大森元貴side
フルートを吹く人は、フルートを弾くのをやめて窓の外を見た
開け放した窓からは春風が吹いてきた
男の人の髪がさらりとなびいた
omr.
俺は勇気を出して声をかけた
すると男の人はびっくりした顔をしてこっちを振り向いた
そしてにっこり笑って言った。
fjsw.
優しい優しい声だった
挨拶とされたら返さないといけないと思い、ぎこちない笑みを貼り付ける
omr.
ぎこちない笑みに触れることなく男の人は笑って続けた
fjsw.
wki.
omr.
fjsw.
omr.
fjsw.
そう言って藤澤さんはもう一度弾けるように笑った
fjsw.
omr.
wki.
fjsw.
そして、「すごく似合ってる」と微笑んだ
純粋に嬉しかった
初対面のはずなのに、まるで何度も会っていたみたい
更によく聞くと、藤澤さんは吹奏楽部に入っているみたいだった
でも、ちょっと前に退部してみたいだった。
そして学校に来ているものの教室に入っておらず、いつもここで過ごしているらしい。
なんで、ここに来るようになったんだろう
俺は若井に連れてこられたから 若井はフルートの音が聞こえたから
でもその前はなんの音もしない場所だっただろう
普段よくいる教室棟から離れた穏やかな場所に、来ることになった理由はなんだろう
不思議に思って俺は聞くことにした
omr.
fjsw.
wki.
fjsw.
fjsw.
wki.
藤澤さんはにっこり笑いながら若井と喋っている
結局、なんで藤澤さんがここにいるのか、わからないまま、俺たちは日々を過ごした
毎日毎日若井と一緒にあの空き教室に行く。
空き教室には絶対に藤澤さんが待っていてくれる
朝から夕方まで、俺たちは喋ったり笑ったりして穏やかな時間を過ごしていた
若井はギターを持ってきてギターを弾いたり
俺はタブレットで曲を聴いたり
藤澤さんはフルートを弾いたり窓の外を眺めたりしていた
藤澤さんのあだ名は“涼ちゃん”に決まったけど、まだ俺は呼べていない
でも、つい昨日、呼べるようになった
初めて涼ちゃんに涼ちゃんって言えた時、涼ちゃんはすごく嬉しそうな顔をしていた
その表情を思い出すだけで胸がぽかぽかする。
いつのまにか俺は学校に毎日行くようになっていた
今日は若井が先生から呼び出しされた
仕方ないので一人で行くことにする
いつものように空き教室に入ると涼ちゃんが出迎えてくれた
fjsw.
omr.
fjsw.
涼ちゃんが顔を顰める
omr.
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omr.
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omr.
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omr.
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涼ちゃんは陽の光に眩しそうに目を細めた
そのままフルートケースに手を伸ばしてフルートを取り出す
涼ちゃんはそれからフルートを弾き始めた
その歌は、もちろん知っている
パッヘルベルのカノン。
涼ちゃんがよく弾いてくれる有名な曲だ
こんにちは✨
1000いいねありがとうございます😭 嬉しすぎる感想も来ていてとても嬉しかったです
この作品もいいねと感想よろしくお願いします🤲
次は涼ちゃんサイドです 涼ちゃんがなんで空き教室に行くのか、明かされるかもしれません
楽しみに待っててくれると嬉しいです👍
それではまた!
コメント
3件
めちゃめちゃあたたかい… 💛ちゃんって春風みたいな優しい温かさ持ってるな〜って感じる… ずっと平穏なこの日常続いてくれえ…… 続きまってるよ!!
あなたに明日も会えるようにって題名でもう好き!なのに物語も最高とか何事?!続き待ってます!
初コメ失礼します! みのりさんの作品マジで好きです!!! 続きも待ってます!