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遥香

ねえ聞いて

遥香

最近、私の家の近くに小さいお店ができたんだけど

遥香

遥香

何か、不気味なんだよね

美紀

何が不気味なの?どんなお店?

遥香

リサイクルショップみたいなんだけど、この間行ってきたんだよね

遥香

そしたら明らかにおかしいものが売られてて

美紀

おかしいもの?

遥香

入れ歯とか

遥香

ニンニク風味のドリンクとか

美紀

ええ?何それ

遥香

だからさ怖くなってきて

遥香

何も買わずにお店出たんだよね

美紀

そりゃそうだよね

遥香

店員さんも1人しか居なくて、それもかなりの年寄りだったわけ

遥香

しかもその人ずっと椅子に座ってぐったりしたまま動かないもんだから

遥香

一瞬死んでるのかと思って焦ったんだけど、後々鼾が聞こえてきたから、ただ居眠りしてるだけだった

美紀

営業中に居眠りって…

遥香

なんか緩い店だよね

遥香

でもさ

美紀

ん?

遥香

ちょっと面白くなってきたかも

美紀

え?何も面白くないよ

遥香

今度一緒に行かない?

遥香

美紀も一緒なら怖くないし

美紀

嫌だよ

美紀

何買わされるか分かんないじゃん

遥香

大丈夫だって、何も買わなきゃいいよ

結局、あれから 遥香からの押しに負けて

今日、あの奇妙なお店へ行くことに決定してしまった

遥香

ワクワクするね

美紀

ワクワクはしない

遥香

怖い?

美紀

別に?

遥香

お、強気だね

遥香

遥香

よし、入ろっか

お店に着くと、恐る恐る 中に入っていく私達

店内は、妙に薄暗く 途端に鉄のような 独特な匂いが鼻についた

店員

ンゴゴ…

遥香

ほら、相変わらず変な鼾かいて寝てるよ

美紀

ほんとだ…

それにしても本当に気持ちが悪いものばかり売られている

美紀

何だこりゃ?

“この飴を食べれば貴方の身に モテ期到来!”

目の前には、いかにも嘘臭いキャッチコピーで大きなハート形の飴が売られていた。

しかもただの飴なのに1000円って…

一体このお店は、どうなってるんだ…

店員

良い商品に目をつけたみたいだねぇ?

美紀

え、あ…

さっきまで居眠りしていたはずの店員さんが、突然私に声をかけてきた。

それに、近くにいたはずの遥香の姿がなぜか見当たらない。

どこに行ったんだろ…

店員

お買い得だよ。食べてみれば、きっと良いことが起きるさ。

美紀

でも飴に1000円はちょっと…

美紀

私まだ高校生なのでお金に余裕無いですし…

店員

そうかい、それなら今回はタダで構わないよ。

店員

その代わり食べてみて効果があれば、またお店に遊びに来てくれないかい?

美紀

ええ?無料で頂くなんて、そんなことできませんよ。

店員

遠慮せず受け取ってくれ。受け取ってくれるだけでいいんだ。

店員

今日売れなきゃ捨てるつもりだったんだよ。捨てるくらいならタダでも貰ってくれたほうが有難い。

美紀

そう…ですか

美紀

じゃあ遠慮なく…ありがとうございます。

そしてその日、私は店員さんに無料で貰った飴を持ち帰ってきてしまった。

帰っている途中、怖くなって 捨てようか迷っていたが 結局捨てることさえも 怖くて出来ないままだった。

遥香

何で先に帰ったの?

美紀

え?遥香が先に帰ったんでしょ?

遥香

何言ってんの、私ずっとお店の中に居たよ。突然1人にされて怖かったんですけど。

そんなわけがない。

私は遥香が居ないのを確認してからお店を出たはずだった。

遥香

まぁいいや

遥香

ところで何か買わされたりした?

美紀

買わされたっていうか…

美紀

タダで飴貰っちゃった。

遥香

もしかしてハートの飴?

美紀

そうだけど、知ってるの?

遥香

だって、私もそれ貰ったよ。

美紀

え?

遥香

食べればモテモテになるんだってね!

美紀

もしかして信じてるの?

