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ある信者の独白
美しい、麗しい、綺麗、可愛い、美々しい、妖艶
人間が作った言葉では言い表せないほどの容姿を持ったお方を見た
何色にも染まる白の髪を持ちながら、何色にも染められない…いや染めることが出来ないほどの神々しさ
そう、彼女こそ''天使''だと本能が告げていた
目を離したくない、だが俺の穢れた眼で見つめれば彼女が____
天使様が穢れてしまう
天使様
天使様が口を開く
あぁ、そのお声を俺は聞いてもいいのだろうか
聞いてしまうだけで罪なのではないか
天使様
容姿相応、いやそれ以上に素晴らしい声を出した天使様
あぁ、天使様に俺の名前を伝えてしまってもいいのだろうか
天使様の記憶に残ってしまうだけで俺は罪な存在だ
天使様のような純白な方の記憶に俺のような穢れが残ってしまっていいものか
天使様
天使様が首を傾げる
一つ一つの所作に俺の脳のリソースは天使様一色になっていく
いつの間に、帰って来たのだろう
天使様を見てしまった、俺の穢れた目を包丁で切る
ぐっ、と包丁を首に刺した
大量の血が流れる 俺の穢れが少しはこの流れる血に混ざっていれば、俺の罪を天使様はお許しいただけるだろうか
あぁ、でも…天使様にこんな穢れた人間の命を差し出してもお許し頂けるのだろうか
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