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縁巌 自💷未遂
自分の劣等感に押しつぶされ
何も分からなくなった私は
自らの腹に刀を向けた
ひとりの部屋に
心音がうるさく響く
もう終わりだ
自分の手に力を込めようとしたその時
縁壱
縁壱
声が震えていた
なぜいる?
なぜ震えている?
そんなことを考えている間に
縁壱は私を強く強く抱き締めた
縁壱は「兄上」と何度も囁く
確かに目尻が赤くなっている
痛い
なんの
どこの痛みだ
縁壱
縁壱がグッと私の腕をつまむ
どんどん痛みが増す
爪で引っかかれ
微かな流血
巌勝
巌勝
縁壱
縁壱
縁壱
そう言い、私の着物を少し下げ
私の肩に噛み付いた
痛い
巌勝
縁壱
縁壱はまた笑う
優しく穏やかに
気持ち悪さと吐き気が私を襲う
巌勝
巌勝
縁壱
縁壱
縁壱はまた泣いた
優しい笑みを浮かべたまま
私を抱き締め
小刻みに震える
巌勝
縁壱の体温に触れた時
嫌悪感と
怒りと
そして
ほんの少しの安堵感
駄目だった
私を抱きしめる縁壱の腕を
離せなかった
コメント
2件
雰囲気さいこうすぎる^^;書くのうまいね🥺🥺