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第八話
『砕けた仮面』
START
深夜の地獄から数時間後
一睡もできないまま俺は再びテレビ局の楽屋にいた
大我
声帯を無理やり震わせ昨日と同じ高めのトーンで扉を開ける
だけど鏡に映る自分の瞳は完全に光を失っていて張り付けた笑顔の下の皮膚がピキピキとひび割れていくような錯覚がした
ジェシー
真っ先にジェシーが駆け寄り慎太郎と高地も「無理すんなよ」と顔を覗き込んでくる
大我
わざと傲慢に笑ってみせる
けれどその瞬間喉の奥からヒュッと掠れた音が漏れた
いつもなら呆れたツッコミを入れるはずの樹が一言も発さずに俺の手首を掴んだ
樹
さらに部屋の隅から弾かれたように歩み寄ってきた北斗が俺の顔を正面から覗き込む
北斗
北斗
北斗が楽屋の全員の前で俺の肩を強く掴んで声を荒げた
大我
俺はなおも笑顔を崩さない
崩したら本当に消えてしまいそうだったから
だけど身体はもう限界だった
お腹の奥が雑巾を絞られるように激しく痛み出し視界が急激にブラックアウトしていく
大我
北斗
過呼吸の波が昨日以上の凄まじい勢いで俺を飲み込む
俺は胸を強く押さえたままメンバーの手を振り払うようにして楽屋を飛び出した
「追うぞ!!」という樹の怒号と北斗の悲鳴のような声を背中で聞きながら俺は無我夢中でテレビ局を脱出しタクシーに飛び乗って自分の家へと逃げ帰った
――それから数時間が経った
夕闇が迫る自宅の寝室で俺はカーテンを閉め切ったままベッドの上で膝を抱えてガタガタと震えていた
スマートフォンは床に投げ捨ててある
画面にはメンバーからの何十件もの着信と通知の嵐
樹
北斗
北斗
みんなの優しい声がネットのあの呪いの言葉と混ざり合って脳内でリフレンする
大我
限界だった
俺が自分の胸元を狂ったように掻きむしり完全に心の糸を切らした
その時
ドンドンドンドンドンドン!!!
樹
静寂を切り裂くように玄関のドアを激しく叩く音が響き渡った
樹の声だ
ガチャガチャガチャガチャン!!
優吾
高地が必死に手配したのかマネージャーが持っていた合鍵が回り重い玄関の扉が勢いよく開け放たれる音が聞こえた
樹
ドタバタと激しい足音が廊下を駆け抜け寝室の扉が乱暴に開かれる
入ってきたのは顔を涙と汗でぐしゃぐしゃにした樹と息を切らせて今にも泣き崩れそうな北斗だった
その後ろにはジェシー、慎太郎、高地も全員揃っている
大我
暗闇の中胸を押さえてうずくまる俺の元へ5人が一斉に雪崩れ込んできた
樹
樹が俺の身体を折れそうなほど強く抱きしめその胸に顔を埋めて子供のように号泣した
北斗
北斗
北斗も俺の前に膝をつき震える手で俺の頬を包み込んだ
北斗
北斗
ジェシーや慎太郎、高地も、俺の背中や足元に触れ5人がかりで俺をこの世界に繋ぎ止めようと必死に温もりを分け与えてくれる
5人の圧倒的な愛の熱に包まれて俺の張り付いていた仮面は今度こそ粉々に砕け散った
大我
俺は樹の衣装を固く握りしめ何に傷ついているのかはまだ言えないまま生まれて初めてメンバーの前で子供のように声を上げて泣きじゃくった
♡ 💬 待 っ て ま す ⌒ ♪
コメント
10件
好きすぎて何回告白するんでしょうかワタシは...
泣ける.˚‧º·(´ฅдฅ`)‧º·˚.
わあ…第9話、読み終わりました。もう本当に、胸がぎゅっとなりました。 樹くんが合鍵で飛び込んでくるシーン、北斗くんの「生きててくれ」の叫び、そして5人がかりで大我くんを温める場面…どの言葉も、どの仕草も、嘘がなくて、読んでいるこっちまで涙が込み上げてきました。特に、大我くんが初めてメンバーの前で「怖かった」と声を上げて泣くところ、あの瞬間の開放感がすごくて。 「仮面が砕ける」って、こういうことなんですね。一人じゃないって、そうやって伝えてもらえることなんだなって思いました。素敵な話をありがとうございます、雪村さん🖤
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#ご本人様には一切関係ございません
らびゅ🫶💕〜!
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