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けぺ

監禁①の続きです!

けぺ

⚠️監禁表現有

2本目のボルトも指でつまめるほどになった、その夜

きっと明日格子は外れ、無理に体をねじ込めば通れるほどの隙間ができるだろう

脱出は目に見えていた

ヨンイル

……ギフン

ギフン

夜、ヨンイルさんから話しかけることなんて1度たりともなかった

突然のことに心臓が跳ねる

ヨンイル

俺と居てくれるのは、ギフンが俺のことを……「ヨンイル」のことを少なからず想っているからか?

ヨンイル

……もしも俺が、お前の手を離したら

ヨンイル

お前は俺から離れるか?

ギフン

……

ヨンイルさんはどんな顔をしているのだろう。背中越しに小さな呼吸が聞こえる

ヨンイル

……

ヨンイル

…すまない、意地悪なことを聞いた

ヨンイル

お前の気持ちがどうであれ、俺はお前を手放さない…永遠に。

ギフン

……っ

ヨンイル

明日の夜はギフンの好物だ

ヨンイル

楽しみにしてろ

おやすみ、と言い残してヨンイルさんは眠ってしまったようだ

いやに汗をかいている。体に回された腕が茨のように感じた

ヨンイル

行ってくる

いつものように言葉少なにヨンイルさんは出ていった。

鍵を入念に確認する音、遠ざかる足音

これも今日で最後なのだ

ギフン

……

ギフン

よし、

す、と息を吸って窓に向かう

格子は完全に外れ、人1人がやっと通れるほどの隙間があいている

元々細身だった自分はヨンイルさんに監禁されてからというもの、食欲不振で更に細くなった

この程度の隙間なら通れるはずだ

ギフン

…早く、出ないと

出て行くあてもない。警察に駆け込む気もない。ただここから早く出ていきたかった

鉄格子の先の窓を開き、隙間に片足をかけた

片足は難なく通り、この調子で、と意気込んだその時

ガチャ

玄関の鍵の音がした

ギフン

っえ

ギフン

(…おかしい、まだ帰宅には7時間以上あるはず、!!)

ヨンイル

全部分かっていた

ヨンイル

……ギフン

振り返るとそこにはスーツ姿のまま立ち尽くすヨンイルさんの姿があった

ギフン

……っあ、

その手にはスマホ……ペットカメラの映像が映っていた

ヨンイルさんはゆっくりと歩み寄り、溜息をつきながら開口した

ヨンイル

ずっと見ていた…ギフンが俺の言いつけを破って窓に触れるところも、フォークで格子を外すところも、全部

窓に手をかけ、強引に体が室内に引き戻される

ギフン

っ、痛……!

窓を閉めながらヨンイルさんは話し続ける

ヨンイル

最近のペットカメラはインテリアにみえる、現に俺のペットもカメラに気付かず「自然体」を見せてくれた…

ヨンイルさんに腕を掴まれ、椅子に座らせられる

ヨンイル

…ギフン

ヨンイル

なぜ俺を信じない?

ヨンイル

なぜ俺を置いて行こうとする?

ヨンイル

なぜ俺をこんなにも失望させるんだ?

ヨンイルさんの手にはどこからか取り出したロープが握られている

ギフン

……っヨンイルさん……

ギフン

ごめ、

ヨンイル

多少甘やかしすぎたな

ヨンイル

もう外の世界なんて見るな

ヨンイル

……俺だけ見てろ。

ヨンイルさんの腕が後ろに回され、ロープが確実に体に巻き付けられていく

ギフン

ごめんなさ……

ギフン

っごめんなさい……、!

ヨンイル

そんなに震えて、まるで子犬みたいだ

口調は以前のように優しいのにヨンイルさんの目は冷徹だった

ギフン

すみませ、…

ヨンイル

謝罪じゃない。ギフン

ヨンイル

仲直りには「話し合い」だろう?

