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#キャラ崩壊注意
Rara__ .
32
#キャラ崩壊
しゅぴ
2,024
1,217
まっちゃ🍵
80
教室に戻ると
さっきまでとは空気が違っていた
扉を開けた瞬間
何人かの視線が、一斉にこちらを向く
そして━━
『ねぇ!福本さんって...』
『大我先輩の妹ってまじ?!』
『え、ほんと?!』
女子たちがどっと近づいてきた
キラキラした目
さっきまで話したこともなかった子達が
まるで前から○○を知っていたかのように
○○を囲んだ
『インスタやってる?』
『交換しようよ〜』
『ね、仲良くしよ!』
○○は少しだけ目を伏せた
こういうのにはもう慣れてる
○○
小さく笑ってスマホを取り出す
言われた通りにインスタを交換して
名前を聞かれて、好きな物を聞かれて
さっきまで
誰からも話しかけられなかったのに
兄の名前がひとつ出ただけで
こんなにも変わってしまう
━━所詮こんなものだ
わかってる
昔からそうだった
『福本大我の妹』
その肩書きがあると人が寄ってくる
嬉しくない訳じゃない
誰かに話しかけてもらう事が
嫌な訳では無い
ただ
時々悲しくなる
私じゃなくてもいいんだろうなって
その日の帰り
○○は家に帰らず
そのまま母の花屋に向かった
学校から少し歩いたところにある
小さなお店
扉を開けると、鈴が大きく鳴った
カラン、と乾いた音
○○
母の姿がない
店の奥を覗いていると
美晴
美晴
カウンターから声がした
顔をあげる
そこに居たのは美晴さんだった
髪を緩くまとめていて
いつものように、穏やかに笑っている
○○
○○はそれだけ答えて
鞄を置いた
そして店に並んでいる花の方へ向かった
花瓶から伸びた、少し傷んだ葉
それを1本
また1本
必要のない葉を、黙々と摘み取っていく
しばらくして
美晴さんが口を開いた
美晴
カウンターに頬杖をつきながら
少し笑っている
○○の手が止まる
振り返る
○○
美晴
○○
美晴
美晴
美晴
図星だった
○○は何も言わず、また葉っぱに視線を戻す
美晴
美晴さんは別の花を手入れしながら
何気なく聞いた
美晴
○○
○○はポツポツと話した
入学式の日に休んだこと
昨日初めて学校に行ったこと
今日の昼休みに大我が教室まで来たこと
美晴
話を聞き終わった美晴さんが
苦笑した
美晴
美晴
美晴
○○
○○
美晴
美晴さんは少しだけ安心したように笑う
○○は摘んだ葉っぱをゴミ箱に捨てた
○○
○○
美晴
○○
美晴
美晴さんは納得したように頷く
美晴
○○はそのまま床を掃き始める
美晴
○○
ふふっと小さく美晴さんは笑った
少しの沈黙
花を整える音だけが、店の中で響く
美晴
○○
○○は箒を持ったまま美晴さんを見る
○○
少し考えてから
○○
言葉を探す
○○
○○
美晴
美晴さんは面白そうに眉をあげた
美晴
美晴
○○
美晴
美晴
美晴
○○
思わず即答する
○○
そこまで言って、口を閉じた
その先は言わない
お兄ちゃんは美晴さんが好きだから
美晴さんだって大我の女関係くらい
きっと知ってるだろう
それでも
妹として
そこまで言うのは何か違う気がした
○○
○○
美晴
そのとき
ガラッ
店の扉が開いた
大我
聞きなれた声
○○が分かりやすくムスッとする
それを見て、美晴さんが吹き出した
美晴
大我
大我の顔がぱっと明るくなる
さっきまでの○○への態度とは
まるで別人だった
大我
美晴
美晴さんが笑う
その横で○○は無言で椅子に座った
大我がちらっと○○をみる
大我
○○
大我
○○
大我
大我
○○は何も言わなかった
大我はそれ以上は言及せず
すぐに美晴さんの方に向き直った
大我
大我
美晴
大我
そこからはいつもの大我だった
美晴さんの髪型を褒めてみたり
大学の話を聞いてみたり
さりげなく自分の予定を話してみたり
けれど
美晴さんは難なくかわしていた
美晴
大我
美晴
大我
大我の顔が少しだけしょんぼりする
その様子を
○○は座りながら見ていた
そして、ぽつり
○○
○○
大我
すぐに大我が振り返る
○○はなに食わぬ顔で
近くの葉っぱをいじいじしていた
○○
大我
○○
大我
○○
そんな二人を見ながら
美晴さんは笑っていた
そのとき
母
店の扉が開く
母だった
母
母
○○
○○が顔をあげる
母は店内を見渡してから
母
母
店じまいを始めた
花を片付け、店内を整え
最後に看板をしまう
母
母
美晴
美晴さんが鞄を持つ
すると大我がすぐに
大我
美晴
大我
美晴
美晴さんはクスッと笑う
美晴
美晴
大我
美晴
そう言って美晴さんは店を出ていった
