救った人（かげよこ）

俺は、負けたくなんかなかった

もちろん怖かった

みんなの視線が鋭く刺さって

でも、こんなことで負けたら

男が好きな自分のことを否定しているじゃないか

みんなは女の子を好きになるけど俺は男の子を好きになれるんだ

みんなより得してるよ

そんなことを考えてみんなと戦っていた

絶対負けてやらないと

そんなことを考えて小学校生活乗り切った

俺は勝った

つい考えていたら言ってしまった

横にいる横原の前に立って言った

自分で言っといて恥ずかしくなってしまった

横原の顔が少し微笑んだ

まって、可愛すぎないか、？

笑った顔、可愛い、、

俺は横原とLINEを交換した

俺は横原が楽になるように

強くなれるように一緒に練習した

翌日

明日からそれでいこうって言ったけど

大丈夫かな、

無理させたかな、、、

自分でやらせといて不安になってきた、、

とりあえず話しかけてみることにした

お、いいぞ横原！

ナチュラルになってる、

まって、横原いいぞ？

まるで別人のようだ、

初の俺以外の会話、、

横原、

横原強いじゃん

少し基は驚いてたけど後にそれもなくなる

まだ1年の4月

大丈夫。横原は強いから

これが、新と横原の初対面か、

この調子でいけば大丈夫

横原に俺は小さく微笑んだ

横原のクラスには基がいるし大丈夫

なにかあったら連絡してって言ってるし

この口実も影山くんから教えてもらったもの

大丈夫、上手くやれてる

3時間目前

大丈夫、連絡は来てないし

教室をちらっと見たけど基と話していて大丈夫そうだ

なんせ、横原は強いからな

基と横原とは仲良くないだろうしな

放課後

今日は横原と一緒に帰るつもりだったしな

今日は流石に一緒に帰らないと、、

教室をでて1組に向かった

1組を覗くと

先帰ったのか？と思っていたところに

基が教室から出てきた

まさか、

嫌な予感がした

俺、間違えたのか？

横原にまた同じ想いをさせてしまったのか、

どうか、

どうか、

なにもありませんように

俺は先生に怒られてるのを無視して

廊下を走った