おれは持て余している時間を どう過ごそうか
そればっかり考えていた
時間が経つのが凄く遅い
カナタ
雨…
カナタ
体は至って健康 だと思う
だからこそ じっとしていることに 耐えられない
コンコンコン
ドアを叩く音がした
カナタ
どうーーぞーーーー!
母上
カナタ
ははうぇぇぇええええ!
誰かが来てくれたことに 喜びを爆発させた
母上
元気じゃない
カナタ
体力有り余ってる感じ~
母上
アナタ結構重傷だったんだから
母上
カナタ
ぶぅ~
小さい子供かのように甘えた
母上
カナタの好きなお団子と
お饅頭と
羊羹ね
カナタ
いつから和菓子好きに
カナタ
母上
カナタ
母上
カナタ
カナタ
母上
カナタはやっぱり
面白いわねぇ
母上
カナタ
ますよね?
カナタ
母上
喜びって言うのかしら?
カナタ
母上の笑顔は嫌味がなく 本当におれへの優しさ
そう言うことだというのは よくわかっていた
こんな明るい親だから おれは救われてる気がする
カナタ
全部くうもん!
母上
男前!
カナタ
当たり前
母上
カナタ
ぴえん
こんなくだらないやり取りが 凄く楽しかった
母上
もうこんな時間ね
母上
カナタ
やったね!
母上
今回はすごくそわそわして
母上
何度言ったかわからないわよ~
カナタ
見てみたかったな~
母上
カナタ
母上
帰るわね~
カナタ
カナタ
お待ちしております!
母上
またねぇ~
お互い手を振りながら おれは母上を見送った
カナタ
マジ想像できねぇ
カナタ
母上と一緒におれが居なかった時間が どうだったのか聞いて 色々な思いを馳せた
また暇な時間… 楽しかったことが短く感じて その後のギャップで 限りなく時間が過ぎるのが遅く感じる
カナタ
カナタ
時間掛かるかな…
誰か こないか こないかと ひたすら考えた
…
ない
コンコンコン
カナタ
カナタ
どうぞ!
カナタ
遠慮なく入って下さい!
誰だろう
ゆっくりとドアが開いた
ヒカル
カナタ
ヒカル!
ヒカル
ヒカル
我慢できなくて…
カナタ
ヒカルらしくない
ヒカル
カナタ
ヒカル
カナタ
こっちのセリフだけど(笑)
ヒカル
そうだね
少し肩で息をしながら きっと急いで来たんだろうな って手に取るようにわかる
そんな姿を誤魔化そうとしてる 端々の仕草が 凄く可愛かった
ヒカル
メッセージでからかって
ヒカル
ちょっと怒っちゃったよ
カナタ
カナタ
本気にされるなんて
思わなくて
ヒカル
目の前で膨れるヒカルが 何だか新鮮にみえた
カナタ
来てくれて
ありがと
ヒカル
僕も凄く会いたかったし
ヒカル
ヒカル
聞けない日々が
すごく寂しくて
カナタ
ごめんよ
ヒカル
今こうやって
話が出来ることが
ヒカル
だからいいよ
カナタ
意外と実感なかったり
するんだよなー
ヒカル
元気だから言えるんだよ!
カナタ
へへへ
ヒカル
ヒカル
カナタ
もうさ
カナタ
すげー雨だったから
カナタ
気分が台無しだったよ(笑)
ヒカル
何となくやっと晴れたなー
って感じ
日が差してきて 夕日が病室を段々と 朱色に染めていった
窓に向かって立つヒカルを見ていたら 無性に抱き締めたくなった
カナタ
カナタ
ヒカル
ヒカル
カナタくん…
おれはヒカルの背中から 抱き付いた
ヒカルは少し俯いて
おれの両手を握った
カナタ
ヒカル
ヒカル
ヒカル
ヒカル
カナタ
心配させて
カナタ
居るから
ヒカル
ヒカル
心配したんだよ
ヒカルの肩が小刻みに 震えていて
細い声を出しながら 泣くのを我慢してるんだろうな
そう見えた
カナタ
カナタ
ヒカル
うん…
目の前におれが居るのに 凄く苦しそうな顔だった
相当気持ちを 疲弊させてしまったんだな
カナタ
カナタ
おれはヒカルの顔に手を当てて
おでこを付けた
ヒカル
カナタ
ヒカル
カナタくんがぼくの背中から 抱き付いてきた
その瞬間不安だった気持ちが 安堵となり
抑えていた気持ちが溢れ出しそうに なっていた
カナタ
カナタくんはぼくを 自分の方に向かせると
両手をぼくの頬に当てて おでこ同士をコツンと当てた
カナタ
ヒカル
本当は今にも泣き出しそう だったけど
すごく 凄く 我慢した
カナタ
我慢しているせいか カナタくんの顔を見れなかった
カナタ
そう 囁くと
俯き気味のぼくに キスをしてくれた
ヒカル
ん…
優しく包んでくれるような…
柔らかいキスだった
そしてカナタくんは ぼくを強く抱き締めた
ヒカル
ヒカル
本当に…
ヒカル
ぼくの言葉を聞いたカナタくんは ぼくを抱き締める力を更に強めた
カナタくんの気持ちが ぼくの中に 入り込んで来るかのようだった
カナタ
ヒカル
ぼくは目を潤ませながら 笑顔で彼の顔を見た
カナタ
笑ってる顔が
カナタ
ヒカル
えへへ…
ヒカル
カナタ
カナタくんの言葉の次が出てくるまで 少し間があった
ヒカル
ヒカル
カナタ
他の奴に
カナタ
ヒカル
カナタ
なっ!
