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君と過ごす、放課後の旋律

第1話 - 君と過ごす、放課後の旋律

2025年04月24日

#恋愛

#日常

#青春

tai💜🖤🎮🍡❄️☃️

第1章転校生と音楽室

佐伯先生

お、神谷。早いじゃないか
今日から転校生来るから、
ちゃんと迎えてやれよ。

神谷凛

はい。分かりました

数分後教室のドアが開いた

佐伯先生

みんな注目
今日からこのクラスに加わる転校生を紹介する

白崎澪

白崎澪です。
よろしくお願いします。

佐伯先生

白崎は...そうだな、
神谷の隣が空いてるな。

佐伯先生

白崎、あそこに座ってくれ

白崎澪

神谷くん、で合ってる？

神谷凛

う、うん
神谷凛です。よろしく

白崎澪

こちらこそよろしく
...なんか緊張するね。

神谷凛

そう......だね

昼休み

松岡

おい凛！
隣に座ってる転校生、めっちゃ可愛いじゃん！名前なんだっけ？

神谷凛

白崎澪...って言ってた。

高木

喋った！？どんな子？

神谷凛

んー...普通に、
いい人そうだったよ。

松岡

ちょっとまて、
普通にいい人って何だよ！
それもう惚れてんじゃね？

神谷凛

ち、ちがうって...！

放課後の音楽室

神谷凛

...白崎さん？

白崎澪

あ、邪魔だった...かな？

神谷凛

ううん、そんなことないよ
どうかした？

白崎澪

ちょっとピアノ、弾きたくなって。

神谷凛

どうぞ

神谷凛

僕もギター弾くから、
一緒に音出してもいい？

白崎澪

ふふ、いいよ。

神谷凛

...すごく、綺麗だった

白崎澪

ありがとう。
...でも少し間違えたかも。

神谷凛

そんなことない。
むしろ心に残ったよ。

白崎澪

...ありがとう
今度は神谷くんのギターも聞いてみたいな

神谷凛

じゃあ...今度、一緒にセッションでも...する？

白崎澪

うん。約束

第2章重なる音、揺れる心

翌週の放課後

白崎澪

来てくれるって思ってた

神谷凛

約束したからね

白崎澪

今日は、何弾くの？

神谷凛

うーん...アルペジオで始まって、サビで転調する感じのやつ。

神谷凛

前に作ってた曲なんだけど
ちゃんとしたメロディが
まだなくて。

白崎澪

じゃあ私、合わせてみてもいい？

神谷凛

もちろん。自由にひいてくれて大丈夫

演奏が終わり

白崎澪

...なんだろう、不思議
神谷くんのギター落ち着く

神谷凛

それは、澪のピアノがすごく心地いいからだと思うよ

白崎澪

... ...ねぇ、神谷くんはどうしてギターを始めたの？

神谷凛

中学生の時かな。
家が静かで音が欲しかったんだ。誰かと話すより、音に想いを託す方が得意だったから

白崎澪

そっか...なんか、
わかる気がする

神谷凛

澪は？

白崎澪

...母がピアニストだったの

白崎澪

小さい頃から、音が生活の一部だった。

白崎澪

でもある日突然、それがなくなって...しばらく、ピアノを弾けなくなった

神谷凛

...なくなったって...

白崎澪

事故で。3年前。

白崎澪

音楽ってね、記憶を呼び戻す力があるの

白崎澪

いい思い出も、
悲しい思い出も

神谷凛

...うん

白崎澪

でも、ここで弾くと、不思議と辛くない。

白崎澪

神谷くんのギターがあるからかも

次の日の昼休み

白崎澪

ねぇ、神谷くん

神谷凛

どうしたの？

白崎澪

文化祭、まだ先だけど...

白崎澪

音楽発表あるって聞いた

神谷凛

うん、あるよ。
クラスでバンド組む人とかも多いし

白崎澪

一緒に出てみない

神谷凛

...僕でいいの？

白崎澪

君とならって、思ったから

第3章君に触れる距離

文化祭まで残り１ヶ月

白崎澪

今日はサビの部分からやろうか。

神谷凛

うん。でもその前に昨日、メロディ少し変えてみたんだ。聴いてもらっていい？

白崎澪

...いい。すごくいい。
やっぱり神谷くんの音好き

神谷凛

ありがとう。
澪のピアノがあると、曲が完成する気がするよ。

白崎澪

ふふ...そう言ってもらえると、ちょっと照れる

数日後

松岡

おい凛！
音楽発表のタイムテーブル決まったぞ。お前ら、トリな！

神谷凛

え、トリって...！

松岡

期待してるからな？
お前と白崎の演奏
マジで評判いいぞ

神谷凛

...まじか...

白崎澪

...私たち、トリなんだ...

神谷凛

プレッシャー、ある？

白崎澪

あるよ。...でもね、
それ以上に...嬉しい

神谷凛

...俺も。

ある日の音楽室からの帰り道

白崎澪

...ねぇ、神谷くんって
好きな人いる？

神谷凛

えっ...なんで急に？

白崎澪

...なんとなく。もしいたら
聞いておきたくて

神谷凛

... ...いる、

神谷凛

かもしれない

白崎澪

そっか...ふふ、じゃあ、
ライバルは多そうだね

神谷凛

（好きなのは君だよ）

第4章ステージ上で、君に伝えたいこと

文化祭当日の放課後ステージ控え室

神谷凛

すごく、似合ってる

白崎澪

ありがとう。
ちょっと恥ずかしいけどね
ねぇ、神谷くんは緊張してる？

神谷凛

してる。けど、それ以上に
楽しみでもある

白崎澪

私も、同じ

午後4時45分

神谷凛

今日、僕たちが届けたいのは、ひとつの旋律です

神谷凛

この曲のタイトルは
『君に触れた音』

澪と神谷は演奏を始める

最後のフレーズを弾き終えた瞬間観客からの拍手が波のように押し寄せた

白崎澪

なんだか、夢みたいだったね

神谷凛

ほんとに

神谷凛

澪。

白崎澪

なに？

神谷凛

あの曲...『君に触れた音』って僕が澪を思って書いた曲なんだ

白崎澪

え...?

