帰ってきたのが午前3時前後で、 俺はきんときと家に帰った後は、泥のように眠った。
朝になると俺は、誰かに揺さぶられて起きた。
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息を巻いて興奮した表情の彼が朝一番目に入る。
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俺は、きんときから今日の朝には戻ることを知っていた。
それでも俺は、気付けば喜びで彼を抱き締めていた。
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視界が涙で滲んでいく。
彼も少し泣いていた。
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俺の鼻には、優しい、彼の匂いがした。
感覚を失って数日、俺達はこの生活に慣れていったが、 それでも光が恋しくなることがない訳ではなかった。
彼の表情も見えないし、情報を集めるのにもろくに関われず……
「俺はこのまま一生、光が見えることはない。」
「いつか」「もし」なんて、 期待なんてしないほうがいい。
じゃないと、気持ちの我慢ができなくなってしまうから。
明日もきっと、暗闇の世界なのだろう。
そう思って俺は今日も明日を迎える。
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朝目覚めると、そこには見慣れた風景が広がっていた。
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今まで彼と過ごした部屋。
そして隣には、まだ眠る彼の姿があった。
彼の顔を見ると、俺は気付けば泣いていた。
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あまりにもきれいすぎる寝相、目を閉じていてもわかる仏頂面……
別に会ってない訳でもなく、数日目で見れなかっただけだが、 とても懐かしい感じがした。
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俺は彼を揺すって、起こそうとした。
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顔を少し歪めて、ゆっくりと彼は目を開ける。
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彼はとても驚いた様子で、固まった。
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彼は自分の耳に手をあてている。
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くだらないやりとりだったけど、俺達は吹きだして二人で笑った。
そうだ、最近スマイルとろくなコミュニケーションもできていなかった。
こうして二人で普通に話せるのが本当に嬉しかった。
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実際、光のない俺の視界にはいつも一人ぽつりと彼が立っていて、 数日間目が見えていなかったとは思えないくらい、 見慣れている気さえしていた。
俺の想像だったけど、彼がずっと頭の中にいることで 俺は視覚を失っていても、あまり寂しさは感じられなかった。
それに……
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その後少し、沈黙が続いた。
俺はふと、彼にいたずらを仕掛けてみた。
彼の顔を引き寄せ、その頬に、そっと口づけをする。
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俺がそう言うと、彼の顔はみるみる赤く染まり、彼は口を手の甲でおおった。
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真っ赤になる彼をからかう。
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そう言って彼は、顔を背けた。
こりゃしてくれないな、と俺は諦めてベッドから出ようとした。
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そう言いかけた時、俺は彼に胸ぐらを捕まれて彼の方へ引き寄せられる。
すると俺の唇に、柔らかいものが触れた。
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彼はそう言って"あの笑顔"を浮かべ、笑った。
あの、いつもの無愛想な顔からは想像のできないほど柔らかい笑顔。
最近は俺の記憶と想像でしか見たことがなかった。
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今度はちょっと顔を赤くして、怒った。
彼は思ったより表情がコロコロ変わる。
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お互いをなくしたあなたと私は、今、"二人"を取り戻した。
そして俺は今、本当の"スマイル"の前にいる。
みんなの感覚を、戻るようにした。
もっと早くしていればよかった、そもそもこんなことしなければよかった なんて、そんな後悔がずっと心の中に渦巻く。
近いうちには、みんなに言って謝りたい。
ぶるーくにも、ちゃんと説明して、謝りたい。
そう思って俺は、眠りについた。
俺が目を覚ますと、彼はもう起きていた。
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……おれが奪ったのに、俺のせいなのに
俺は彼の声が聞こえることに感動していた。
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彼はいつものふわふわした口調で言って、咳払いをした。
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彼は疲れたというよな表情で言った。
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俺のせいで……彼は、みんなは……
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彼はそう言って俺を抱き寄せて、俺の頭を撫でた。