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人間の条件 (全3話)

第3話 - 人間の条件 #3

128

2020年04月22日

#AI

#ファンタジー

#ホラー

#愛

#ミステリー

メロン

パパ

…？

パパ

アネモネの意識が戻った…？

医師

はい

医師

奇跡的ですよ、わずか1年で完全に完治するなんて。遷延性意識障害を併発された方はそのまま心疾患で亡くなる方も多いんです。

パパ

アネモネ…アネモネに合わせてください！

医師

分かりました。こちらにどうぞ。

アネモネ

…パパ？

パパ

アネモネ…

アネモネ

俺助かったの？手術は成功したの？

パパ

いや…詳しい事は帰ってから話すよ。退院の準備もあるし。

アネモネ

…分かった。

パパ

お前！アネモネの意識が回復したぞ！

ママ

…え？

パパ

アネモネの意識が回復したんだ！今日が退院予定だから時期に迎えに行くよ。

ママ

そんな…。じゃああの子は…。ハイドはどうなるの？

パパ

業者に処分してもらうか…

ママ

そんな事出来るわけないじゃない！あの子は私達の子よ？

パパ

人間とロボットどっちが大事かなんて決まってるだろ！どっちも育てるとでも言うのか!?

ママ

…育てるわよ！

パパ

…

パパ

はぁ…分かったよ。

パパ

君の根性には負けた。

パパ

僕も協力するよ。

パパ

とにかく、アネモネにはまだ何も話していないんだ。これから説明が必要だろう。今までの事も、ハイドの事も…。

ママ

そうね。アネモネには私が説明するわ。あなたはハイドをお願い。

パパ

分かった。ハイドが帰ってきたら僕から説明するよ。

アネモネ

嘘…だろ。

ママ

今話した通りよ。あなたは1年間昏睡状態で回復の見込みもほとんどなかった。その間にパパが購入したのがハイドなの。

アネモネ

…

アネモネ

ハイドは知っているのか？

ママ

いいえ。でもあの子は、自分をロボットだなんて思っていないから…アネモネもその事は言わないでね。

アネモネ

バカな…

ママ

分かって、アネモネ…

アネモネ

…

パパ

ママ…ハイドを連れて来たよ。

ママ

…

アネモネ

…お前が、ハイドか？

ハイド

ああ、そうだ。お前のことは父さんから全部聞いている。でも、俺はロボットなんかじゃないし、お前の代わりでもない。

アネモネ

お前…認めたくないのは分かるがお前はロボットなんだよ…。人間じゃないんだ。

ハイド

違う！突然お前みたいな訳が分からない奴と一緒に住めるかよ！

アネモネ

ふざけてんのか？

ママ

ちょっとアネモネ、ハイド…

アネモネ

母さんはこいつを人間だと思ってるのか？そんなわけないだろ！

パパ

2人ともやめろ。どっちも大切なうちの子だ。突然こんな事になって仲良く出来ないのは分かるが貶すのは違うだろう。

ハイド

父さん…

ハイド

僕は…ロボットなんかじゃないよね…

パパ

…夜も更けてきた。今日はもう遅い。みんな寝よう。

アネモネ

ああ。

先生

皆さん！今日は嬉しいお知らせがありますよ！なんと、1年前から家庭の事情で休学されていたアネモネさんが、またこの学校に復帰して授業を受けることになったんです。

アネモネ

よろしくお願いします！

キキョウ

…！

キキョウ

(アネモネ…)

先生

またアネモネ君と授業が受けられて皆さんも嬉しいと思います！これからみんなでアネモネ君と最高の思い出を作っていきましょう！

先生

ホームルームを終わります！解散！

アネモネ

え…？キキョウ？お前もこの学校の生徒だったのか。

キキョウ

うん…。お互い休みがちで分かんなかったよね。でも、またアネモネ君に会えて嬉しい！

キキョウ

もう会えないと思ってた…。だって、アネモネ君にもらった連絡先にかけても、全然返信が来なかったから。

ハイド

あ、おはよう。キキョウ。何してんの？

キキョウ

ハイド君！おはよう！

アネモネ

お前ら、知り合いなのか？

ハイド

ああ、お前こそなんだ？

キキョウ

どうしたの…？2人とも。初対面じゃなさそうだね。

アネモネ

ああ。なんでもないよ。気にしないでくれ。それよりさ、今なら咲いてるよね。桜。放課後見に行かない？2人きりで。

ハイド

なんだと！

ハイド

お前、ちょっと馴れ馴れしいんじゃないか？今日復帰した分際で。

アネモネ

何言ってんの？言っとくけど俺とキキョウはずっと昔から…

キキョウ

もういいよ。アネモネ君も、ハイド君も。3人で帰ろ？

アネモネ

でも…

キキョウ

いいよね？ハイド君。

ハイド

俺は2人で帰りたかったんだけど、しゃーねーな。

アネモネ

それはこっちのセリフだ！

女子A

何喧嘩してんの？ひょっとしてキキョウちゃんの取り合い!?w

男子A

ハイドもちっちゃい男だなー。男ならガツンといけよ。ガツンと。

ハイド

うるせーなwお前らには関係ねーだろ！

女子A

あーあ、図星突かれてご乱心だよ。私達には関係ないらしいからもう行こっかー。

男子A

そうだなw部外者は退散退散

ハイド

わざとらしい！

キキョウ

ハイド君もアネモネ君もなんか喋りなよー。

アネモネ

こいつさえいなけりゃ今頃キキョウと楽しく喋ってたんだけどなー。

ハイド

俺が居て悪かったな。だけどキキョウちゃんと毎日帰ってたのは俺だぞ！

アネモネ

なんだよそれぐらいw

ハイド

あ…車が。

キキーッ

アネモネ

キキョウ！危ない！避けろ！

キキョウ

…アネモネ君！

キキョウ

いや！…早く救急車を！

ハイド

なんで…

ハイド

なんでお前は自分を犠牲に出来るんだ…

ハイド

キキョウを庇わなかったら怪我なんてしなかったのに…

アネモネ

はは…また病院に逆戻りだ。

キキョウ

でも、軽い怪我だったんでしょ？今回は病気とは関係ないからすぐ退院できるよ！

キキョウ

アネモネ君…ごめんね。私なんかのために。私の不注意のせいで…でも、守ってくれてありがとう。

ハイド

アネモネ…

ハイド

何故お前はキキョウの為に自らを犠牲にできた？俺にはそれだけが分からない…。

アネモネ

お前、キキョウを愛していないのか？

ハイド

愛してるよ。

アネモネ

じゃあ何故できない？お前はあの時黙ってキキョウを見つめていた。車が見えていたお前は突き放す事も出来たはずなのに。

ハイド

俺は…。

ハイド

何故…

ハイド

俺にはキキョウを守れないのか？

ハイド

俺がキキョウを救おうとしなかったのは…それは

お前が機械だからだ

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メロン

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