TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

僕の名前は、速水泰輝。

小林

あーんっ

速水

あー……ん、もぐもぐ…

今、兄貴とカチコミが終わって食事の真っ最中の天羽組若手組員だ。

小林の兄貴に【ヒトクイ】と正体がバレてからはこの奇妙な関係となっている。

兄貴は誰にも僕のことは報告せず、 カチコミの時は僕を(強制的)連れてこうして暴れた後は食事に付き合ってくれる。 ……毎回膝に乗せられて餌付けされてることは慣れないが。

食事が始まったらその美味さに夢中になってしまう。

速水

もぐもぐ…っはぁ♡

速水

(今日も外道の肉は美味しい♡)

小林

………おまえさぁ、

小林

うちに来る前はどうしてたんだ?

速水

え?

次のお肉に齧る前にそんなことを聞かれる。

小林

カタギじゃ人肉なんて調達無理だろ
裏にツテがねぇと……まさか…

一気に小林の兄貴の目が冷たく、 圧力が増す。 何やら嫌な方向に誤解されているかもしれない…!

速水

ちちち違いますッッッ

速水

決してカタギに迷惑をかけるようなことも犯罪もしてません‼︎‼︎

小林

……じゃあどうしてたんだ?
嘘ついたらグリンな

速水

ひぇ…

さっきまで肉を切り分けていたナイフで僕の頬にぺちぺちと叩かれる。

僕はまだ死にたくなかったので一生懸命舌を動かした。

僕の両親からネグレクトをされていた。 物心ついた時には普通の食事を受け付けなかった僕のことを面倒くさがり、 お金は置いてくれたが常に放置をされている状況。

水で空腹を紛らわせたり、 生命の危機を感じたら仕方なく冷蔵庫の市販の生肉を齧ってた。

だけどそんなことも長くは続かない。

僕は空腹のまま、 夜の街を彷徨う。

幼い子供が夜出歩いても、 誰も気にしない。

速水

………おなか……すいたよ……

路地裏でとうとう座り込んでしまい、 腹の音をぼんやりと聞いていた。

おい

ガキ、こんな時間に何してんだ

速水

………

僕に声をかけてきたのは怖そうな目のおじさん。 無精髭に煙草を咥え、 僕を見下ろしていた。

おじさん

さっさと帰んな

直ぐ近くのビルの扉が空いている。 そこのひとなんだろう。 一服しに出たら子供がいて声をかけてきたのか…

速水

(グウウウッ)

速水

おじさん

………腹減ってんのか

速水

…あ、の…ごめんなさい…

おじさん

……よく見たらおまえ、痩せ過ぎだな…顔色も悪い

おじさん

…ちょっとこっちこい

そのおじさんは僕の腕を掴んで雑居ビルの中に入った。

速水

(キョロキョロ)

そこは小さなレストランだった。

席は最小限。 外には看板らしいのも見当たらない。

おじさん

適当に座ってろ

おじさんは厨房に行くと、 直ぐに戻ってきた。 手には…炒飯?だったかな。

おじさん

俺の賄いだ…食え

速水

………ッ

勿論、僕は食べれない。 色んなのが混ざっていたソレに冷や汗がダラダラ出てしまう。 よっぽど真っ青な顔をしていた僕におじさんは眉を顰めた。

おじさん

あ?ガキなら炒飯好きだろ

おじさん

…………

おじさん

おまえ……まさか…

おじさん

ちょっと待ってろ

おじさんはまた厨房に戻ってしまう。 暫くして色々な音が聞こえたがその時僕の鼻腔に嗅いだことがない… だけどとても美味しそうな匂いがした。

速水

(な、なんだろ…)

速水

(いいにおい…?)

おじさん

ほら、

おじさん

これなら食えるだろ

目の前に出されたのは何かの肉を良く焼いて小さく切り分けられた料理。

速水

……ッ

速水

(ぱく)

速水

!おいしい…ッおいしいよ…ッ

今まで口にした中で一番美味しかった。 焼いたおかげで肉汁が噛めば噛むほど溢れて、キチンと下処理したおかげか子供でも簡単に噛み切れるくらい柔らかい。

速水

うぐ…ふ…おいしい…ッ(ポロポロ)

泣くほど美味しいってあのことだろうな。

でもそんな僕におじさんは複雑そうに… でも不器用に頭を撫でてくれた。

おじさん

おまえ、【ヒトクイ】か

速水

おじさん

いや…なんでもない

おじさん

美味しいか?

速水

うん…っうんおいしいっ

速水

ぼく、こんなおいしいごはんはじめて!

おじさん

……そうかい…

おじさん

…そんな純粋にうまいって言われたのは……久しぶりだな…

おじさん

ボウズ、俺は料理人だ

おじさん

だが、俺の料理を食いたがるのは人間を食いたいっていう変態金持ちや…おまえみたいな人間しか食えない奴等だ

おじさんは、人肉専門の裏の料理人だった。

それは僕がもう少し成長してから意味をちゃんと理解する。

おじさん

…ここにくればおまえが食べれる飯を用意してやれる

速水

!またきていいの

おじさん

だが、誰にも内緒だ

おじさん

俺は別に捕まろうが怖くねぇが…おまえのためだ

速水

速水

うん?わかった!ないしょだねっ

おじさん

……名前は?

速水

たいき!

おじさん

俺は……いや、おじさんでいい

おじさん

たいき、また飯食いに来い…

速水

それで暫くはその料理人のおじさんに人肉を用意してもらって……

速水

あ!その時に外道の肉しか口に出来ないこともわかったんでッッッ
犯罪はしてません‼︎

小林

(そのおっさんは犯罪してんだろ)

速水

その人、世界中で仕事していて…レストランの鍵をもらって居ないときは俺が好きに出入りしていいっていわれました

速水

…この世界に入る時には、鍵は返しました

速水

今も、料理をしてるのかなぁ…

小林

………

小林

(人肉専門料理人……聞いたことあるな)

小林

(マフィアや貴族に囲われてる闇料理人…まさかそいつが?)

速水

その人は俺の命の恩人です….

速水

う、嘘ついてませんからね⁉︎

兄貴の瞳に射殺されそうになりながら弁明するとようやく小林の兄貴は圧をかけるのをやめてくれた。

小林

嘘はついてないな

小林

じゃあ、よーしっ

速水

た、助かった…

小林

速水ぃ

小林

ほら食えーっ

速水

あぐ⁉︎いきなり…っん、おいし…っもぐもぐ…

速水

(そういえば…)

学生の頃だったか、 その頃からおじさんにこんなことを言われ始めたなぁ。 『……泰輝、おまえ人肉食う時は気をつけろよ…』 『なんか……おまえの食い方ってえろ……いや、なんでもねぇ…』

複雑そうな… でも心配する親みたいなおじさん。

速水

(あれってどう言う意味?)

速水

んぐ…もぐもぐ……うまぁッ♡…んっ…

小林

(こいつマジ食ってる時エロいなぁ)

おしまい!

この作品はいかがでしたか?

44

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