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日
猫
四月の某日、父が亡くなった。
小さい頃は興味もなかった埃っぽい父のタンス。 今日はここを整理します。
几帳面な父からは想像もできないようなぐちゃぐちゃしているタンス。大切そうな書類も忘れられたように放り投げ捨てられていた。 四角の窓から差し掛かる夏に差し掛かろうとしている春の日差しがうざったらしく自分の肌を焼いて嫌でした。
そのとき、弟の声が私の背中をたたいた。
猫
日
猫
人差し指を立てウインクをしながらいう彼に苦笑いしか返せなかった。父がいなくなったというのに弟は何も変わらないのに少し安堵したのかもしれない。
彼は私を手招きして一緒になって封筒を開けた。
中を傷付けないように封筒の上の方にカッターをあてて、切った。
焼けた跡なのかお茶でも零したのか、ところどころ汚くてすこし癪でした。
猫
手紙を開く。 パサリという音が静かな部屋に沈む。
「拝啓、最憎なる君へ」
幼児が書いたような拙い文字には少し不穏な始まり方で手紙を握る手にこもる力が強くなりました。
「あの日、君は████って━た。 逃げること━━━たはず█のに、君は—— █████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████ 君█選択は、多く━━━わ█せた。 私██は、その結━━━━━━るしか█かった。
もうほとんど読めなくなってしまった手紙は申し訳なさそうにしおれていた。
日
猫
太平洋戦争を経験した父ならこんな手紙なんてざらにあるだろうが、なぜかこの一枚だけが私たちの心の中にこびりついて嫌でした。
それでも弟は気にもしない様子で膝の汚れだけ払って立ち上がった。
猫
猫
日
そうはいったもののすっかり心残りになって棄てるものとは別の場所にとっておいた。
弟はたまに「あー!懐かしい~」とか「なにこれ!気持ちわる!!」とか声をあげながら趣味の悪い父の遺品を楽しそうに眺めていた。
日
日
猫
戦争に関するものはすべて燃焼されたのか、父が必死に忘れようとしたのか、殆どなくなってしまった。 ただ、彼の好きそうでもない書物や私たちの思い出の品は残っていたのが少し意外だった。
日
猫
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そういうと彼はそこにあった軍服を自分の体に当てて笑ってみせた。
猫
日
最後に彼の軍服姿を見たのはいつだろうか。彼に飼ってもらったデジタルカメラに映るものは殆ど和服だった。それが少し悲しくて。
塵犬
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コメント
1件
この絶妙な空気感が好きだ 猫君割と毒あって可愛い 分かる、界隈曲って意外と創作意欲沸いて来るよね