遥香

はぁー?そんなわけないじゃん(笑)

美紀

だよね…

次の日

遥香

聞いてよ

遥香

私、宇佐美先輩に告白されて付き合うことになっちゃった!

美紀

え?宇佐美先輩って、あの宇佐美先輩?

遥香

そう!あの超絶イケメンの!

遥香

やっぱ食べた甲斐があったのかな

遥香

あの飴、凄いね

美紀

食べたの…?

遥香

食べたっていうか、正確には食べちゃってたって感じかな。

遥香

気付いたら…ね。

美紀

馬鹿!あんな変なお店に売ってるものなんて食べちゃ駄目だよ!

遥香

でもでも、実際効果ありだったわけじゃん?

遥香

ほら、美紀もせっかく気になってる人いるわけだしさ、食べてみたら?

まさか本当に効果があるなんて…

いや、そんなわけがない ただの偶然に違いない。

朝陽

なあ、相談があるんだけどさ

するとその時、私が前から気になっている朝陽君から突然メールが届いた。

美紀

急にどうしたの?

朝陽

女ってさ、何あげたら喜ぶんかな?

美紀

うーん…私は何貰っても嬉しいけど

美紀

やっぱりアクセサリーとかじゃないかな?

朝陽

アクセサリーか…

美紀

何で?誰かにプレゼントする予定なの?

朝陽

あーうん、元カノとより戻すことになってさ、元カノの誕生日そろそろだから

え?

元カノと…より戻す…?

──目の前が真っ白になった。

どうして?遥香は思い通りに行ってるのに…!

どうして私だけ取り残されなきゃいけないの……?

やっぱり、あの飴…

私も…私も救われたい…

次の日、突然の遥香からの電話で目が覚めた私。

遥香

…み、美紀…っ、うっぅ…

眠い目をこすりながら電話に出ると、遥香の声は大きく震えていて明らかに泣きじゃくっている様子だった。

美紀

は?何ごとなの?

遥香

歯……っ歯が…

遥香

歯がぁあ…!うぁあ…っ!

美紀

え…!?なに、なんなの?歯がどうしたっていうの…!?

──私は、次の遥香からの一言で絶望に陥った。

遥香

歯が…っ、歯が無いの…っ

遥香

どこを探しても見つからないの…

遥香

私の歯が…っ、うっうぁあ…っ!

歯が…無い?

──その瞬間、私の口から生暖かい液体が流れ出ていることに気が付いた。

美紀

な…なに…これ…

震えながらも口元を拭うと、べっとりとした赤い血が手に染み付いていた。

そして私は、恐る恐る口内に手を滑らせた。

美紀

…っ

美紀

なん…で…っ

美紀

私の…

美紀

私の歯が…

美紀

無……い……

朝陽

やっぱ元カノとは上手くいかないもんだな〜、早々別れちまったし。

朝陽

つか、最近ずっとマスクしてるよな?どうした?

美紀

肌荒れ酷くてさ…

朝陽

そんなの気にするなよ

美紀

気にするよ

朝陽

何でだよ

美紀

朝陽君に嫌われたくないから…

朝陽

何だそれ、可愛いな

朝陽

…ってことは、俺お前のこと好きだわ

美紀

えっ?

朝陽

なんか最近お前が可愛くて仕方ないんだよ

美紀

何言って…

朝陽

だから付き合ってくれ。

朝陽

駄目か?

美紀

駄目…じゃないけど

朝陽

よし、んじゃ今日からお前俺の彼女な!

美紀

ちょ待…っ

私は、朝陽君を手に入れる代わりに大事な前歯を全て失いました。

───ねえ、朝陽君。

貴方は、それでも私を変わらずに 愛してくれますか?

美紀

私、訴えるつもりですからね。

店員

好きにしておくれ。どうせ私は、もう長くないんだ。

美紀

店員

君は、今一番欲しいものを手に入れた。この上なく幸せなことだろう?

店員

私は、君の願いを叶えてあげたんだ。

美紀

店員

人生、幸せが手に入ると同時に失うものもあるということだ。

美紀

失うものが大きすぎませんか…

店員

君がどんなに醜い姿だとしても、愛してくれる人が居ればそれで十分だろう?

美紀

美紀

あの

店員

うん?

美紀

そこにある入れ歯って、値引き可能ですか。

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