神谷凛

ずっと伝えたかった

神谷凛

澪が好きだ

白崎澪

...ずるい。そんなの言われたら...私も、好きって言うしかないじゃん

神谷凛

おはよう澪

白崎澪

おはよう神谷くん...
じゃなくて凛

ある日の放課後

神谷凛

ん？何してたの？

白崎澪

実行委員会の依頼で、
冬イベントの準備の手伝い
ちょっとだけね

神谷凛

そうなんだ
最近、忙しそうだね

白崎澪

うん...でも、楽しいよ
やることいっぱいあるって
いいことだし

神谷凛（心の声）

会いたいのに、声をかけるタイミングが見つからない...俺、面倒な男になってる？

次の土曜日

神谷凛

大丈夫？
無理してない？

白崎澪

ううん、大丈夫。ただ少しバタバタしてただけ

白崎澪

...ねぇ、神谷くん

神谷凛

ん？

白崎澪

最近何かあった？
なんか前と違う気がして

神谷凛

...俺の方こそ、澪が忙しくてちょっと置いてけぼりにされた気がしてた

白崎澪

え...そうだったの？

神谷凛

でも、言えなかった。
言ったら、負担になる気がして

白崎澪

...私も、同じだった。
凛が何も言わないから
ちゃんと向き合えてなかった

白崎澪

ごめんね。
ちゃんと話せてよかった

神谷凛

うん...ごめん。
俺もちゃんと伝えるよこれからは

二人の心が近づいたその夜澪のスマホに1本の着信が届いた

相手の名前を見た時僕の心にまた、新しい波が立ち始めた

伊吹翔真

不在着信

中学時代の同級生澪の昔好きだった人

第6章揺れる想いと選択

翌日の昼休み俺は、澪に問いかけた

神谷凛

...翔真さんって、中学のとき好きだった人だよね？

白崎澪

...うん

神谷凛

最近、よく会ってる？

白崎澪

たまたま駅で再開して
今大学で音楽やってるって聞いていろいろ話してて

神谷凛

たまたまでこんなに何度も会う？

白崎澪

...凛は、私のこと信じてくれてないの？

神谷凛

...違う、そうじゃない。
ただ怖いんだ。

白崎澪

私が翔真先輩に戻るって？
そんな簡単に、気持ち戻らないよ

そしてその翌週

澪から「しばらく会うのを控えたい」とメッセージが届いた

理由は「自分の気持ちを整理したいから」

恋人同士なのに距離を置くそれは実質、別れに近い言葉だと思った

白崎澪

やっぱりここにいた

神谷凛

...どうしたの

白崎澪

話したいことがあるの

白崎澪

あの日、凛が嫉妬してくれて本当は、嬉しかった

白崎澪

私ね、翔真先輩にもう何も感じなかった

白崎澪

けど、再開して少し揺れたのは過去の憧れを思い出しただけだった

神谷凛

...それでも、俺は不安だった

白崎澪

それが普通だよ
でも、私は凛が好き。
だから、ちゃんと選ぶって決めたの

白崎澪

もう迷わない。凛と、これからも一緒にいたい

神谷凛

ありがとう、澪。
俺も、やっと素直に信じるって言える

第7章もう一度、君のとなりへ

佐伯先生

これが、君たちの未来に直結する紙だ。しっかり考えて記入しろよー

神谷凛

澪、もう進路決めた？

白崎澪

...うん。一応
第一志望は決めたよ

神谷凛

どこ？

白崎澪

音大。東京の

神谷凛

...東京、なんだ。

白崎澪

うん。...前から憧れてた学校でピアノと作曲、両方学べるの

神谷凛

そうか、すごいじゃん。
きっと合格できるよ

年が明け、三学期

ある日澪が小さな封筒を僕に差し出した

白崎澪

...開けてみて

中には小さな手紙と、折りたたまれた五線譜

手紙にはこう書かれていた

君と奏でた時間を、私は一生忘れない離れても、私はまた君と音を重ねたいだからこの旋律を、ずっと大切にしてね

そして譜面には最初に作った曲『君に触れた音』の歌詞の続きが書かれていた

神谷凛（心の声）

俺は、何を迷ってるんだ
未来を選ぶって、こういうことじゃないか

卒業式当日

神谷凛

...卒業、おめでとう。これから別々の道を歩くけど、俺たちの音楽は終わらない

神谷凛

だから、約束する。
必ずまた同じスタージに立とう

澪は泣きながら、でもしっかりとうなずいた

最終章卒業の日、約束の旋律

それから3年

神谷凛は地元の大学で音楽教育を学びながらバンド活動を続けていた

白崎澪は東京の音大で作曲を専攻しながら、小さなライブハウスでピアノを弾いていた

202X年3月1日

神谷は東京に向かっていた

白崎澪

次の曲は、特別な人に向けて。ステージに、呼んでもいいですか？

白崎澪

神谷凛くん
一緒にラストを奏でてください

演奏が終わった瞬間会場は静まりかえりやがて大きな拍手が降り注いだ

神谷凛

俺、東京に来るよ
音楽をもっと学びたくなった

白崎澪

...えっ？

神谷凛

離れても繋がってた。
でもやっぱり隣で奏でたい

白崎澪

ずっと、待ってたよ
その言葉

[完]

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