チロ
ねえ、猫又って何⁉
猫
えっ...
僕は真実を
知りたくて
勢い余ってしまった
猫
な...なんで?
チロ
だって僕が...
もう続きは
良いようだ
彼女はこれ以上無いほど
怯えてしまっているから―
彼女は気がついたころには
居なくなっていた
それからというもの
島に居る猫たちは
僕をのけ者にし始めた
どうやら
ネコマタは相当
恐ろしいものなんだろう―
ただその中で
僕をじっと見つめる猫がいた
ナル
...
それは冷たい目ではない
暖かい目はちょっと違う
複雑な気持ちのこもった
視線なんだ
チロ
こんにちは
ナル
...
ナル
こんにゃちわ
猫
その猫は猫又よ‼
ナル
...
チロ
?
ナル
ちょっとこっち来て...
チロ
う、うん
僕はナルと走り出した
ナル
実は私も...
ナル
猫又なんだ...
チロ
えっ‼
嬉しいような
可哀想みたいな
思いがほとばしった
ナル