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高校1年生。
春。
入学式。
居るはずのない君のことを
つい、
探してしまう。
もしかしたら
何かの手違いで、同じ学校に
入学することになったんじゃないか
…って。
俺
俺
あの学校に入ることは
君の中1の時からの目標。
合格したってわかった時の
あの興奮した声を
あの強張った笑顔を
寝不足で出来た目の下の隈を
はっきりと
鮮明に覚えているはずなのに。
そんなことを考える僕は
本当に情けないと思う。
こんなことを思うくらいなら
…もっと
勇気を出しておけばよかった。
君に近づけるように
もっと
頑張ればよかった。
俺
ポタッ…
パラパラ…
ザーー…!
周りの人
周りの人
周りの人
周りの人
俺
周りの人
周りの人
俺
俺
カモフラージュの為に
神様が雨を降らせてくれたのかも
しれない。
お陰で
全身はビッショリと
最悪な状態だったが、
入学式に泣いている
変人の姿を
周りに見られずに済んだ。
高校では
男のくせにすぐ泣いてしまう
この性分を
変えることができるだろうか。
俺
俺
次は後悔をしないように。