ヨンイル

お前が逃げようとした理由を全部聞かせろ。

ギフン

…ぁ……

ヨンイル

嘘は無駄だ

ヨンイル

お前の心の奥底も全てお見通しだからな

ヨンイルさんはロープの結び目を確認しつつ、強く結びあげた

ヨンイル

正直に話せば許してやらないこともない

ヨンイル

だが、裏切ったら……

ヨンイル

それは、もっと厳しい罰が待ってる

ヨンイルさんが目線を合わせる

ここで初めて気付いた

対峙している男がヨンイルさんの目ではなく、知らない男の目だということに

ヨンイル

答えろ、ギフン

ヨンイル

なぜ俺から逃げたかった?

ギフン

ちが……くて、っ!

ヨンイル

違う?何が違うんだ?

指先で顎を持ち上げられ、強制的にヨンイルさんと目が合う

ヨンイル

ちゃんと言え。嘘をつくな。

ギフン

っ、…

ギフン

……っひ……ぅ "、…

思わず涙が溢れる

ヨンイル

……俺は本当に甘い男だな

ヨンイル

ギフン

ヨンイル

約束しろ。もう逃げないって…二度と。

ギフン

……っ、ごめんなさい…

頭を撫で、そのまま肩に手を置く。依然としてロープは固く結ばれている

ヨンイル

いい子だ、ギフン。

ヨンイル

そうやって従順でいてくれるだけでいいんだ

ヨンイル

お前は俺だけのものだ……そうだろう?

ギフン

……

ヨンイル

もう落ち着け。今はもう安心していい

ギフン

っ、…よんいるさん…

無理な姿勢で縛られているために体の節々が痛い。ロープを外してくれと目で訴えてみる

ヨンイルさんはゆっくりと微笑みながら首を振った

ヨンイル

ロープは外さない。

ヨンイル

これはお前のための安全策なんだよ

ヨンイル

お前がどこにも行かないように俺が守っている証拠だ

ヨンイル

分かってくれるだろう?

ギフン

…………

ヨンイル

無理に話さなくていい。焦らなくていいんだ。

ヨンイル

時間はある

ヨンイルさんは腰を上げ、キッチンへと向かった

ヨンイル

食事にするか。ちゃんと食べなきゃ体も心ももたないだろう?

ヨンイル

お前が好きな物を用意していたんだ。

ヨンイルさんの手に持ったトレーには少量の食事が乗っていた

ヨンイル

少しでも気が楽になればそれでいい

ヨンイルさんは優しく微笑み、トレーを足元に置いた

しかし途端に眉をひそめて考え込む

ヨンイル

手が縛られているな……

ヨンイル

仕方ない、今日は食べさせてやる

ギフン

…や、自分で食べられますから……っ!

その言葉を無視し、ヨンイルさんの手はフォークを握った

ヨンイル

ゆっくりでいい

ヨンイル

ほら……

一口ずつ丁寧に口元に食事が運ばれる

ギフン

…あ……

ゆっくりと口を開くと、そこにフォークが侵入してくる

ヨンイル

…どうだ?

ギフン

……おいしい、です…

ヨンイル

そうか

ヨンイルさんの顔は終始独占欲が顔をのぞかせていて、この状況をまるで楽しんでいるようだった

ヨンイル

まだ食べられそうだったら作るが、どうする?

ギフン

……

ヨンイル

最近あまり食べないな…好物だったらよく食べると思ったんだが。

空になった容器を片付けつつため息を漏らす

ギフン

……

ギフン

(俺はずっとこのままなのだろうか)

ギフン

(ヨンイルさんが帰ってくるまでずっと縛られて…食事すら自分でできない)

ギフン

(俺はもう…逃げられないのだろうか)

マイナスなイメージが影を落とす

その顔をじっと捉え、ヨンイルさんは満足そうに息を吐いた

ヨンイル

本当は俺もギフンを自由にしたい……

ヨンイル

だがそうすればお前は俺から離れていくだろう?

