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完全無欠

第1話 - 完全無欠

2018年12月29日

#テラコン

#私が書く小説の内容と同じことが現実にも起きてしまう

#ホラー

#サイコパス

Aletta

18歳の高校生タケル。彼は小説をよく書いているのだが、まるで文才が無く、色々なサイトに寄稿するも、他人に閲覧されること無い日々を送っていた。

タケル

ユウカ！やっと出来たぞ！

タケル

今度こそ、世間に一目置かれるような作品に仕上がった！

タケル

これを投稿して、編集者の目に止まらせて、小説家としての夢の街道を一直線に駆け上がるビジョンが見えるぞ🤤🤤

ユウカ

またそういうこと言ってるのね

ユウカ

つまらない幻想をいつまでも描いてないで、さっさとまともに勉強したらどうなの？

タケル

余計なお世話だな。

タケル

人の趣味を遇らうとは愚の骨頂にも程があるな。

ユウカ

分かったから

ユウカ

中学生が使うような覚えたての難しい言葉の乱用は辞めなよ

タケル

仮に俺が有名になってもお前には絶対にサインなんかしないからな。

タケル

おい！コウキ！

タケル

俺の新作やっと出来たんだ。

タケル

この前話した、ヒーローものの話！

コウキ

ああ、あれか！

コウキ

俺もいい題材だと思ってたんだよね！

コウキ

今度俺にも読ませてくれよな。

彼は小説家志望の友人コウキ。彼は文才もあり、若き小説家として注目も浴びられている。彼の書いた小説はとある有名小説掲載サイトで常に1位を取り続けている。

タケル

自信作なんだ！

タケル

主人公の結末をどうあっけなくするかをずっと考えてたんだが、今の終わり方がとてもしっくり来てる！

コウキ

おお！それはいいね👍

コウキ

でもここで話し過ぎたら、ネタバレになっちゃうな！

コウキ

楽しみに待っておくよ！

ユウカ

ねえ、タケル！

ユウカ

ニュース見た？

タケル

未確認生命体の話？

ユウカ

そうそう。

タケル

俺も気になって調べたんだけど、不可解な点が多いんだよね。

ユウカ

ん？例えば？

タケル

未確認生命体が現れた時、それを目撃した人がいないこと。

ユウカ

どういうこと？

タケル

あんなに気持ち悪い巨大なモンスターのようなものが誰にも見られずにいきなり人間を襲い始めた。

タケル

そんな話誰が信じる？

タケル

速報でニュースが入った！

ユウカ

いきなり現れた謎の男が渋谷で暴れていた謎の生命体を殺した

ユウカ

漫画のような展開ね。

コウキ

タケル！お前のストーリー最高だよ。

タケル

え？どこで読んだの？

コウキ

いつものサイトで、お前のコテハンから検索して読んだよ。

コウキ

あの未確認生命体を倒すのってお前がモチーフだろ！

コウキ

お前は昔からヒーローに憧れてたからな！

タケル

よく気付いたね。

タケル

恥ずかしいけど、あれは俺がモデル笑

タケル

その後、親友と幼馴染を助けるシーンもコウキとユウカをモチーフにしてるんだよ

コウキ

ん？

タケル

どうした？

コウキ

今日不可解なことがあったんだ。

タケル

どんな？

コウキ

未確認生命体が渋谷に出現した時、何者かがそれを倒して、現場近くに居た知人の男性一人と女性一人を救った。

コウキ

まるでこの話そっくりじゃないか？

タケル

そんなことがあったの？

コウキ

ああ。

タケル

俺の話そのものだ。

タケル

俺が書いた物語が実現化している？それともただの偶然か？

コウキ

いや、物語完成から、未確認生命体出現までの時間から考えると、偶然とは言い難い。しかも、現実に起こっていることとの辻褄がまるであう。

コウキ

これはまさか、この物語通りに話が進んでいる、、？

タケル

俺の書いた物語が現実になっている？非現実的で不可解な現象すぎる。

タケル

でも、俺の物語だと救った親友と幼馴染の3人がまた集まり、意気投合して他の未確認生命体を倒すはず。

次の日の朝

コウキ

おいタケル！

コウキ

今どこにいるんだ！

コウキ

不在着信

タケル

どうした、コウキ。そんな焦って。

コウキ

昨日言ったお前の物語あるだろ。

コウキ

あれとの照合したデータとこれからの未来で確かめたいことがあって。

コウキ

今すぐ俺の家にこれるか？

タケル

わかった。すぐに行く。

30分後

コウキ

やっと来たか。

ユウカ

遅かったわね。

タケル

ユウカもいるのか。

コウキ

お前の物語だと、次は3人が集まって、意気投合し、他の未確認生命体を倒していくはずだろ。

コウキ

なら、この状況はどうだ？

コウキ

親友が俺で、幼馴染がユウカなら、これがお前の言っていた状況と一致する。

タケル

そうだな。

コウキ

この先意気投合して、3人で未確認生命体を倒すんだろ？

コウキ

なら、すぐにでもニュースになってもおかしくない。

コウキは徐に歩き出し、タケルの後ろにあるドアの鍵を閉めた。そして用意していたスタンガンをそのまま彼の首に押し付けた。

コウキ

タケル。お前はいつから自分の作品が、現実に起きるものだと思っていた？

コウキ

お前が書いたからこの世界が現実になるんじゃない。

コウキ

俺が書いた作品がこの世に現実として姿を現わすんだ。

コウキ

お前の話を盗作し、書き換えた。完全犯罪が起きるように上手くね。

コウキ

今回のお前の話では自分の身近な人物がモチーフだった。

コウキ

だからこそ簡単にお前をおびき寄せ、こうして気絶させることが出来ている。

コウキ

ただ、お前は気付かなかった。お前が主人公であるなら、何故お前が未確認生命体を倒していない？

コウキ

これは俺が盗作したストーリーである。故に、俺の目線から描かれたものへと変遷している。俺が主人公で、親友と幼馴染は全くの別人。

コウキ

ただ、お前は物事の概略を見て、自分の物語と酷似する点が非常に多い所で"自分の物語"と錯覚していた。

コウキ

これから先の話は俺が描いた完全犯罪の話。

コウキ

さてと、物語の続き通りに、お前を殺めてやるよ

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