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隣の席の糸師凛

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隣の席の糸師凛

7 - ちょっとした

♥

310

2025年01月20日

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柏木 響

ぁ…えっと、その…。

どうしよう、自分勝手に凛くん追いかけて、引き止めて… 私、今凄い迷惑な存在だ。凛くんの嫌いそうな、邪魔な存在。

柏木 響

(言葉が…浮かんでこない、なんて、言えばいい?)

「あんたのそういうしつこいところ、まじでホント嫌い。」

柏木 響

ッ…

糸師 凛

…おい。

柏木 響

(やだ…また、嫌われるのは…。)

やだ…

やだ…

糸師 凛

おい、聞いてんのかアホ。

糸師 凛

(耳はとれてねぇだろ、中身の問題か?)

やだ…やだ…

いやだ…!

糸師 凛

"柏木"。

もう聞き馴染んだ声、でも、いつもとは違う、 どこか暖かみがあった気がした。

柏木 響

っ、え…?

柏木 響

(凛くん…今、私のこと、なんて…。)

糸師 凛

はぁ、人のこと追いかけて、引き止めてきやがったと思ったら
急に静かになりやがって…。

柏木 響

え、ぁ

糸師 凛

しかも、なんでそんな顔真っ青なんだよ。

柏木 響

っ、え、ぇと、それは…。

糸師 凛

…似合わねぇよ、ばーか。

柏木 響

…えっ?

そう言って、背を向けて歩き出した凛くん。 私は今の言葉の意味が分からなくて、ただその背を見つめること しか出来なかった。

柏木 響

…はぁ。

柏木 響

(なんか、ずっとため息出ちゃうな、だめだ、
これじゃ幸せ逃げちゃう。)

柏木 響

…紗奈、まだ起きてるかな。

柏木 響

(こういう時は、なぜだか無性に、親友の声が聴きたくなる。)

柏木 響

(でも今は…)

柏木 響

やめとこ、遅くまで付き合わせちゃいそう。

柏木 響

(紗奈はきっと、何時間でも付き合ってくれる。優しいから…。)

柏木 響

(けれど、私はその優しさを求めているわけじゃないし、)

柏木 響

(他人を大切にする前に、まずは自分を大切にしてほしいし。)

柏木 響

…私、何変なこと考えてるんだろ、

柏木 響

(最近、紗奈に期待しすぎて、甘えすぎている自分と、)

柏木 響

(いい加減自立しなきゃと思う自分がいる。)

柏木 響

…あはは、思春期だなぁ。

柏木 響

…寝よ、もう。

日曜日はゴロゴロ過ごして、あっという間に月曜日の朝、 いつものように学校に行って、いつものように教室に入って

いつものように、自分の席に着く。

糸師 凛

…。

凛くんも、隣の席で本を読んでいるみたい、またホラー小説?

柏木 響

(…好きだなぁ。)

でも、なんだか今日は…話せない。

柏木 響

(なんか、顔もまともに見れないや…なに、これ。)

毎日めげずに続けてきた「おはよう」も、今日は言えない。

柏木 響

(…そっか、怖いんだ、私。)

また、昔のしがらみに引っ張られてる。

心臓をキュッと掴まれて、決して離してくれない、 そんな感覚を、ずっと抱えてる。

柏木 響

(まいったなぁ…何も成長してないじゃん、私。)

クラスメイト A子

ねぇ、柏木さん、ちょっといい?

柏木 響

えっ?

クラスメイト B美

私達、ちょっとあなたと話したいことがあってさー?

クラスメイト C子

ここじゃあれだし、場所変えたいなって。

クラスメイト C子

着いてきてくれない?

柏木 響

(え、なんで…?別にここで良くない?)

柏木 響

(というか、私、この子達と話したことない…えっと確か、
A子さんとB美さん、C子さんだっけ。)

柏木 響

(え、別に話しかけられるような出来事なかったと思うんだけど。)

クラスメイト A子

ねぇ、あんま時間もないしさ、早く終わらせたいからきて。

そう言って、A子さんは私の腕を掴んできた。

柏木 響

ぇ、ちょ!?

クラスメイト C子

いいから、着いてきてよ。

柏木 響

わ、分かったから離してっ…!

クラスメイト B美

早く、屋上だよ。

クラスメイト A子

〜〜。

柏木 響

〜!?、

クラスメイト B美

〜〜!

柏木 響

〜〜!〜〜〜。

クラスメイト C子

〜〜〜。

クラスメイト B美

〜〜。

糸師 凛

(チッ、うるせぇな…。)

隣で騒ぎ声が聞こえる、あいつが1人で騒いでんのかと思ったが、 聞き馴染みのない声もする。

糸師 凛

(あいつに紫髪の女以外に話し相手なんかいたか…?)

森宮 紗奈

(紫髪の女というのは私です)

目線だけ向けると、あいつと複数人の女がどこかへ 向かうのが見えた。

糸師 凛

(うるさすぎて話の内容は大体聞こえてた。屋上?)

糸師 凛

(…まぁ、俺にとっちゃどうでもいいか。)

糸師 凛

…。

糸師 凛

(おかしい、なんか知らねぇが、変な感覚。)

糸師 凛

(気持ち悪い、俺を縛るな…。)

知らねぇぞ、こんな感覚…。

拝啓、お母さん、助けてください。

私は現在、関わったことのない、明らかに陽なタイプのお嬢さん 3名に、屋上に連れてこられました。嫌な予感しかしない。

柏木 響

(なんでぇ?)

朝礼まで時間もないと言うのに、一体何の用だろう。

柏木 響

え、えっと…話って?

クラスメイト A子

はー…

柏木 響

(え、なんのため息?)

クラスメイト A子

あんたさ、調子乗ってるでしょ。

柏木 響

…へ?

柏木 響

最後まで見てくださり、ありがとうございました。

柏木 響

えっとですね、1つ言いたいことがありまして…
前回のお話なんですけど。

柏木 響

ハートが500突破しておりまして…初めて1話にあんな量つきました
ありがとうございます!

柏木 響

指大丈夫かなぁと心配しております。

柏木 響

では、次回もお楽しみに。
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