ill
lan
lan
クローゼットの中には今俺が着ている服と黒のパーカーが大量に入っていた
それだけでは無い
過去の卒アルだと思う物から俺が映っている写真を切り抜いた物が写真立てに飾られ
無数の段ボールの中の1つはぶどう味の飴
1つは大量の絆創膏
1つは大量の包帯
1つは大量のピン留め…?
1つは大量の薬
薬が出てきてから怖くなって段ボールは漁っていないが
まだ大量に段ボールがあった
クローゼットの奥にはまだ何かあるみたいだった
いくのか? これを見てなおこの先を見るのか?
俺は未来で後悔していないか?
頭では分かっていた
この先のモノは目に入れてはいけないと
触れてはならない事実だと
体が動いてしまうのだ
人間好奇心には打ち勝てない物だ
恐怖は俺の心からとっくに消えていた
気付いた時俺はクローゼットへ手を伸ばしていた
らんには言った
「クローゼットは駄目」だと
見られたく無い物があるなら部屋になんて入れない
つまり見て欲しい
駄目だと言われたモノは見たいだろう
らんのことだ 確実に見るだろう
クローゼットを開けて
その先へと手を伸ばすだろう
見ろ
俺を
俺の心を
俺の愛情を
その身体で受け止めて
恐怖と興奮に襲われて
心臓を振るわせて
俺という存在に畏怖し
全ての意識感情を俺に
俺だけに注ぎ込んで
もう後戻りが出来ないように
後悔なんて残らない程に
俺がお前を愛と闇で
覆って包んで隠して
俺だけのモノにしてあげるから
ill
その手が先に進めば進む程俺の手は震え、
俺の頭はもっともっとと呼びかける
興奮と恐怖の波が押し寄せ潰れそうになって
息は荒れ
汗は溢れ
頬は紅潮し
心臓は大きく脈打った
lan
その手に触れた金属の触覚
俺は扉を開いていた
コメント
2件
…すぅっ え?📢くんの考え僕の癖にどストライクすぎる… 続き待ってます( *´꒳`* )