茜
最近、いや、小さい頃から考えてる
茜
声とはなんだろうって
茜
私が考える声とは
茜
自分の思いを伝える道具
茜
道具は壊れたら使えない
茜
私はその道具が元から壊れていただけだ
茜
私はあまり人と関わるのが大変で好きではなかったから
茜
別に声がなくてもいいと思っていた
茜
でも、最近は
茜
鉄朗や、夜久、研磨など、いろいろな人に出会って
茜
声がほしいと思った
茜
でも、どうしようもない
茜
この世界には道具によって直せるものと直せないものが存在する
茜
私が持つ壊れたものは、直せないもの
茜
ただそれだけだ
茜
ならば、違う世界はどうだろう
茜
どこか、この宇宙にもうひとつの世界が存在するかもしれない
茜
もし、もうひとつの世界が存在するならば私は行ってみたい
黒尾
〜〜!!!
茜
誰だろう
茜
呼ばれてる
茜
パチッ
黒尾
「大丈夫か?」
茜
「うん」
黒尾
「じゃあ、もう帰ろう」
茜
「え、部活は?」
黒尾
「茜は今日外出禁止」
茜
「な、なんで!?」
黒尾
「茜は倒れたんだぞ?」
黒尾
「またこんな事があったら大変だろ」
茜
「、、、うん」
黒尾
「てことで、俺らは帰るぞ」
茜
「、、、うん」
カンカンカンカン
茜
「ねぇ、踏み切りに小さい男の子がいる」
黒尾
「ほんとだ、もう電車が来る、って茜!?」
茜
タッタッタッ
男の子
(手を招いている)
茜
ガシッ
茜
?
ピカッ
黒尾
うわっ(まぶしっ)
黒尾
(目をつぶっている)
黒尾
あれ、俺、なんで
ここにいるんだっけ?
黒尾
今日は部活だったはず
男の子
ようこそ、茜
茜
?
茜
ここどこ?
茜
!?
茜
なんで、声が出てるの?
男の子
ここは、君が行きたがっていたもうひとつの世界
男の子
君には元からここにいたという記憶にさせてもらう
男の子
茜、なんたって君は
この世界の姫なんだから
茜
え?やめて、来ないで
茜
タッタッタッ
茜
だれか、だれかいませんか!?
男の子
無駄だよ
男の子
ここには誰もいないから
男の子
さぁ、お眠り
茜
パタッ
茜
んっ
男の子
お目覚めになりましたか?
茜
うん
男の子
あなたはこの世界の姫になるということは、お忘れではありませんね?
茜
それは
茜
、、、
茜
もちろん
茜
私は
この世界の姫になる器なんだから
男の子
ニヤッ
夜久
どこ行ってたんだよ〜
黒尾
悪い悪い
黒尾
なんか、気づいたら変なところにいた
夜久
なんだよそれw
この2人はもう出会うことが叶わない
そういう運命だったのだ
黒尾鉄朗はバレーをし、
葛城茜はもうひとつの世界の姫になった
2人とも記憶がない
永遠に戻ることのない記憶
永遠に交わることのない2人
だが、2人はそれを知らない
みなさんも、知らないうちに誰かの記憶がなくなっているかもしれません
主
これでこのストーリー終わりです
主
読んでくれてありがとうございました
主
これからも応援お願いします