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朝。
目が覚める。
しばらく、動けなかった。
月城 れい
何が、とは思い出せない
でも、何かをしなきゃいけない気がする
仮面 E p i s o d e . 2
体を起こして、鏡の前へ
いつも通り、前髪を整える。
笑ってみる。
月城 れい
少しだけ、遅れた気がした。
自分が笑うのと、鏡の中が笑うのが。
月城 れい
もう一度笑う。
今度はちゃんと同じタイミング。
─大丈夫
友人
月城 れい
少しだけ、声が遅れた。
友人
月城 れい
ちゃんと返せてる。
ちゃんと、笑えてる。
なのに。
友人
月城 れい
友人
一瞬空気が止まる。
月城 れい
友人
月城 れい
すぐに被せる。
笑って誤魔化す。
友人
納得したように頷く友人。
──セーフ
多分。
昼休み。
また、鏡の前。
無意識だった。
気づいたら、ここに来ていた。
自分の顔を見る。
笑ってみる。
違う。
どこが、とは言えない。
でも、違う。
口角を上げる。
目も少し細める。
月城 れい
鏡の中の自分も、同じように笑う。
完璧なはずなのに。
月城 れい
気持ち悪い。
作ってる感覚が、消えない。
前はこんなんじゃなかったのに。
もっと自然にできてたはずなのに。
友人
後ろから声。
びくっと肩が揺れる。
友人
月城 れい
友人
月城 れい
少し強く言いすぎた。
友人
月城 れい
すぐに笑う。
大丈夫。
まだ、取り使える。
帰り道。
ふと、スマホの画面を見る。
インカメラに切り替わる。
そこに映った自分。
月城 れい
思わず声が漏れる。
すぐに画面を閉じる。
心臓が少しだけ速くなる。
月城 れい
違う違う違う
あれは自分。
ちゃんと知ってる顔。
見慣れてるはずの顔。
なのに、
どうしても、
"知らない誰か"に見えた。
家。
鏡の前。
何度も、何度も笑ってみせる。
違う。
違う。
違う。
月城 れい
正しい笑い方がわからない。
前はできてたのに。
自然に。
何も考えずに。
できてたのに。
鏡の中の自分が笑っている。
でも、
それが自分なのかどうか。
もう分からなかった。
──E p i s o d e . 3 へ