ヨンイル

……そうなると俺はもう、壊れてしまう…

ヨンイルさんの手が頬に触れる……その手は震えている

ヨンイル

だから、お前は俺だけのものだ……どこにも行かせない

ヨンイルさんの言葉が余韻を残して静寂に飲まれていく

壁時計の秒針の音と食器がほんの少し触れ合う音を破るようにヨンイルさんが口を開いた

ヨンイル

……一つ教えてくれ

その声には張りつめた空気があった。ヨンイルさんの笑みはいつのまにか失われていた

ヨンイル

お前が今日、逃げられていたら…俺のこと、もう二度と思い出さなかったか?

沈黙が体の表皮をじくじくとついばむ

ヨンイル

それによって俺は、お前に何をしてもいいのか、それともまだ信じた方がいいのか、決める。

ヨンイルさんは答えを息を潜めて待っていた

ギフン

……

ヨンイル

…やっぱり、そうか

声は落ち着いているものの微かに震えている

ヨンイル

ギフンの口から聞きたかったが、何も言わないということはそういうことだ。

ヨンイルさんは立ち上がり、ゆっくりと歩きながら背を向ける

そうして数秒深く思案した後、再び俺の前に戻り、膝を着いて目線を合わせた

ヨンイル

最後に、もう一度だけ聞く

ヨンイル

俺のこと……心のどこかにまだ少しでも残っているか?

哀しみが尾を引く声色に思わず目を逸らしたくなる衝動に駆られる

ギフン

(「ヨンイルさん」だ……)

ゲームのときのあの姿が浮かぶ

ギフン

(すっかり変わってしまったけれど、やっぱりヨンイルさんの本質は変わっていない…!)

ギフン

ヨンイルさん…!

ヨンイル

……今、名前で呼んだな。俺のことを…!

口元は微かに震え、抑えていた感情が滲み出ている

ヨンイル

俺は、ギフン……お前が俺の全てを拒絶したとしてもどこかで信じたいって思っていたんだ

ヨンイル

お前にとって俺は、ただの檻だったのか?

ヨンイル

それとも……

ヨンイルさんは紡ごうとした言葉を飲み込んだ。その顔はどこか怯えている

ただ、純粋な疑問で、その答えはヨンイルさんの心を生かすも殺すもできる気がした

ギフン

……ヨンイルさんは、間違っています、でも……!

ギフン

…悪い人じゃないのは、……分かっています

ヨンイル

……そうか

ヨンイル

間違ってる、か……

ヨンイル

分かってるんだ、本当は……でも、引き返せない

ヨンイル

頼む……ギフン、そばにいてくれ…

ヨンイルさんに縋るように抱き締められる

苦しげなその声に息が詰まった

ヨンイルさんは確かに酷いことをした。監禁して、自由を奪って…でも、それだけだ

ヨンイルさんは無理に触れようともせず、家の中だったらいいと外出時に手足を緊縛することもなかった

ヨンイルさんの道を正すなら、今だ

ギフン

ヨンイルさん……俺はずっとそばに居ますから、!

ギフン

…自首しましょう?

罪の意識をもって正し、そうしてこそ新たな輝かしい未来をみることができる

その発案に、ヨンイルさんは固まった

ヨンイル

…自首?

ゆっくり反芻するように呟き、苦笑とも笑いともつかない掠れた声が漏れる

ヨンイル

……俺がここまでしてお前を守ってきたのは、全て「罪」だったってことか。

表情は崩れていない。しかし、その声は段々と震え始める

ヨンイル

分かっていた…これは愛じゃない、支配だったと

ヨンイル

ギフン……

ヨンイル

全て終わらせるといったら、俺を止めるか?

けぺ

もう頓挫したよ🥲🥲

けぺ

先グダるかもだけどお付き合いください

けぺ

ここまで見ていただきありがとうございました!

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