なんでもないよ!
ヒカル
ききとれなかった…
カナタ
いい!なんでもない!
本当に小さい声で 聞き取れなくて
もう一回言って欲しかったのに
カナタくんは何を言ったのか 教えてくれなかった
でも悪い事じゃないっていうこと それだけはわかった
ヒカル
へんなの~
カナタ
おれは 本音を言ってしまった
ただ恥ずかしすぎて
格好つけてる自分が むず痒すぎて
ハッキリ言えなかった
カナタ
ヒカル
僕もそろそろ帰らないと…
カナタ
もう少し
居て欲しい~~~~~~~
ヒカル
困っちゃうなぁ
ヒカル
怒られちゃう
カナタ
ヒカル
帰るね
カナタ
ヒカル
まだ万全じゃないでしょ?
カナタ
元気だけど!
少しでも一緒に居たい気持ちだけで ゴリ押しした
ヒカル
じゃあ…
ヒカル
カナタ
並んで歩くとやっぱり ヒカルはイケメンだと 再確認
どの角度でも 惚れ惚れする
ヒカル
ヒカル
顔に何かついてる?
カナタ
イケメンだから
カナタ
何度見ても
何処から見ても
カナタ
ヒカル
やめてよっ
ヒカル
カナタ
みる!
ヒカル
いくらでも目に焼き付けて 脳みそに保存してやる
そんな目で見てると 少し目を逸らされたけど そこがまたかわいい
ヒカル
カナタくん!
カナタ
ヒカル
カナタ
まじでぇ~~~~
ヒカル
うん
ヒカル
退院出来るんだよね?
カナタ
ヒカル
カナタ
ヒカル
カナタ
ヒカル
カナタ
そうしてヒカルは帰っていってしまった
カナタ
不便だぁ
おれは少し拗ねながら 病室へもどった
カナタ
ため息交じりに ドアを開けた
父上
カナタ
父上
父上
目が覚めたと聞いたから
カナタ
バッチリ生きてますょ!
父上
よかった
カナタ
父上~~!
父上
流石に息子が
刺されたとなれば
父上
立派でもないし
父上
カナタ
おれは恥ずかしげもなく 抱き付いた
父上はちゃんと受け止めてくれた
父上
なにやってんだか
カナタ
でも久しぶりに父親を感じた気がした
この包容力はやっぱり大人だなぁ そう感じると共に
自分はやっぱり子供なんだなと 改めて思った
父上
父上
カナタ
ましてやいつも静かで 大人しい父上だから 何か嬉しかった
父上
心配するから
父上
カナタ
ありがとう父上!
父上
今日最後の来訪者を 見送る
カナタ
父上
はずだった
カナタ
父上
カナタ
父上
カナタ
いたい…
父上
ナースコール
父上は冷静だった
広坂さんどうしました?
父上
息子がお腹が痛いとのこと
なので
父上
わかりました すぐいきますね
父上
すぐくるからな
カナタ
……ぅうう…
看護師
すぐ看護師さんが来てくれた
看護師
カナタ
傷口あたりの
奥って言うかぁ~~~~
看護師
う~ん
おれの腹痛は
起きてすぐ 興奮して動きまくったせいだった
父上
看護師
くださいね~
父上
ありがとうございます
看護師
無理なので
看護師
看護師さんは少し笑いながら 説明してくれた
カナタ
早く学校行きたい~
父上
お前が悪いからな
カナタ
看護師
運ばれたときに
少し頭も打ってたので
看護師
看護師
大人しくしててくださいね
カナタ
父上
息子がご迷惑を…
看護師
当たり前のことです
看護師
父上
看護師
呼んで下さいね
カナタ
父上
カナタ
はいっ、、、
しずかぁ~~~に 名前を呼ばれた…
父上
カナタ
父上
俺より先に
父上
息子が入院
父上
退院出来ないなんて
カナタ
えっ!?
カナタ
父上
よく知っているだろう
カナタ
そ、そうなんですけれどもぉ~
カナタ
カナタ
大丈夫だよ
父上
父上は微笑みながらおれの 頭を撫でた
カナタ
なんか照れる
父上
これ以上心配させないように
父上
カナタ
父上
また来る
カナタ
そう言い残し 父上は病室から出て行った
カナタ
父上の意外な一面みた感じで
カナタ
少し心が躍りながら 消灯にはおれは寝ていた
10日も寝ていたからきっと 疲れていた






