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ちょっと危ない何でも屋やってますの番外編

第2話 - 「たった1人の弟」

101

2025年08月30日

#番外編

しわす👾低浮上

たった1人の弟だった

僕の親は…まぁあんな感じだったからよく2人で部屋にいた

雨音

ぅっ…ひっ…

雨衣

…！雨音！雨音、？

雨音はよく泣いていた

雨音

僕なんかっ、いらないんだよっ…

雨衣

そ、そんなことないよ！

僕はまだ小さかったから励まし方が分かんなかった

雨音のお気に入りのぬいぐるみを持って行ったり、頭を撫でたり

雨衣

…(ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

僕のできることをした

弟のこの姿を見て「僕が守らなきゃ」そう思った

雨衣

(何があっても誰からも守る…！)

雨衣

雨音、大丈夫だよ、お兄ちゃんがいるからね

雨音

う''…ひっ、…うぅ…

雨衣

よしよし、…おいで、ぎゅっしよ？

雨音

ぅ''…ん…

雨衣

…(ｷﾞｭ

この手の中にある細くて温かい体を守ろうと決めた

だから僕はずっと名前を呼んだ

雨衣

あまねっ！

雨音

…？

呼ばないと消えてしまいそうだと思った

雨衣

なんでもないっ！

雨音

なにそれ…

雨衣

んふふ、大好きだよ雨音！

雨音

僕も！

こう言うと笑ってくれる雨音が大好きだった

余計守りたいと思った

雨音

じゃあ雨衣は今日一緒に帰れないんだ…

雨衣

うん

雨衣

委員会の集まりあるらしいからさぁ

雨音

そっか…

雨衣

…

雨音は元気に育っていった

中学生になると段々明るくなっていった

良かった、そう心から思った

でもまだ不安で泣くことはあったし守らなきゃってずっと思っていた

あ、雨音くーん！

雨音

…あ、おはよ、

ねね、今度さー…！

雨衣

…

…だから雨音に近づくものは排除したいと思った

お前に雨音の何が分かるの？

何も知らないくせに寄ってこないで

だから雨音に近付く奴は許せなかった

雨衣

…

雨音

…っう、やめ、…て、！

雨衣

今日いた女の子誰？

雨音

クラスの子…、！

雨衣

ふーん…

雨音が他の奴と喋って笑うのが許せなかった

僕だけで笑ってよ

他のやつで笑わないで

違う。確かにそう思ったけど一番は

雨衣

(雨音が取られちゃう)

それしか思ってなかった

たった1人の弟

お互いに愛せる存在

僕には雨音しか居ない

なのにそれを他人に取られるのを想像したら

怖くて怖くて

だから

雨衣

…雨音が悪いんだよ？

ﾌﾞﾁ…ﾌﾞﾁｯ､

雨音の首を切った

雨音

ひｯ…ぅ、…ぅ''…

雨音は泣いていた

誰のせいで泣いてるか分かんなかった

自分が何をしたか分からなかった

手にはまだ温かい血がべっとり付いてた

雨衣

(…あれ)

雨衣

(…僕、いま、なにして…)

雨衣

雨音、大丈夫？

ﾊﾟｼﾝｯ

雨音

さ、わんないでっ…！！

雨衣

…

雨衣

(…あぁ…)

雨衣

(可愛い！！)

僕の手一つでこんなになってしまう雨音が可愛かった

心から守りたいと思った

小さい頃から変わらない細い体

可愛い

涙で濡れてる顔

可愛い

全部全部全部

可愛い！！！

雨衣

(こんなんだったら雨音がいつか怪我しちゃう)

雨衣

僕が守ってあげるねぇ…？♡

雨音

ぅ、…ｯ…

僕が触るとびくってなる体

白いお腹

雨音の弱いとこぜぇんぶ知ってる

雨衣

可愛いよ、可愛いよぉ雨音…

雨音

あ''…ぅ、…ｯ…

一生守りたい

ずっと一緒に居たい

そう思ってた

雨衣

……雨音？

雨音は突然家から消えた

ﾀｯﾀｯﾀｯ

雨衣

雨音！

雨衣

どこ！！？

雨衣

(どうしようどうしよう)

雨衣

(どこかで1人で泣いているかも)

雨衣

(僕の大好きな雨音…)

雨衣

(…たったひとりの雨音…)

