このは
あなたがハル先生ですか?
ハル
そうだ。あなたの友人から連絡がきて、このはさんとお話ししてほしいと聞いている。
このは
失礼ですが、お歳を伺ってもよろしいですか?
ハル
14だ。
このは
14歳で、人の話を聞く仕事をしてるんですか?
ハル
厳密にいうとこれは仕事ではないわ。人を助けるのに、わざわざ仕事という名前をつける意味も、お金を発生させる意味もない。私がお金に困ってる社会人なら、若干話は変わってくるかもしれないがな。
このは
なるほど、、、。わかりました。
ハル
それで、どのような話だ?
このは
実は、その、仕事の話なのですが、今している事が自分にあった仕事なのかがわからなくて、でもやりたいこともなくて、このままで良いのかなって、悩んでいるんです。
ハル
なるほど。最近この悩みはかなり多いな。だが、少し間違えている事がある。
このは
間違い、ですか?
ハル
仕事というのは自分がやりたい事をすることでなく、他人がしてほしいことを叶えてあげる事だ。だから、お金を払う価値があり、貰う価値があるんだ。もちろん、自分がしたいことと、他人が求める事がうまくマッチするに越したことはないだろう。だが、常にそうとは限らない。仕事が合うかどうかは、長い目で多くの人の願いを叶えてあげられるかどうかというところがポイントだろうな。勿論色々な価値観があると思うが、一つの指標として検討してみてほしい。
このは
自分のしたいことは、どれほど優先すれば良いのでしょうか?
ハル
それは自分の気持ち次第だろう。現在どれだけ仕事につながる見込みがなくても、心の底からやりたいのならば、自ずと人はそれを優先させるだろう。自身の気持ちに従うことだ。
このは
実はそこが問題で、、、。自分の気持ちというのがわからないんです。何がしたいかも、正直わからなくて。
ハル
自分の気持ちに従うというのは、自分の好きなことを優先することと同義だと思われがちだが、そればかりではないんだ。自分がしたくないことをしないこと。これも自分の気持ちに従うことだ。もしくは、好きなことを選ばないといけないという観念から逃れる事が、本当に自分が望むことかもしれない。
このは
自己実現をすることがとても大事だと、就活でよく言われましたが、そんなこともないのでしょうか?
ハル
自己実現なんて、するもしないもその人次第だ。したいことが既にできている状態だってありえる。どのようにかなえるかも人によって全く違う。例えば、アニメオタクには高い収入を得ることそれ自体よりも、アニメに時間とエネルギーとお金を費やすことを楽しく感じる人もいる。それは自己実現の形だ。
このは
仕事🟰自己実現ではないのですね。
少し固定観念が外れた気がします。
少し固定観念が外れた気がします。
ハル
勿論、仕事を通して自己実現する人もいる。だがそれは、仕事を実現の一つのツールとして活用しているだけで、それ以外にも自己実現の方法はある。
このは
仕事と自己実現がイコールになりがちなのですが、どうしてそんなことが起きてしまうのでしょうか、、、。
ハル
仕事をは人生の多くのパートを占めるからな。故に仕事で成功することが自己実現だと混同してしまうこと無理はないだろう。実際、人は他人がどのような人かを知ろうとする時、職業を聞いたりすることも多い。
このは
なるほど、、、。
ハル
自己実現ときけば、何か大きなことを成し得ないといけないような気がしてくるが、そんなことはない。大きなことを成し遂げたいならば、そうすれば良いし、自分を生きたいのならば、それもまた良いだろう。
このは
もう一つ、伺いたいことがあります。どうすれば、好きなことを見つけられますか?
ハル
好きなことをしなければならないというのも呪縛だな、、、。
好きなことをどうやって見つければ良いかなんて、実はおかしな質問なんだ。好きなことは暇な時に自然とやっているはずだ。なぜなら好きだからだ。お茶を飲むことが好きなことかもしれない。漫画を読むのが好きなことかもしれない。人と話すことが好きなことかもしれない。案外そんな簡単なことだ。
好きなことと仕事をなんとか結びつけようとしている人が多いが、結びつけられるパターンもあるし、そうでないパターンもある。大体の人は前者が実現することを望むが、無理して何かを好きになり、それを仕事に繋げようと自己暗示をする人も、ちらほらいるな。
好きなことは自然と行動に移すことの中にある。まあ、自然と写す行動全てが、好きなこととはならないだろうが。
好きなことをどうやって見つければ良いかなんて、実はおかしな質問なんだ。好きなことは暇な時に自然とやっているはずだ。なぜなら好きだからだ。お茶を飲むことが好きなことかもしれない。漫画を読むのが好きなことかもしれない。人と話すことが好きなことかもしれない。案外そんな簡単なことだ。
好きなことと仕事をなんとか結びつけようとしている人が多いが、結びつけられるパターンもあるし、そうでないパターンもある。大体の人は前者が実現することを望むが、無理して何かを好きになり、それを仕事に繋げようと自己暗示をする人も、ちらほらいるな。
好きなことは自然と行動に移すことの中にある。まあ、自然と写す行動全てが、好きなこととはならないだろうが。
このは
私は以前、自己暗示をしていたことがあります、、、。
ハル
まあ、リクルート企業が好きなことで生きていくなんて謳い文句で、就活者を焚き付けてるからな。仕方のないことだ。
このは
最後の質問です。ハルさんは仕事というものをどのように捉えてますか?
ハル
仕事は、勿論お金をもらうためにやるものにもなりうるし、自己実現の道具にもなりうる。人と繋がるきっかけにもなるし、自分の市場価値を推し量る道具にもなれば、ただの苦痛にもなる。本質なんてない、変幻自在な物だ。だから、自分が好きなように解釈すれば良い。一つの解釈にこだわる必要もないし、するもしないも自由だ。まあ、しないと少し金銭的に面倒だがな。
このは
もう少し、仕事というものに向き合ってみます。
ハル
うむ、相談したいことがあればまた話そう。