母と慕う彼女は
親ではない
共に暮らす彼らは
兄弟ではない
ここ
グレイス= フィールドハウス
は孤児院で
私は孤児
そう思っていた
ぴったり6時
カランカラン♪
施設(ハウス)の朝は鐘の音で始まる
エマ
朝ごはん遅れるよー
施設の暮らしも10年。
今大きな声でみんなを起こしてくれているのはエマ。毎朝1番に起きて元気いっぱい起こしてくれるんだよ!
当の私は…
アンナ
アンナが私の体を大きく揺さぶる
ココナ
レイ
アンナ
朝は大の苦手…
ココナ
アンナ
レイ
今日はコニーと過ごせる最後の日だぞ?
早く起きるんじゃねぇのかよ、
ココナ
ココナ
そう、今日はコニーが里親に出される日つまりコニーと過ごせる最後の日だったんだ!
ココナ
アンナ
レイ
ココナ
私も小さい時は早く起きれたんだけどなぁ…今は朝起きるのが本当に苦手でいつもアンナとレイには助けてもらっているこの2人には本当に頭が上がらない、
現在は38人兄弟。
ココナ
ギルダ
ココナ
性格も年齢も肌の色もさまざま
私達に血のつながりはない
でも
ノーマン
ココナ
レイ
アンナ
ノーマン
ココナ
レイ
ココナ
(自分の唇に人差し指を置き、 しー!というかポーズを取る)
レイ
ノーマン
エマ
アンナ
エマ
ノーマン
レイ
ほはよーエマ
ココナ
ノーマン
レイ
エマ
ココナ
エマ
イザベラ
エマandココナ
イザベラ
エマandココナ
ココナ
エマ
イザベラ
2人とものそういうところ
エマandココナ
イザベラ
ココナ
エマ
___でも大好き
大好きなママ 大好きなみんな
血の繋がりはなくても大切な家族。
施設(ハウス)は私達の"家"だった。
全て私の
私達の普通
イザベラ
カランカラン♪
10年間疑ったことすらなかった
"いただきます"
"当たり前の日常"
フカフカのベッド
おいしいごはん
白ずくめの制服
首筋の認識番号
エマ
ノーマン
レイ
ココナ
そして
"将来のために" "貴方達のために"
ママはこのテストを 「学校」の代わりだと言っていた
毎日の勉強(テスト)
ノーマン
レイ
エマ
ココナ
_ざわざわ_
イザベラ
イザベラ
イザベラ
イザベラ
ココナ
エマ
ノーマン
レイ
私はテストがあまり好きではないけどママが褒めてくれるのは嬉しかったし
終われば思いっきり遊べたから 苦手なテストも頑張れた
ドン
ノーマンが「鬼」だ
エマ
ココナ
レイ
エマ
たまには混ざればいいのに
ノーマン
ノーマン
ノーマン
ノーマン
ノーマン
ノーマン
ノーマン
ノーマン
ノーマン
ノーマン
ノーマン
ノーマン
木登り
かくれんぼ
鬼ごっこ
小さな頃から この森で遊んだ
穴のある木
その先に死角になる岩
施設を囲む四方の森は 勝手知ったる
子供達の「庭」だ
____施設の敷地は広い
けど近づいてはならない場所が2つある
理由は重要ではなかった
外へと通じる「門」と
森の「柵」の向こう
施設にいる限り 守るべき規則
"私たちは「外」へ出てはならない"…
だから私も…私たちもまだ「外」は出たはことはない