美晴
母
○○も手を振る
扉が閉まる
しばらくして
○○
○○が小さく吹き出した
大我
○○
大我
○○
○○は口元を抑えながら笑う
大我は少しだけ不貞腐れた顔をした
大我
母はそんな二人を見て笑った
母
母
3人で店を閉める
母の車に乗り込んで
家へ向かう
窓の外に流れていく街の灯りを眺めながら
○○は小さく息をついた
学校では兄の妹として見られる
でも、ここでは
何も言わなくてもわかってくれる人がいる
それだけで
少し息がしやすくなる
翌朝
○○が教室のドアを開けると
『おはよー!』
『福本さんおはよー』
昨日とは違う声がいくつも飛んできた
○○
少し戸惑いながらも
○○も返す
昨日インスタを交換した子達が
手を振ってくれる
席につけば
『今日一限体育だよね』
『そうだよー』
そんな会話も自然と混ざってくる
昨日までほぼ誰とも話していなかったのに
それが嘘みたいだった
○○は息をつく
━━上手く、やっていける
そう思った
少なくとも昨日よりは
昼休み
今日は朝からお弁当を作る気にならなかった
昨日色々学校であったせいか
朝はいつもより少しだけ眠かった
○○
財布を持って教室を出た
購買で飲み物とパンを買って
そのまま教室に戻ろうとした
その時だった
女子
前から歩いてきた女子たちが
○○の前で止まった
2人
どちらも2年生らしい
制服の着こなしも、髪型も
○○とは違っていた
女子
○○
女子
○○は首を傾げる
女子
断る理由も思いつかず
○○は言われるがままについて行った
校舎裏
人の気配がない場所までくると
先輩のひとりが振り返った
そしてにっこりと笑った
女子
女子
○○
女子
もうひとりの先輩が笑う
女子
女子
○○は黙って聞く
女子
女子
困ってるんだよねぇと言いながら笑った
○○はその瞬間察した
━━あぁ、
またこのパターンだ
兄の話はあまり詳しくない
どこの女の子といつ遊んだかなんて
いちいち聞いていない
○○
○○
そういうと先輩が笑った
女子
○○
女子
○○
女子
まるで当たり前のことのように続ける
女子
女子
○○は少し黙った
どう答えればいいか分からない
でも
これは自分でどうにかすることじゃない
○○
小さな声で言う
○○
女子
○○
○○
1度言葉を区切る
○○
女子
先輩の顔から笑顔が消えた
女子
○○の肩が小さく揺れる
女子
女子
それだけ言うと
ふたりは踵を返した
○○
足音が遠ざかっていく
○○はその場から動けなかった
手に持っていた購買の袋が少しだけ
重く感じた
━━━まただ
胸の奥がじわっと冷たくなる
中学の頃もそうだった
兄の妹だから
兄が有名だから
兄と関わった人たちがこっちまで来る
最初は少し話しかけられるだけ
そのうち頼まれる
断ると嫌な顔をされる
そして
もっとエスカレートしていく
○○
小さく呟いた
○○
そのとき
及川徹
背後から声がした
○○が振り返る
○○
そこに居たのは
及川徹だった
制服のポッケに手を入れたまま
いつもの涼しげな顔で立っている
及川徹
○○は反射的にぺこりと頭を下げた
○○
及川徹
及川はさっき女子たちが去っていた方を見る
及川徹
○○
○○は小さく頭を振る
及川徹
○○
及川は少し考えるように○○を見る
及川徹
及川徹
そしてニコッと笑った
及川徹
○○は固まった
━━この人。
直感的に思った
チャラい
なんというか
兄と同じ種類の人だ
○○
及川徹
○○
及川徹
及川は笑う
及川徹
○○
○○の眉がほんの少しだけ寄った
○○
○○
及川徹
○○
○○
及川が目を瞬く
○○は少しだけ顔を上げた
○○
○○
一瞬静かになって
そして
及川がぷっと笑った
吹き出している
及川徹
○○
及川徹
及川徹
及川徹
笑いながら言っている
肩を揺らしながら
及川徹
及川徹
そしてサラッと付け足す
及川徹
○○
○○はその言葉を聞いて
及川をみる
少し考えた
○○
小さく一歩、後ろに下がる
○○
及川徹
それだけ言って
○○は逃げるようにその場を離れた
及川徹
呼ばれても振り返らない
足早に進んでいく
購買の袋を胸に抱えたまま
━━やっぱり
あの人も、お兄ちゃんと同じだ
そう思いながら○○は教室に戻った
コメント
3件
最近いいね出来なくてごめんねー😢💦 ちょっくらもう一周してくる🫡
初コメ失礼します 題名が素敵でどんなことを書いているのかいつも楽しみにしてます( *´꒳`*) 今回及川さんが声掛けた時に「チャラいのは兄で十分なので」って断ったのがかっこよかったよ 続き楽しみにしていますが無理せず頑張って下さい
センシティブになってしまって申し訳ない そんな🩷な内容書いてないのに 悲しいよー。