雨衣

…僕から逃げるなんて許さない

それからは雨音に関係がありそうな人に会ってお話しした

でもみーんな最後は何も喋らなくなっちゃう

雨衣

…ねぇ雨音どこぉ？

し、知らない…！

というか、貴方だれ…

ｶﾞﾝｯｯ

あ''っ…

雨衣

ふぅ…

最初は重かった斧だってもう慣れた手つきで使える

雨衣

…こいつもダメか…

いっつも考えては思い出す

いつも泣いていた雨音を

小さい細い体

心配になってくる

僕はそれからずっと探した

最後に殺したのは女の子

きほ

だ、だれ、…ですか…

雨衣

だーかーらぁ…

雨衣

君、何でも屋にいたんでしょぉ？

雨衣

早く雨音の情報吐いてよぉ

雨衣

そしたら見逃してあげるからさぁ？

雨衣

ねぇ？

きほ

や、やだ…ｯ言わない！！

雨衣

…ふぅん。そっかぁ

ﾄﾞｶﾞｯ

きほ

ぅ''…

雨衣

…女の子だからあんまり殴りたくないんだけどねぇ

雨衣

もう話してくれなそうだし斧で殺しちゃおっか

きほ

ひ、…ｯ…

雨衣

えいっ

ぐしゃっ

雨衣

……

何でも屋にいた子達がずるかった

雨音の隣にいれるのが許せなかった

僕の雨音なのに

雨衣

…

手を開いて閉じる

その度にやっぱり思い出しちゃう

弱い雨音

僕が守らなきゃいけないたった1人の弟

守らなきゃいけない弟のはずだった

雨音

死ぬんだよｯ！！

雨音

僕と一緒に！！！

雨衣

…

最後に会った雨音は昔とは変わっていた

昔とは違う目つき

少しは大きくなった体

それに加えてはっきり喋れるようになって

その力強く放たれた言葉にびっくりしたけど

雨衣

(…あぁ、もう僕が守らなくても良いのかなぁ…)

そう思った

そんな事を考えてぼーっとしてたら雨音は僕を引っ張って

一緒に崖から落ちた

雨衣

…ぇ…

何をしてるのか分からなかった

ただずっと目を瞑って僕を離さない

なんでどうして

雨衣

はな''…してｯ…ｺﾞﾎｯ！

なんでよどうして雨音

離さなきゃ死んじゃうよ！！！

離してと言っても雨音は離さない

雨衣

っ…ｺﾞﾎｯ…

意識が薄れてきたであろう時に頑張って引き剥がした

雨音

…

雨衣

…っ…っ！！

それから全力の力を振り絞って雨音を突き飛ばした

水圧であまり上には上がらなかったけどできるだけ浮くように

何でも屋のあいつらが雨音をすぐ助けられるように

その押した反動で僕は堕ちていく

雨衣

…

雨衣

(…僕は、何がしたかったんだろう…)

雨衣

(…雨音を守るつもりが、傷つけて)

雨衣

(…気付いてたよ、雨音が辛いの)

雨衣

(…でも、…また、…)

雨衣

(……大好きって言って欲しかったなぁ…)

雨衣

…くら…

雨衣

…どこここ、…

雨衣

…あぁ、僕死んじゃったのかぁ…

雨衣

…そっかぁ…

雨衣

…雨音は…

雨衣

…まだこっちに来ちゃ駄目だよぉ…？

そこからどれぐらい経ったか

気付いたら綺麗な所にいて目の前にお墓があった

そして、…

雨衣

…！雨音、！

雨音

…

雨音が居た

雨衣

良かった無事だったんだね、助かったんだねぇ…！

雨衣

…って、聞こえないかぁ…

雨音はしゃがんで何かを話してたけどよく聞こえなかった

雨音

~~~…~~~…

雨衣

(…あぁ…)

優しい顔

この顔を向けられるあの子達は良いなぁ

…守るはずだったたった1人の弟はこんなにも強くなっていた

もう僕は要らないんだろうと感じるほどに

寂しさもあった

でも、もう良いや

雨音が生きているだけで

雨衣

…

雨衣

雨音

…！

雨衣

愛してるよ！

雨音

……

聞こえてるかは分からないけど

言いたかった

雨衣

…次、雨音と話せるのはだいぶ先かなぁ…

その時には和解できると良いな

だから、長生きしてね

あっちで待ってるから。

おまけ

右が雨音くんです昔は雨音くんの方が目に光がなかったのに大人になったら雨衣くんに目の光がなくなっちゃったんですよね

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ﾊｧｧｧｧｱｧ...恨めないって...ここまで来たらさぁ...中盤は「ちょ...おま...な、何してんだよ...」だけど幼少期と現在がさぁぁぁぁぁ...()

うわぁぁぁぁぁぁぁぁ！！！！泣きそうになっちゃったよ……恨みたいのに恨めないという…()

しわす👾低浮上

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