コメント
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新しいの出た?!これだけで気分バク上がりだぜ(?)嬉しい続き待ってます!
かわいい、、、、 春のあたたかい雰囲気がして好きだよ〜!! 続きめちゃめちゃ楽しみです…!
ものすごくいい作品でいいねの手が止まりませんでした!続き楽しみに待ってます!
大森元貴side
ピーンポーン
俺しかいない家にチャイムの音が静かに響いた
玄関からは俺を呼ぶ元気な声。
玄関に誰がいるのか、そんなことはもうわかっている
若井滉斗。 俺とは性格が正反対の若井は、毎日俺の家にくる
中学校の時から高校生になった今まで。
通学路は正反対のはずなのに、そして学校に行っていないのに毎日毎日、いつもと同じ時間に。
俺と若井は同じ高校に通っていた
中学の同級生、中には小学校の同級生までいる、ごく普通の高校。
でも、入学式に出てから、すぐに行くのをやめた
理由は、曲を作るため。
家にいる時間はすっと曲を一人で作っていた。
でも、最近曲がかけない。
スランプってやつなのかもしれない
そのせいかだいぶ俺のストレスは溜まっていて、つい家族にもキツく当たってしまう
何かきっかけがあれば、曲をかけるようになるはずなのに。
wki.
omr.
インターホン越しに若井に言う
いつもなら「わかった」と言って玄関を離れていくのに。
今日は違った
wki.
omr.
wki.
omr.
そんな押し問答の会話をしていると、若井が唐突に言った
wki.
聞かせたい、音?
若井のその言葉に興味を持った俺は、今日だけ学校に行くことにした
入学してから一ヶ月ぶりの登校
気分はあまり乗り気ではない。でも、音が気になるから。それだけ。
ぶかぶかした制服で教室に入る
教室に入った瞬間、同級生のざわざわした声が頭に響いた
MOB.
wki.
若井の友達だろう
俺と同時に入ったは若井は色んな人に話しかけられながら自分の席に歩いていく
「置いていかないでよ」 その声は人の声に紛れて消えてしまった
どうしていいか迷っていると、さっきの男子生徒が話しかけてくれた
MOB.
omr.
かろうじてそれだけ言う
随分そっけないけれど、男子生徒はにっこり笑ってくれた
俺は若井の隣の席について鞄を置いた。
俺が教室に入って早くも十分が経った
頭が痛い
きっとホームルームが始まるまであと五分。
俺の体は限界だった
左右から聞こえてくる女子特有のつん裂くような笑い声。
男子の下品な叫び声。
全てが騒音となって俺を襲ってくる
気持ち悪くなって俯くと、若井が声をかけてくれた
wki.
omr.
wki.
wki.
若井は謝りながら自分と俺の荷物を持って立ち上がった
さっきの男子生徒が、 「先生には言っとくから」 と笑ってくれた
若井は俺の手を引いて人気のない廊下を歩いていた
教室棟を抜けて、一番端の棟。
静かな場所だった
鳥の鳴き声 木がさわさわ揺れる音。 静かに聞こえる人の話し声。
全てが穏やかに聞こえる
ここだけ時間が止まったみたいに思えた
学校に、こんな場所があったなんて。
そんなことを思いながら若井の方を見る
頭の痛みも気持ち悪さもすっかりなくなっていた
ふいに若井がこっちを向く
その時だった
♪〜♪〜♪〜
何かが聞こえる
木の音や人の音に混じって優しく響く、綺麗な音
omr.
若井にそう言うと若井はにっこり笑って言った
wki.
omr.
wki.
若井にそう言われてもう一度耳をすませる
音は、間違いなくフルートの音だった
切なくて、優しくて、それでいて力強くて、繊細で綺麗な音。
誰が吹いているんだろう
その気持ちが、俺の足を動かした
会ってみたい 見てみたい
あんな綺麗な音を出せる素敵な人に。
そして歩いて行って、ようやく見つけた
窓から身を乗り出してフルートを引く、男の人を。
これが、俺たちと涼ちゃんとの出会いだった
こんにちは✨
新連載「貴方に明日も会えるように」 いいねと感想よろしくお願いします🤲
※学園パロです。出会い方など、現実とは違うところがあります※
それではまた!