コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
連
店のドアが開いた瞬間─── 思わず声が漏れた。
木の温もりを感じる小さなカフェ。 その奥のショーケースには、色とりどりのスイーツがずらりと並んでいた。
だけど、私の視線はすぐに─── あるメニューへ釘付けになる。
連
そのパフェは、季節のフルーツをふんだんに使った限定スイーツ。
キラキラ輝くガラスの器に、苺やブルーベリー、キウイが重なっていて……
上には生クリームと、ハート型のクッキーまで乗っていた。
───まるで、絵本に出てきそうなパフェ
連
興奮したまま、店員さんに指を差しながら言ってしまった……
連
連
席について、注文して、メニュー表を抱えてニコニコしてたその瞬間まで─── 私は無邪気に盛り上がってた。
でも……
隣に座る迅の、 穏やかな目線に気づいたとき。
その表情が、どこかふっと緩んだ顔をしていたのを見たとき。
連
急に、現実が戻ってきた。
連
頬が熱くなる。
はしゃいで、騒いで、 パフェに飛びついて……
せっかくの初デートなのに、なんで私は、こんな……
連
連
迅悠一
迅は、ゆるっと笑って首をかしげる。
迅悠一
連
私は顔を伏せて、 手元のナプキンをいじり始めた……
恥ずかしすぎて、目も合わせられない……
そんな私の前に、運ばれてくる───
ふわっふわのクリームと、ハートのクッキーが乗った、キラキラのパフェ。
連
ぽつりとこぼしてしまったその言葉に──
迅悠一
隣から伸びてきた手が、スプーンを1つ、すっと持ち上げる。
迅悠一
連
目を丸くする私に迅はにっこり微笑んだ。
迅悠一
迅悠一
ぱく、とクリームを一口すくって口に入れる。
迅悠一
迅悠一
私のほうにスプーンを差し出しながら、片方の口角をちょっとだけ上げる迅。
迅悠一
迅悠一
連
迅悠一
連
ブツブツ言いながらも、私は差し出されたスプーンを、そっと口に運んだ。
苺の甘さと、クリームの優しさ。 でも、それよりももっと───
連
迅悠一
“好きな人に可愛いって言われると、 こんなに嬉しいんだ” ……なんて今さら気づいて。
気づかされたことにも、 胸がくすぐったかった。