玲奈
先生
先生
ショウ
それは
イヤなことを思い出させる
濡れたシャツが 不快だった事
隣に並ぶ君の匂いが
イヤじゃ無かったこと…
ザァー
ユウト
ユウト
ショウ
ユウト
ショウ
ユウト
ユウト
ユウト
ショウ
そんな一言しか
言葉に出来なかった
濡れたシャツは 君の肌を透かしていて
目が、離せなかった…
ショウ
俺は恥ずかしさに 身震いする
ユウト
ユウト
ショウ
ショウ
君があんまりにも無防備で
普段通りだから
何も、言えなくなる
ショウ
ショウ
地面の石ころに目を向ける
雨に濡れても
ビクともしない、石ころ
ショウ
ショウ
ザァー
ユウト
ショウ
雨は増すばかりで
徐々に気温が下がっていく
そして
濡れた体からも、容赦なく熱を奪う
ユウト
ショウ
ショウ
ショウ
ユウト
ユウト
ユウト
ユウト
隣に並ぶユウトが 俺に抱きつく
猫がじゃれるみたいに
ショウ
ショウ
ショウ
鳴り響くこの音は
俺の?
それとも…
君の?
ショウ
ショウ
ショウ
知っているから
君が前に
女の子と付き合ってた事
君が今
玲奈を好きだって事
ショウ
ショウ
ショウ
ショウ
ショウ
ショウ
ショウ
誰も居ない、橋の下で
気づかれないよう、そっと
近くにある君の首すじに
キスをした
ザァー
ほんの一瞬だったし
体は雨で濡れていたから
君はきっと…
気づかなかっただろう
ザァー
ショウ
雨が降ると
思い出すんだ
ショウ
ショウ
ショウ
ショウ
あの時「好きだ」って 言えなかったこと
今頃、後悔してる…
だって…
こんなに早く
会えなくなるなんて…
考えた事も
なかったから…
ユウトの母
ユウトの母
ショウ
ユウトの父
ユウトの父
ユウトの父
ユウトの母
ショウ
ショウ
ショウ
ショウ
君の両親に俺…
上手に、笑えたかな?
ショウ
ショウ
ショウ
ショウ
ショウ
今、君は
白い着物を身にまとい
窮屈な箱の中
静かに、微笑んでる…
コメント
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ひぃおじいちゃんの事思い出す、
寒い寒いと言っていたので、風をこじらせて肺炎……でしょうか…… ツラい…… ツラい…… 棺の中の彼が微笑んでいたことが救いなのかもしれませんが、よりいっそう忘れられない存在になったことはきっと間違いないですよね とても切ないお話でした……