雪愛
はぁ、帰るか
憂魅
見損なったよ、雪愛ちゃん
雪愛
ッ!
雪愛
何が見損なったんですか?
憂魅
とぼけるな、冬樹のことだよ
憂魅
今日ずっと泣いてた
雪愛
ッ!
雪愛
私は憂魅ちゃんとの勝負に負けました
雪愛
友達も辞めましたし、もう冬樹ちゃんのそばにいる資格がないんです
憂魅
そんな事で諦めるの?あんたの想いはそんなものなの!?
雪愛
…!
雪愛
あんたが言える立場なの!?私から冬樹ちゃんを取った癖に!!
憂魅
あんたは逃げてるだけでしょ!!私がいなくてもいつか絶対諦めてた!!
雪愛
何を根拠に…!!
憂魅
自分は報われなくていい、冬樹が幸せならそれでいい。そんな綺麗事をずっとほざいてるからだよ
憂魅
あんたは傷つくことが怖いんでしょ!?冬樹から報われないことに絶望したくないだけでしょ!?
憂魅
だから諦めてる、逃げ道をずっと確保してる
雪愛
違う!!
いや、間違ってない
「報われなくていいの?本当に?」違う 本当は…
報われたい、愛されたい、思われたい。 私が冬樹ちゃんを好きなように、冬樹ちゃんが私を好きになって欲しい
けど…
雪愛
いくら願ったって叶わないものがあるの!!冬樹ちゃんは女性で同性なんです!!他に好きな人だってきっといる!!
憂魅
だから諦めるの?そんな上っ面だけの関係で満足してるの?
雪愛
私はそれでいいの!!冬樹の為ならこの気持ちを殺してみせる!!
憂魅
…
憂魅
無理に決まってる、そんな関係はいずれ破綻する
雪愛
…!
憂魅
なんでわかるかって?
憂魅
私がそうだったからだよ
雪愛
!!
憂魅
私は雪愛ちゃんと同じ年下の心から愛してた人がいた
憂魅
その子が幸せならそれでいい、例え私と結ばれなくても
憂魅
そうして気持ちを押し殺して押し殺して
憂魅
ついに過ちを犯した
憂魅
年の差を考えたら振り解けるはずもなくそれで私は…
憂魅
数日経ったらその子は私の前から姿を消した
憂魅
見返りを求めない想いは必ず歪む
憂魅
人の想いっていうのはそんなに綺麗では無いんだよ
憂魅
そして私は身分を隠して召喚に入り浸った
憂魅
お金と体の割り切った関係なら誰も傷つかず済むから
憂魅
でも、満たされることはなかったよ
憂魅
彼女を傷つけて、失って、後悔してる
憂魅
”ずっと”
雪愛
…
雪愛
私にどうしろと…
憂魅
あんたが冬樹を諦めるって言うなら、私は冬樹を”慰め者”にするよ
雪愛
ッ!
雪愛
本気で言ってるんですか!?
憂魅
せいぜい楽しませてもらうよ笑
雪愛
そんなことさせない!!
憂魅
へぇ、どうやって?笑
雪愛
ッ!
雪愛
ハッ!
雪愛
アモルの祭式で勝負しましょう!!
憂魅
恋の天秤に供物を捧げて思いの深さを測る…か
憂魅
いいよ
憂魅
でも1つ条件がある
雪愛
何?
憂魅
私が勝ったらあんたも私が貰う、それが条件
雪愛
わかった
雪愛
”絶対”負けないから
冬樹
雪愛、おはよ
雪愛
…
冬樹
?
お昼休憩
雪愛
ふぅ、行くかぁ
冬樹
ねぇ、雪愛
雪愛
?
冬樹
来て
雪愛
え?
雪愛
どうしたの、こんな誰もいない教室に呼び出して
冬樹
雪愛最近変だよ
雪愛
…
冬樹
なんかあったの?
雪愛
…
冬樹
ねぇ!何か言ってよ!!
雪愛
…昨日の放課後覚えてる?
冬樹
うん
雪愛
あの勝負は冬樹を掛けたものだったの
冬樹
は?
事情を説明中
雪愛
ということだから
雪愛
もう私に話しかけてこないで
冬樹
…何子供みたいなこと言ってるの
雪愛
は?
冬樹
何負けたからってうじうじ逃げ回ってるの!!
冬樹
いつものあんたならこんなことで逃げなかったじゃん!!
冬樹
呆れた、みっともないと思わないの!?
雪愛
…
冬樹
今の雪愛は私の知ってる雪愛じゃない
冬樹
私の知ってる友達じゃない…
雪愛
…そしたら私”友達”やめるよ
冬樹
は?
冬樹
今なんて…
雪愛
冬樹ちゃんと友達辞めるよ!!
冬樹
ッ!!
冬樹
…わかった
冬樹
今までありがとうね
冬樹
”紗花咲雪愛”さん
雪愛
ッ!
冬樹
ポタ💧
雪愛
冬樹ちゃんッ!
冬樹
もういいよ
冬樹
話は終わったから出ていって
雪愛
…わかった
ガラガラパタン
私は人生最大の誤ちを犯した
取り返しのつかない致命的な過ちを
冬樹
雪愛も私を見捨てるんだね
冬樹
”嘘つき”
冬樹
え、勝負?アモルの祭式で?
憂魅
うん
冬樹
また勝手なこと…
憂魅
しょうがないじゃん、肝心の冬樹が本当の気持ちを言わないんだもん
冬樹
…
憂魅
だから争うんだよ
憂魅
恋の天秤が測るのは本当は誰の思いなんだろうね
憂魅
〜〜
冬樹
ッ!







