨日貰ったケーキが、冷蔵庫にある
○○はそれを取り出して箱を開ける
母
母は笑いながらいう
母
○○
ひとくち食べる
甘い
それが疲れた体には最高だった
○○
○○
母と大我が顔を見合わせる
そして2人とも笑った
母
母が優しく笑う
大我も
大我
そう言って○○を軽く撫でた
○○
大我
○○はまたひと口食べた
そして次の日の昼休み
相変わらず喋る人はいなかった
○○は自分のお弁当を机に置いた
蓋を開ける
昨日より少しだけ空気には慣れた
そんなことを思いながら箸を持った
○○
手元にあるお弁当が
やけに大きく見える
おかしい
○○は持ち上げる
○○
昨日より明らかに多い
お肉も多い
卵焼きとご飯も
○○
兄のだ
朝、間違えた
あの時...隣のやつ持っていっちゃった
どうしよう
お兄ちゃんに渡す?
いや、それは無理だ
3年生の教室に行くなんて
考えただけで鳥肌が立つ
そもそも兄妹だと知られたくない
○○はしばらく悩んだ
そして
○○
決めた
少し多いけれど
食べきれないことはない
○○は黙々と箸を進めた
数分後
ガラッと教室のドアが開く
大我
聞き覚えのある声
○○は顔をあげる
大我が教室を見渡している
○○
嫌な予感がした
大我
座席表を見ている
『え、待って福本先輩じゃない?』
『まじだ、かっこいい!』
『背...たっか』
一瞬で教室がザワつく
○○の手から箸が落ちた
カラン
その音に大我が気づく
大我
目が合った
大我が遠慮なしに机に近づく
そして机の上を見る
大我
一瞬固まる
大我
大我
○○
大我
教室中が
『え?』という声で溢れる
『福本?』
『え、同じ苗字だ』
『てことは...』
ザワザワと声が広がっていく
○○は慌てて立ち上がった
○○
大我
○○は大我の袖を掴み
そのまま走り出した
B棟の廊下
人気があまりない
そこまで来ると○○は大我を睨んだ
○○
大我
○○
大我
○○
○○は言葉に詰まる
○○
○○
大我
大我が頭を搔く
大我
大我
○○
大我
○○
大我
○○
大我
○○
ふたりが言い合ってると
久世夏都
廊下の向こうから声がした
及川徹
振り返る
そこに居たのは2人の男子生徒だった
1人は黒髪
目の下に小さなほくろがある
もうひとりは...
茶髪で整った顔立ち
髪は少しだけ癖がある
2人とも背が高い
その場にいるだけでなにか空気が明るくなる
久世夏都
大我
1人は久世夏都
もうひとりは噂で聞いていた
及川徹
及川徹
及川徹
○○は反射的に顔を手で隠した
久世夏都
不思議そうに久世が覗き込む
及川徹
大我
大我が呆れたように2人を見る
大我
及川徹
久世夏都
2人が同時に○○をみる
『妹?!』
○○は気まずそうに目を逸らした
少しずつ大我から離れる
今更隠しても遅い
すると
及川が○○の顔を見て
ぽつりと言った
及川徹
○○の足が止まった
○○
その言葉だけが耳に残った
━━知ってるし
そんなの
ずっと言われてきた
兄とは全然似ていない
性格も見た目も
何もかも
○○は何も言わなかった
そのまま2人を通り過ぎて教室に戻る
背中から大我の声が聞こえた
大我
振り返らない
○○
○○
それだけ言って
教室に戻って行った
残された3人
及川徹
及川徹
大我
大我
大我
久世が大我をみる
久世夏都
大我
久世夏都
大我
及川は○○の行った方向を見ていた
及川徹
とそれだけ呟いた
3人は購買の方へ向かった
春はまだ始まりの季節
そんな季節に
私は彼と出会った