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nmmn注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️ 誤字脱字注意⚠️ 殺し屋パロ
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#18 静寂の銃口、沈黙する忠誠
午前0時の街。
雨は止んでいたが、濡れたアスファルトはまだ冷たく光っていた。
その上を、黒いブーツが静かに歩を刻む。
桃はフードを深くかぶり、無言で人気のない路地を進んでいた。
手には、小さなケース。
中身は――精密調整された銃。
長く手入れされたその銃は、桃にとって唯一「面倒ではない道具」だった。
目的地は、古びた雑居ビルの一室。
そこに、“任務対象”がいる。
組織からの新しい指令には、こう記されていた。
【対象:識別番号C-7】 【背任の疑いあり。即時処分を許可する】
具体的な罪状も、名も書かれていない。
ただ「裏切り者」だから、殺せ。
それだけだった。
# 桃
その問いが、脳裏から離れなかった。
茈の名前が組織の抹消対象になった日、桃はすぐに感じ取っていた。
――何かが、おかしい。
それまでと違う“静けさ”が、妙に気味が悪かったのだ。
# 桃
# 桃
だが、今の組織は“理屈よりも命令”を重視していた。
# 桃
# 桃
桃は舌打ち混じりに階段を上がった。
ドアの前で一度立ち止まり、ケースから銃を取り出す。
何百回と繰り返してきた動作。
組み立て、照準調整、最後に安全装置の解除。
いつも通り――のはずだった。
なのに。
引き金にかけた指先に、わずかな迷いが生まれていた。
# 桃
低く呟いた言葉は、誰にも届かない。
# 桃
答える者はいなかった。
沈黙が、ただ雨音の残響のように染み渡っていく。
ドアの向こうに、人の気配。
標的が在宅していることは確実。
らんは扉に指をかけ、そして――やめた。
銃口を下げ、ドアの前から静かに離れる。
そして、そのまま階段を降りた。
# 桃
# 桃
ぽつりと、そんな言葉を残して。
翌日、組織の端末に報告が上がる。
# 桃
桃は報告に嘘を混ぜた。
そうでもしなきゃ、自分自身が疑われるとわかっていたから。
でも、それでも――この選択は、“一度目の違反”だった。
その夜、らんはカフェにいた。
カウンター越しに、なつがコーヒーを淹れている。
店内は静かだった。
もう閉店間際だ。
# 桃
らんはマグを置いて、小さく言う。
なつは返す声を少しだけ柔らかくした。
# 赫
# 赫
# 桃
沈黙。
なつは少しだけ手を止めて、それからまたカップに注ぐ。
# 赫
# 赫
# 赫
# 桃
# 赫
らんは思わず吹き出した。
# 桃
# 赫
# 桃
# 赫
その問いに、らんは一瞬だけ答えを失った。
だが、表情は曇らせずに、静かに言う。
# 桃
なつも笑わなかった。
その会話は冗談ではなく、現実の毒を含んでいた。
そしてその頃。
組織の監視システムは、桃の“任務未遂”を特別監視対象としてログしていた。
冷たいデータの海の中に、“微細な不一致”として記録されていく。
そのログを、黈が読み取っていた。
# 黈
# 黈
黈の声は誰にも聞かれなかった。
ただ、孤独な部屋に、言語の記録音声だけが鳴っていた。
“Obedience is a form of silence.” ――“服従は、沈黙の一形態だ。”
小さな“裏切り”がまた一つ生まれた。
それは明確な攻撃でもなく、目に見える戦闘でもなかった。
だが、確かに銃口は“命令”から逸れていた。
その静寂の中で、誰もが気づき始めていた。
“このままでは、終われない”。
#18・了
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𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡190
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