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不確かなゲーム

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不確かなゲーム

7 - カミングアウト

2023年02月16日

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相馬

……はぁ

相馬

ダメ…か……

もう体力が尽きた

俺は何分戦ってたのだろうか

大して仲良くねーやつらのために体はってさ…

らしくもねーな…

そろそろ終わりにしようか?

疲れたろう?

はははははははははは

相馬

あぁ……

相馬

そうしてくれ…

本当に疲れた

足も手も動かねぇ……

出血しすぎてるか…

相馬

やれよ、もう抵抗しねーよ

ふふふふ

ダサいダサいね!!君!!

あんなに威勢よかったのにね!?

僕にやられてさぁ??

仲間庇って?任せろ?って

このザマだよ???

はははははははははは

相馬

ちっ……

威勢がいい……か…

昔はもっとそうだったよ

相馬

高橋……すまねぇ

相馬

会えそうにねぇや

じゃあばいばいだ

麻野

歩けるか…?

大輝

うん……大丈夫だよ

みんな強がっているのだろう

なにせ高橋の死体を見ては…… 冷静でいるのも精一杯だからな

しずく

ごめん……麻野君

しずく

ちょっと無理…かも……

笹宮さんは膝をついた

まるで急に眠りに落ちたように力が抜けて落胆した

喜久山

笹宮さん、大丈夫かい?

しずく

……なつき…

麻野

笹宮さん……

彼女は泣いていた

手で地面を掴んでいた

麻野

悔しいのは分かるよ……
でも今は僕らの仲間を助けに

しずく

分かってる……

しずく

でも

しずく

ごめん…!

笹宮さんは立ち上がった

麻野

笹宮さん…?

しずく

ダメ!!

彼女は俺たちに目を合わせずに来た道を走り出した

麻野

!?

喜久山

笹宮さん!!

追いかけましょう…!

麻野

分かった!!行こう!

俺らは追いかけるように体を捻って走り出そうとする

大輝

待って

大輝

僕が行く

その時の大輝は汗をかいていた

麻野

大輝君…?

喜久山

大輝!時間ねーって!

大輝

だからだよ

大輝

みんなは相馬君のとこへ

大輝

僕が笹宮さんを連れてくる

麻野

大輝君…!

危険だ

そう言おうと思った

だが大輝君の表情を見て悟った

彼は覚悟を決めている

そして分かっているんだ

1人で行動することの危険性を

麻野

……分かったよ

大輝

…!

大輝

ありがとう!麻野君!

大輝君は俺の手を握りしめた

彼の手は暖かく柔らかかった

麻野

…っ

麻野

気をつけろよ…!

大輝

うんっ…!

大輝君は笹宮さんを追いかけて来た道を走っていった

彼の身長は150cm代だが

背中が心強かった

いいんですか?

大輝君1人でどうなるか分かりませんが…

喜久山

危険すぎる!

麻野

いいんだよ

麻野

あれは覚悟を決めた男の目だ

麻野

お前らも分かるだろ?

喜久山

……

…ですね

行きましょう!

喜久山

相馬さん待ってろよ!!

大輝

はぁ……はぁ…

大輝

っ…

僕は走りながら唾を飲み込んだ

大輝

笹宮さんどこ……

麻野君に許可してもらったんだ

なんとしても連れ帰る!

大輝

笹宮さんどこにい

大輝

!?

危ない…!

あれは…鬼か…?

大輝

もう少し近ずかなきゃ分からないよね…

僕は人影に近づく

慎重に

大輝

いち…

大輝

に…

大輝

さん…

あれは…?

???

……

大輝

!?

な、な、なんだあれ…!?

鬼お、鬼!?

いや……人間じゃない…

大輝

とりあえず深呼吸して…

僕は目をつぶった

大丈夫、探そう

意思は固まった

さぁ目を開けて

大輝

行こう…!

???

……

大輝

んぇっ!?

大輝

な、な、なお前…

大輝

いつから僕の前に…?

僕は咄嗟に体勢をたてなおす

大輝

……っ

何をしてくる…?

???

……

謎の生命体は手を出した

大輝

なんだ…?

大輝

!?

奴の手には1つのメモが入っていた

そして奴は

腕と手が繋がってなかった

大輝

これを読めと?

???

……

奴はメモを渡すとすぐに姿を消した

大輝

えっ…

大輝

どこ?

一体何だったんだ…

しずく

大輝君…?

大輝

大輝

笹宮さん!

しずく

今誰かと話してた?

大輝

大輝

ううん、誰もいないよ

大輝

それより、どうしたの

大輝

急に僕たちから逃げたりして

しずく

うん……ごめん

しずく

なつきがどうしても気になって

しずく

それどころじゃないのは分かってるのに…私……馬鹿だよね…

大輝

…ううん

大輝

分かるよその気持ち

しずく

え…?

相馬君も大変、麻野君も大変、みんな大変だ

でも……高橋が1番大変だったんだろうな

大輝

高橋がこんな形で終わるなんて

大輝

おかしいよ…

しずく

大輝君…

しずく

私…強くならなきゃだね

大輝

…え?

しずく

だって大輝君、私より非力そうでちょっぴり臆病なのに

しずく

こんなに頑張ってるのが伝わってくるもん

大輝

僕は……まだまださ

大輝

みんなに比べるとね

しずく

ううん、そんなことないよ!

大輝

笹宮さん

大輝

高橋のこと好きでしょ?

しずく

えっ

しずく

え、え…

しずく

いやいやそんなことないよ!?

しずく

なつきはただの私の幼なじみで…

大輝

ふふ

大輝

バレバレだよ?

しずく

嘘……

しずく

ちょっとショック…!!

大輝

僕もね好きだよ高橋

しずく

しずく

えぇっ!?

大輝

笹宮さんほど付き合いは長くないけど大好きなんだ

大輝

お互い好きな人が居なくてさびしい気持ちはあるよね

大輝

…でも今が踏ん張りどころだよ

大輝

高橋のためにも…!

しずく

だね…大輝君!

しずく

ありがとう!!行こう!

大輝

うんっ!!

カミングアウトをするのは初めてだった

ここまで心が晴れた気分になるのは予想外だったな…

さぁ僕よくやった

急ごう!

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