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幸せ

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幸せ

8 - 再会

♥

240

2023年04月09日

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今日は入院している友達のお見舞いで病院に来ていた。

友達の病室を出て、帰ろうとした時、ある1人の女性とすれ違った。

翔太

……〇〇?

〇〇

…えっ?

翔太

…あの、俺のこと覚えてる?

〇〇

……えっと…

翔太

この前、デパートでぶつかっちゃったんだけど……

翔太

渡辺っていいます

〇〇

……あぁ、あの時の…

〇〇

あの時はすみませんでした

翔太

いや、俺の方こそ……

〇〇

あの、前も思ったんですけど、どうして私のことを……?

翔太

あ、えっと……

翔太

俺、〇〇ののご家族の知り合いというか……

〇〇

…そうなんですね

翔太

…えっと、〇〇は何で病院に?

〇〇

…自分でも…よく分からないです

〇〇

私の記憶が戻るまで…ここで療養するようにと両親に言われたんです

〇〇

なので、別に病気とかではないです

翔太

…そうだったんだ

〇〇

…あの、そろそろ失礼します。検査の時間なので

翔太

あぁ、うん。…お大事に

〇〇

はい。ありがとうございます

その翌日、俺は〇〇の病室を訪れた。

コンコンッ

〇〇

はい…、どうぞ

翔太

…あの…、元気?

俺を見た〇〇はすごく驚いたような顔をしていた。

〇〇

えっ、何で……?

翔太

えっと、友達のお見舞いのついでに……

〇〇

…わざわざありがとうございます

翔太

…ん、これあげる

〇〇

えっ、いいんですか?

翔太

うん。よかったら食べて?

〇〇

ありがとうございます

〇〇

…あの、一緒に食べませんか?

翔太

えっ、いいの?

〇〇

はい、もちろんです…!

そう言って、〇〇は嬉しそうに笑った。

翔太

…どう?美味しい?

〇〇

はい、すごく美味しいです

翔太

その店のプリン、〇〇好きだったでしょ?

〇〇

…何でそのことを…?

翔太

あ、いや……、たしか誰かからそんなことを聞いたような気がして

〇〇

…そうなんですね

〇〇

…あの、嬉しかったです。渡辺さんが来てくれて

〇〇

…ここにお見舞いに来てくれるの…渡辺さんが初めてで…

翔太

えっ?ご両親とかは?

〇〇

…両親は一度も来てません。多分私のことなんてどうでもいいんだと思います

〇〇

昔から家庭より仕事の方が大事な人ですから

翔太

…そうなんだ

翔太

…俺、またここに来るよ

〇〇

…いいんですか?

翔太

うん。必ず

〇〇

…ありがとうございます

それから俺は週に1、2回ほど、〇〇の病室を訪れるようになった。

翔太

〇〇、元気?

〇〇

あ、翔太さん、今日も来てくれたんですね…!

俺が訪れる度に〇〇は嬉しそうな笑顔を見せた。

翔太

今日は〇〇に渡したい物があって…

〇〇

…渡したいもの?

翔太

うん。…ちょっと後ろ向いて、目瞑ってて?

〇〇

…分かりました

翔太

……

〇〇

…翔太さん?何するんですか?

翔太

んー、もう少ししたら分かるよ

翔太

まだ目開けないでね

翔太

…はい、出来た

翔太

目開けて?

〇〇

……これって

翔太

どう?気に入った?

〇〇

…素敵なネックレスですね

〇〇

でも…どうして私に?

翔太

何でだと思う?

〇〇

……分からないです

翔太

今日、〇〇の誕生日でしょ?

〇〇

えっ…、知ってたんですか?

翔太

うん、まぁね笑

翔太

だからあげる。誕生日プレゼントだよ

〇〇

…こんな高価な物…貰っていいんですか?

翔太

うん。俺が勝手にしたことだから値段とか気にしないで?

〇〇

ありがとう…ございます

翔太

…えっ、なんで泣くの?

〇〇

ごめんなさい。嬉しくて…

〇〇

ほんとにありがとうございます

〇〇

大切にしますね

翔太

うん

それから数週間が経った。俺は久しぶりに〇〇の病室を訪れた。

ガチャッ

〇〇

ビクッ…

翔太

〇〇、久しぶり

〇〇

……

いつも笑顔で迎えてくれるのに今日は暗い顔をしていた。

翔太

…何かあった?

首元に目を向けると、いつもしていてくれていたはずのネックレスが外されていた。

翔太

…ネックレス…どうしたの?

翔太

もしかして…、気に入らなかったとか?

〇〇

……ごめんなさい

〇〇

無くしちゃって…

翔太

…えっ?

〇〇

ごめんなさい

〇〇

あの……、もう来ないでください

〇〇

帰って……

翔太

えっ、何で急にそんなこと……

〇〇

出て行ってください…!

翔太

…わかったよ。もう来ない。これでいいんでしょ?

〇〇

……

翔太

…さよなら

ガチャッ

結衣

あ、おかえりー

翔太

…ただいま

結衣

どこ行ってたの?

翔太

…病院

結衣

…もしかしてあの女のところに……(ボソッ)

翔太

えっ?なんか言った?

結衣

ううん。何でもない

翔太

…えっ?

結衣

ん、何?

翔太

何でそのネックレスしてんの?

結衣

えっ、これ?

結衣

これね、この前自分へのご褒美に買ったの!可愛いでしょ?

翔太

…そんなわけないだろ

結衣

えっ?

翔太

それ、俺が〇〇にあげたやつなんだけど…なんで持ってんの?

結衣

えっ、いや、たまたま同じのだっただけじゃない?

翔太

そんなわけない…。だってそれ、オーダーメイドだから世界で一つだけしかないんだけど

結衣

…えっ?

翔太

どういうことか説明してくれる?

結衣

……ごめんなさい。実は…

結衣は俺が〇〇の所に行っていることが嫌で、〇〇の所に行って、いろいろ酷いことを言った挙句に、ネックレスを奪ったらしい。

結衣

ごめんなさい。悪気があったわけじゃないの

結衣

ただ、翔太が…あの人のところばっかり行くから…

翔太

…事情はわかった

結衣

…許してくれる?

翔太

…は?許すわけないだろ

翔太

もうお前とは別れる…。ここから出てって?

結衣

ごめんなさい。お願い、許して…!

翔太

無理。そんな酷いことした人とは付き合えない

結衣

そんな……

翔太

…なるべく早く出てってね

その翌日、俺は〇〇の所に行った。

〇〇

…翔太さん?

翔太

昨日はごめん。〇〇からちゃんと話を聞けばよかった

〇〇

……いえ、大丈夫です。私も酷いことを言っちゃってごめんなさい

翔太

……あのさ、俺、〇〇に黙ってたことがある

翔太

〇〇は忘れちゃってるかもしれないけど…俺、昔ね、〇〇と付き合ってたんだよ?

〇〇

…えっ?

翔太

やっぱり覚えてないよね

〇〇

…はい

翔太

…俺ね、正直言って、〇〇のことまだ忘れられない

翔太

…好き…だから

〇〇

えっ?

翔太

…ごめん。急にこんなこと言われてもびっくりするかもだけど、俺と…付き合ってほしい

〇〇

えっと……、私でよければ…

翔太

ほんと?

〇〇

…はい

翔太

ありがとう

翔太

絶対幸せにする

〇〇

…ふふ、ありがとうございます

〇〇

よろしくお願いします

翔太

こちらこそ笑

終わり

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