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・ご本人様と関係ありません ・個人用なので駄作 ・学パロ ・短い ・嫌な奴が居る ・キャラ崩壊注意 ・何が来ても良い人向け
以下本編 135タップ
モブ
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モブ
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モブ
今まで居た彼氏に別れを告げられる夢を見た。
全員、理由は一致していて「つまらない」だった。
そんなつまらない自分を直したかった。
だが、真面目と言われる根が強く付いていて、簡単には変わらなかった。
社会人になってからは恋愛だなんだから離れていたが、偶に夢で思い出してしまう。
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二度寝をしようと、もう一度ベッドに入ると携帯から通知が鳴った。
目をやると、高校時代の友人からだった。
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「Broooock」という渾名を持つ友人。
明るくて面白くて、でも、どこか抜けている人。
高校卒業の時、彼は両親と一緒に別の街に引っ越していった。
ほぼ毎日メッセージでやり取りしていたが、二番目か三番目の彼氏に家族以外の連絡先を消されてしまった為繋がりが消えてしまった。
彼氏と別れた後に偶然会えた友人だけまた連絡先を交換しておいて良かった。
彼に会うのが楽しみであり、不安であった。
「いつもの場所」と言う名の東屋に向かう。
公園の中というには離れている為、俺達が駄弁るには便利な場所だった。
いつもの椅子に座って待っていると、後ろから抱きつかれた。
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俺の隣に座って、背中を優しく撫でてくれる。
久し振りに感じた彼の優しさに胸が締め付けられた。
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今までの恋愛歴を全部話した。
その間、彼は静かに聞いてくれた。
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段々と声が小さくなったが、距離の近さで聞き取れた。
返事に迷ってしまう。
彼もいつか、俺のつまらなさに耐えられなくなる。
着ていたジャージのチャックを上まで上げた時、彼が声を出した。
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その目があまりにも真っ直ぐだったから信じてしまった。
仮交際が始まって一ヵ月、同棲出来る環境でも無く、夜に電話をしたり、週末に会う日々を送っていた。
一週間で音を上げると思っていたが、彼に変化は無かった。
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淡白な声で電話を切る。
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こんなに良い人を手放したくない反面、彼を解放したかった。
旅行まであと五日程。
俺は決断をしなければならない。
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今日は仮交際している恋人と日帰りに旅行に行く日。
久々に二人で出かけるから緊張で眠れなかった。
遅刻癖を治すために事前に家を出る時間を決めていたが、まだ二時間近く余っている。
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彼にメッセージで「おはよう」だけを送ってみる。
まだ寝ているのか返信は無かった。
携帯は適当な位置に置いて、朝ご飯を作る。
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声だけでも分かるほど、彼は疲れていた。
電話だけじゃ彼の傷を癒やすことは出来ない。
もっと近くで彼を支えたい。
話を持ちかけてはみたが、断られてしまった。
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不安になる気持ちを朝食と一緒に噛み砕く。
今日は絶対に遅刻しないと決めたから早めに荷物を用意する。
早めに集合場所に向かう。
十分前に着いたのに彼は既に居た。
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こんなに優しくて良い男なのに、歴代の彼氏達は見る目が無い。
だが、そのお陰で付き合えているから四分の一くらいは感謝している。
電車に乗って揺られる。
最近の様子を聞こうと、彼の方を見ると携帯を見ていた。
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彼は携帯の電源を切った。
目に見えて暗い顔をしている。
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真面目さを「間違い」のように認識していることを頭から欠いていた。
タイミングが良いのか、悪いのか、目的の駅に着いた。
彼の手を握って電車から降りる。
人目のつかない場所に移動して、彼の頭を撫でる。
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彼の笑顔が真っ直ぐだから心に来た。
こんなに優しい彼と俺じゃ釣り合わない。
揺れていた決心がやっと固まった。
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小さく呼吸をしてから彼はゆっくり口を開ける。
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俯いていたって涙は出てこない。
虚しい気持ちだけが胸を埋め尽くしている。
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彼は俺のことを肯定してくれた。
それが嬉しくて、少し戸惑って、涙が出てきた。
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俺が落ち着くまで彼は背中を擦ってくれる。
今までの恋人には無かった優しさ。
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彼に対する執着心の正体。
俺はこの人が居ないと駄目みたいだ。
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彼の顔がパァッと明るくなる。
骨が折れそうなくらい抱き締めてきた。
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自分を受け止めてくれる人がいる。
彼が居たら、ほんの少しだけ自分を好きになれそう。
彼のことも昔より好きになった、特別な一日だった。