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不確かなゲーム

8 - 相馬の覚悟

♥

49

2023年02月18日

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大輝

もうすぐかな…?

しずく

うん!きっとそうだよ

歩き始めて数十分経過した頃僕たちは麻野君たちのもとへ向かっていた

日光が眩しい

しずく

ところでさ

しずく

大輝君はなつきのどこが好きなの?

大輝

え…

大輝

急だね…w

大輝

それはもう……全部かな

しずく

ほほぉ

笹宮さんは笑みを浮かべる

しずく

例えば?

大輝

いつもさ笑わせてくれるんだ

大輝

優しくて面白くて勇気があって

大輝

それでだんだん…

しずく

ふふふ

しずく

分かる…!

大輝

さすがだね

笹宮さんにカミングアウトしてから僕たちは会話を交える回数が増えていた

それは当たり前かな?

大輝

あ、こっちこっち!

しずく

うん!

僕は笹宮さんを見ながら走った

彼女の目からは恐れの感情は感じられなかった

僕も頑張らなきゃ…!

大輝

んー…

しずく

いないね…

大輝

まぁ僕が先に行けって言ったから当たり前なんだけどね

しずく

うん、じゃあ私達も行こっか

大輝

だね

大輝

相馬君頑張ってくれ!

僕は心から願っている

高橋と同じ目に合わせないために

もう友達が死ぬのなんて見たくないんだ

しずく

大輝君!こっちだよ!

大輝

ん……!

ぼーっとしてたようだ

笹宮さんの手にひかれて僕は走り出した

相馬

あああああああっ!!!

ふふふふふふ

はははははははははは

鬼はナイフで俺の腕を少し切る

どうやらコイツは俺をいたぶるのを楽しんでるらしいな…

相馬

野郎…!!

なんだその反抗的態度は?

黙ってろよ!!!!

相馬

ぐっ……

太ももいってぇ……

ナイフ刺されたところに蹴りとか性格悪すぎだろこいつっ…!

ふふふふ

はぁぁあ

楽しいね

でももう時間さ

相馬

時間……

そうだ時間だよ

僕も別の逃走者を殺しに行かなきゃ

だから君とはもうバイバイだ

相馬

そうかい…

相馬

終わりか

そうだよ終わりさ

じゃあね

相馬

終わりなのか…

もう

終わりか…

俺は何をしてるんだろう

仲間とか言って

見ず知らずの奴らの為に

俺は

もうゲームオーバーか

相馬

わりぃ先逝くわ…

見上げると鬼が笑っていた

俺をいたぶって楽しんでるやつ

楽しむ

人をいたぶって

似てるな

『アイツ』に

思い出した

思い出したよ高橋

俺は

俺だって

俺でも!!!

相馬

終わりたくねーよ!!!!!

!?!?

ゴミが消えろ!!!!

相馬

黙れ!!!

踏み出せ踏み出せ

動け俺の足!!

殺されるぞ!!

相馬

そんなのゴメンだね!!

止血なんて知るか

武器をわざわざ渡してくれたんだぜ?

使ってやろーじゃねぇか

相馬

っ!!!!

俺は太ももからナイフを引き抜いた

すぐに足から液体が流れる感触を感じた

終われええええ

相馬

てめーが終われや!!

俺はナイフを突き出す

同時に鬼も突き出す

ナイフが音を立てて火花を散らす

音は反射して空間に響き渡った

相馬

あああああああああああああ

あああああああああああ

重てえええええええ

ナイフ同士の戦いなんて見るに堪えないな…!!

相馬

まぁでも

相馬

俺は生きてる!!!!!

相馬

見返してやる…!!

相馬

どいつもこいつも!!!!

うるせえええええええええ

殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す

お前も誰もかもおおおおおおお

叫びすぎたか喉が痛い

でも

相馬

んあああああああああああ

叫ぶしかないだろ!!

このピンチ!

この戦い!

誰も予想出来なかった展開!

叫ぶのもしょうがないよな!?

相馬

おらああああああ

全力でナイフを振る

相手のナイフは吹き飛んだ

くそっ!!!!!!

なんでなんでなんでなんでなんで!!!!!

高橋

無事か?

頭から離れないんだ

でもこれは次会った時の話にするよ

お前に教えてもらったステップ

ここで活かす

相馬

1

相馬

2

相馬

さんっ!!!!

!?!?

一緒にしたな

このステップ

大きく踏み込め

屈め

立ち上がれ!!!

相馬

おらあああああああああ

俺は鬼を殺す気で首元を狙った

あああああああああああああ

気がつくと周りは無音だった

終わりか…

相馬

はー疲れた……

俺は腰を落とす

相馬

お互い命懸けだったな

……

ゴミが無駄な足掻きを!!

相馬

悪くねぇ足掻きだったろ?

俺は確かに殺す気でナイフを振った

だがその瞬間

ナイフは鬼のアーマーに当たって砕けた

はぁ…はぁ

鬼は歩いてナイフを取った

今度こそ終わりだ

相馬

そーだな抵抗はしねーよ

相馬

もう俺も疲れたんだ

……

鬼は下を向いた

相馬

なんだよ

顔を上げるとやつは

笑っていた

ほんっとゴミがよおおぉ!?

だっせーな!?

まーそれもおわりだよ…ほんと

ようやくだ

相馬

そーかい、ダサかったか

相馬

早く殺れよ

言われなくてもな!!

麻野

殺らせねーけどな!?!?

相馬

!?

麻野

俺参上!!!

ぐあっ!?

相馬

麻野…!?

麻野は鬼の不意をついて飛び蹴りをかました

麻野

すまねぇ
待たせたな!!

麻野

よく生きててくれた!!

相馬

ふっ……

「生きててくれた」か…

不良でみんなの邪魔者な俺

罵声も非難の声も当たり前

そんな俺に「生きててくれた」か…

おもしれぇ!!

相馬

ったりめぇだ!!
誰が死ぬかよ!!!

喉痛え…

声はガラガラだった

麻野

後は任せろ?

相馬

おうよ……!

俺は……そうたいした人間じゃない

助けてもらえるなんて思わなかった

屈辱的……だな

まぁでも悪くねぇな

相馬

麻野ぉぉおおお!!!

相馬さんっ!
それ以上叫ぶと…

喜久山

そうですよ!!喉が!!

その時声は聞こえなかった

相馬

勝てよ!?!?麻野ぉお!!

麻野

へっ……

麻野

こりゃー負けれねぇな!

俺はグッジョブの手を出した

麻野は汗だらけの顔をすましたまま

俺にグッジョブを返した

相馬

ヘヘ……!

相馬さん!?相馬さん!!

喜久山

麻野!!相馬さんの意識が飛んだ!

麻野

!?

麻野

相馬お前そんなになるまで……!

喜久山

どうする!?麻野!

麻野

森と喜久山は相馬の手当を頼む

麻野さんは!?

麻野

俺はコイツをやる

お前……よくも僕を蹴ったな…!?

殺す殺す殺す殺す殺す殺す

死に損ないもお前みたいなゴミ共も!!!!!

あああああああああああああ

麻野

こいよ……鬼さん

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