アレクサンドリア
エリー
エリー
私はスフィア家のただのメイドだ
けれど「ある曲」が流れると
ただのメイドでは無くなる
〜♪
屋敷中を美しいクラシックの音色が響き渡る
来た…合図だ
エリー
ジョージ
ジョージ
エリー
エリー
ジョージ
ジョージ
今だけは愛しい人(シェリー)と呼んでくれる
この時間が愛おしくてたまらない
エリー
エリー
ジョージ
ジョージ
この時だけは愛に溺れる事が出来るの
シューマンの「謝肉祭」
実らなかった恋の相手への曲だ
まさに私にピッタリね
エリー
エリー
ああ、駄目だ
この曲を一人で聞いているだけで
彼に抱き締められているような気がして
胸が…疼くの
ジョージ
ジョージ
エリー
エリー
いつものクラシック
いつもの甘いキス
アレクサンドリア
アレクサンドリア
数十年後
あれからどうなったのかはあえて語らないわ
エリー
男の子
男の子
エリー
エリー
彼はいないのに
まだ、この曲を聞くと
胸の疼きが止まらない
エリー
エリー
まるで、ベルを鳴らしただけでよだれを垂らす
犬のよう
でも私は犬のままでいい
この疼きを消したくなんかない
コメント
8件
主人公にとって、謝肉祭が流れる時が1番幸せだったのかな… 個人的に、なんだか考えさせられるお話でした。
パブロフの犬って「条件反射」の証明(?)をした犬ですよね…愛のあるお話で面白かったです!