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僕の名前は、速水泰輝。
小林
速水
今、兄貴とカチコミが終わって食事の真っ最中の天羽組若手組員だ。
小林の兄貴に【ヒトクイ】と正体がバレてからはこの奇妙な関係となっている。
兄貴は誰にも僕のことは報告せず、 カチコミの時は僕を(強制的)連れてこうして暴れた後は食事に付き合ってくれる。 ……毎回膝に乗せられて餌付けされてることは慣れないが。
食事が始まったらその美味さに夢中になってしまう。
速水
速水
小林
小林
速水
次のお肉に齧る前にそんなことを聞かれる。
小林
一気に小林の兄貴の目が冷たく、 圧力が増す。 何やら嫌な方向に誤解されているかもしれない…!
速水
速水
小林
速水
さっきまで肉を切り分けていたナイフで僕の頬にぺちぺちと叩かれる。
僕はまだ死にたくなかったので一生懸命舌を動かした。
僕の両親からネグレクトをされていた。 物心ついた時には普通の食事を受け付けなかった僕のことを面倒くさがり、 お金は置いてくれたが常に放置をされている状況。
水で空腹を紛らわせたり、 生命の危機を感じたら仕方なく冷蔵庫の市販の生肉を齧ってた。
だけどそんなことも長くは続かない。
僕は空腹のまま、 夜の街を彷徨う。
幼い子供が夜出歩いても、 誰も気にしない。
速水
路地裏でとうとう座り込んでしまい、 腹の音をぼんやりと聞いていた。
⁇
⁇
速水
僕に声をかけてきたのは怖そうな目のおじさん。 無精髭に煙草を咥え、 僕を見下ろしていた。
おじさん
直ぐ近くのビルの扉が空いている。 そこのひとなんだろう。 一服しに出たら子供がいて声をかけてきたのか…
速水
速水
おじさん
速水
おじさん
おじさん
そのおじさんは僕の腕を掴んで雑居ビルの中に入った。
速水
そこは小さなレストランだった。
席は最小限。 外には看板らしいのも見当たらない。
おじさん
おじさんは厨房に行くと、 直ぐに戻ってきた。 手には…炒飯?だったかな。
おじさん
速水
勿論、僕は食べれない。 色んなのが混ざっていたソレに冷や汗がダラダラ出てしまう。 よっぽど真っ青な顔をしていた僕におじさんは眉を顰めた。
おじさん
おじさん
おじさん
おじさん
おじさんはまた厨房に戻ってしまう。 暫くして色々な音が聞こえたがその時僕の鼻腔に嗅いだことがない… だけどとても美味しそうな匂いがした。
速水
速水
おじさん
おじさん
目の前に出されたのは何かの肉を良く焼いて小さく切り分けられた料理。
速水
速水
速水
今まで口にした中で一番美味しかった。 焼いたおかげで肉汁が噛めば噛むほど溢れて、キチンと下処理したおかげか子供でも簡単に噛み切れるくらい柔らかい。
速水
泣くほど美味しいってあのことだろうな。
でもそんな僕におじさんは複雑そうに… でも不器用に頭を撫でてくれた。
おじさん
速水
おじさん
おじさん
速水
速水
おじさん
おじさん
おじさん
おじさん
おじさんは、人肉専門の裏の料理人だった。
それは僕がもう少し成長してから意味をちゃんと理解する。
おじさん
速水
おじさん
おじさん
速水
速水
おじさん
速水
おじさん
おじさん
速水
速水
小林
速水
速水
速水
小林
小林
小林
速水
速水
兄貴の瞳に射殺されそうになりながら弁明するとようやく小林の兄貴は圧をかけるのをやめてくれた。
小林
小林
速水
小林
小林
速水
速水
学生の頃だったか、 その頃からおじさんにこんなことを言われ始めたなぁ。 『……泰輝、おまえ人肉食う時は気をつけろよ…』 『なんか……おまえの食い方ってえろ……いや、なんでもねぇ…』
複雑そうな… でも心配する親みたいなおじさん。
速水
速水
小林
おしまい!