油彩絵の具の匂いが鼻をついた
真っ白な板に彩色をしていく
なんだかんだこの時間が一番好きだ
この学校の美術部には
二人の"幽霊部員"がいる
七海
七海
七海
九条
七海
九条
七海
九条
七海
彼女、、、七海先輩は
"幽霊"部員である
七海
九条
七海
九条
七海
九条
七海
七海
九条
七海
九条
七海
九条
九条
九条
七海
七海
九条
九条
九条
七海
七海
九条
七海
九条
七海
七海
九条
九条
七海
七海
ごとっ
七海
九条
九条
七海
七海
七海
九条
ぺた ぺた
七海
九条
七海
九条
七海
七海
俺は、あの日
やってしまったんだ、
七海
七海
九条
七海
九条
七海
七海
七海
ぺた ぺた
七海
ぺた、、、
先輩の筆が止まる
七海
九条
九条
七海
九条
七海
ぽた ぽた
七海
七海
七海
九条
七海
九条
七海
九条
良い、訳がないだろ
先輩が、すこし乱暴に顔を拭った
手についていた茶だか黒っぽい色の油絵具が、顔につく
九条
七海
七海
九条
ぺた ぺた
ぺたぺた
すぅ
ぺた
命の壊れる瞬間、 失われる瞬間の 姿が、好きだ
美術部員たち
美術部員たち
美術部員たち
九条
九条
九条
美術部員たち
美術部員たち
美術部員たち
九条
九条
九条
九条
九条
美術部員たち
九条
九条
九条
九条
でも僕は、自分の芸術が好きだから
九条
誰になんと言われようと
九条
九条
九条
九条
自分の芸術に、恋してる
九条
誰になんと言われようとも
九条
七海
九条
九条
七海
この学校には年に2回、美術部を中心とした展示発表会が行われている
九条
七海
九条
七海
七海
九条
先輩の芸術は「限りない美」だ
彼女はとことん美しさを追求する
九条
七海
七海
七海
ふふっと、不敵に笑う先輩
ああ、この人も自分の芸術に恋してるんだと思う
展覧会は無事に終わった
僕は枯れたユリ
七海先輩は美しいストケシア
先輩の絵には人がたくさん集まっていた
先輩の絵は誰にでも愛される
、、、
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