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帰りの電車の中俺は、ニキニキの顔を見れずにいた

ニキニキも何やらスマホで仕事の連絡を返したりしているから、なかなかこちらを向かない

りぃちょ

(黄色の水仙……)

りぃちょ

(花言葉は…愛して欲しい、私の元に帰ってきて、愛に応えてください……)

りぃちょ

(今の俺の心を全部表してる……)

りぃちょ

(つたわるかな……)

黄色い水仙の花言葉は、昔姉ちゃんがそういうのにハマった時に聞かされた

ロマンチックだよねぇとか言って聞かされたのがやけに頭に残っていた

ボーッと車窓を見ながらそんなことを考えていると、作業を終えたらしいニキニキに呼ばれた

ニキ

りぃちょ

りぃちょ

んぁ?なに?

ニキ

何その声ww

ニキ

間抜けすぎん?ww

りぃちょ

言い方酷くない?ww

いつもの調子で返すと、ニキニキは少し安心した顔になった

ニキ

さっきの…大丈夫かなって

りぃちょ

あーあいつの事?

ニキ

まぁ……そうね

りぃちょ

いいんだよもう

りぃちょ

終わったし

ニキ

そんなアッサリで後悔しない?

りぃちょ

しないよ

りぃちょ

そんなことよりさ

ニキ

ん?

りぃちょ

花言葉、調べた?

ニキ

あーそうだった

ニキ

水仙……黄色……花言葉っと……

ニキニキが調べているあいだ、俺は再び窓の外に視線を向けた

どういう反応が帰ってくるのだろうか

ニキ

ぇ?

ニキ

お前……これ知ってて言ってる?

りぃちょ

ん?

りぃちょ

どれ?

ニキ

花言葉

りぃちょ

愛して欲しい

りぃちょ

私の元に帰ってきて

りぃちょ

愛に応えてください

りぃちょ

どれ?

ニキ

いやいや、全部だよ

ニキ

ってわかってんのか……

りぃちょ

わかってるよ

りぃちょ

それが俺の今の気持ちだからね

視線をニキニキに戻して、じっと目を見つめた

こんなにニキニキの顔を見つめたのはいつぶりだろうか

いつもは切れ長な目が、今はビックリしてまん丸になっている

りぃちょ

ニキニキってさぁ

りぃちょ

ほんとにカッコイイよね……

スルッと口から出てしまった言葉に、俺自身驚いた

ニキニキもさらに目を丸くさせていた

付き合ってた頃すらこんなこと言わなかったと思う

ニキ

……りぃちょ

ニキ

お前さ……

ニキ

俺を殺しに来てるの?

りぃちょ

なにそれww

ニキ

ちょっと手、かしてみ?

りぃちょ

ん?はい

言われるままに手を差し出すと、ニキニキの胸に手を持っていかれた

そこから感じる鼓動は、心配になるほど早くてそれが、どれだけ彼が動揺しているのかを伝えてきていた

りぃちょ

すっごww

りぃちょ

死にそうな速さじゃんw

ニキ

ほらな?

ニキ

お前、俺を殺しに来てるだろ

りぃちょ

そんなわけないでしょww

りぃちょ

りぃちょ

さっきのどう思った?

ニキ

花言葉?

りぃちょ

そうそう

りぃちょ

感想聞かせてよ

手のひらを自分の足の下に持ってきて、少し前傾姿勢になって、ニキニキの顔をのぞき込んだ

ニキ

さっきのじゃ答えにならん?

りぃちょ

なんないねぇw

りぃちょ

ちゃんと言ってくれなきゃ

ニキ

俺の家に行ってからじゃダメ?

りぃちょ

えー

ニキ

あーじゃあちょっとまって

そう言って、ニキニキはスマホをいじり始めた

ニキ

あーあったあった

ニキ

青のヒヤシンス

りぃちょ

ん?

ニキ

花言葉

ニキ

調べてみ?

そう言われて、俺もスマホを出して調べてみた

りぃちょ

え……?

ニキ

伝わった?

俺はスマホを見つめながら泣きそうなった

いや、画面が滲んで見えているからきっと涙が溢れてきている

りぃちょ

これって……

スマホから視線をニキニキに向けると、俺の大好きな笑顔でこちらを見ていてくれていた

りぃちょ

ニキニキ……

ニキ

ん?

りぃちょ

「変わらぬ愛」ってほんと?

ニキ

ほんと

ニキ

ずっと忘れられなかった

ニキ

あの日からずっと

ニキ

何をしててもお前を思い出してた

ニキ

未練タラタラでカッコ悪いだろ?w

自嘲気味に笑う彼だが、その姿すらカッコイイ

俺も余程馬鹿なんだな……と思った

りぃちょ

ニキ

ん?

りぃちょ

俺らまたやり直せないかな?

ニキ

んー?

ニキ

りぃちょはどうしたい?

りぃちょ

俺は……ニキニキがいい

りぃちょ

ニキニキといた時がいちばん楽しくて幸せだったから

りぃちょ

ニキニキの隣にいたい

ニキ

ふふ

ニキ

いいよ

ニキ

俺はずっとお前だけだったから

りぃちょ

ニキニキ……

ニキ

ん?

りぃちょ

あ……こっからは家で言う

ニキ

ふふ

ニキ

わかった

俺たちの間にあった少しの隙間はその瞬間からなくなった

早く家に着いて欲しい……そう願って仕方なかった

黄色い水仙の花(ニキりちょ)

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