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スクールカースト・デスゲーム

第3話 - スクールカースト・デスゲーム第3話

320

2021年07月11日

#ホラー

#デスゲーム

#友達

喜多南(Re,AER)

堂場

羊の通知が来た生徒は狼の生徒に殺される…

堂場

冗談にしてもタチが悪ぃ

西野

本当ですよ

西野

僕らのことバカにしてますな！

高田

底辺だからって理由で殺されるなんてありえね～

高田

これはもう、抗議しなきゃやってられないな～

堂場

世間に知られたら、この学校潰れるだろ

西野

炎上させてやりましょうよ

堂場

…鈴原どうしたんだ？

堂場

さっきから様子おかしいぞお前

鈴原

え？

鈴原

い、いや、そんなことないよ

西野

鈴原氏はいつもこんな感じですよ

高田

うんうん

高田

いっつもぼんやりしてるよね～

鈴原

おいおいひどいな

鈴原

（僕に届いたのは『狼』の通知…）

鈴原

（そんなこと、仲間に言えるわけない）

堂場

で、どうすりゃいいんだよこれ

西野

ゲームはもうはじまってるんですよね

高田

狼の奴らが、僕らを殺す…？

有栖川

な、何よその目

有栖川

確かに私たちは狼の通知が来たけど

有栖川

カフェの出店するんだから

有栖川

殺し合いのゲームは、そういうのが好きな奴らがやってればいいんじゃないの

有栖川

でしょ、桜音

桜音

殺し合いなんてしたくない…

堂場

うちのクラスの女子がまともで良かった～

鈴原

（そうだよな）

鈴原

（桜音さんに殺しなんて似合わない）

鈴原

（ていうか、普通の高校生が殺せって言われて）

鈴原

（いきなり殺し合いなんてできるわけが──）

底辺男子

ふざけんなよ！

底辺男子

なんで俺が底辺なんだよ！

底辺男子

こんなゲーム、バカバカし──

望月

ああ、君は羊なんだね

先ほどまで、フルーツをカットしていたナイフを、望月がおもむろに投げた。

鈴原

（望月！？）

──ドスッ

底辺男子

あ…？

生徒のこめかみに、ナイフが深々と突き刺さった。

堂場

はぁっ、はぁっ…

堂場

お前ら、もっと早く走れよ…！

高田

無理ぃ～

西野

大体、逃げるってどこに行けば…

鈴原

（…あっという間だった）

鈴原

（望月がクラスメイトを殺して）

鈴原

（僕らは逃げ出して）

鈴原

（そうしたら）

鈴原

（もう他のところでも殺し合いははじまってて）

鈴原

（たくさん生徒の死体が転がってる）

ドォンッ

どこかで、何度も爆発音が聞こえてくる。

鈴原

（監視カメラとチップで僕らの行動は把握されていて）

鈴原

（学校の外に逃亡しようとする生徒は）

鈴原

（きっと爆破されてるんだ…！）

鈴原

（こんなの、異常すぎる）

堂場

クソォ、なんなんだよ望月のヤツ！

堂場

ほんとに殺すなんて頭おかしいだろ！

高田

望月クンは紳士のイメージだったのにな～

西野

ほんと、がっかりですな

鈴原

望月くん、桜音さんを守るって言ってたし…

鈴原

自ら悪役を買って出たのかも

堂場

はぁ？

鈴原

だってさ、学園長の話が本当なら

鈴原

狼の通知が来た生徒も、危ないんだ

鈴原

期間内に羊を皆殺しにしないと

鈴原

狼も全員爆破されるって言ってただろ

堂場

ああ…

高田

そっか、誰かがヨゴレ役やらなきゃならないんだ

西野

桜音さんを守るためなら、すごい愛ですな

堂場

いやだからって、動くの早すぎんだろ！

堂場

なんだよあのナイフ投げ

堂場

あいつ殺し屋かよ！

鈴原

…………

鈴原

（正直、僕も驚いた）

鈴原

（望月くんが本当に桜音さんの死を回避するためにやってるなら）

鈴原

（敵わない）

鈴原

（僕は桜音さんのために誰かを殺すまではできない…）

西野

あ、あれ、みんな見てください

堂場

なんだ…？

西野

このクラスのたこ焼き屋、普通にやってますね

高田

ほんとだ、かぐわしい匂い～

高田

お腹空いてきた～

堂場

お前さっき腹痛いっつってたじゃんよ

高田

いやだって、学園祭といえばたこ焼きとか～

高田

お好み焼き、クレープ、焼きそば、カレー

高田

飲食店は全制覇したいなって～

高田

相当お金持ってきたんだよ～

堂場

こんな時に何言ってんだよ！

鈴原

いや、でも見てみろよ堂場

堂場

うん…？

鈴原

みんな無理して、笑顔作って催しをやってる

鈴原

客もみんな、わざとらしく盛り上がってる

鈴原

これってさ

鈴原

底辺の生徒に思われないようにじゃないか…？

西野

あ、そっか！

西野

通知の内容は自分しか知らないし

西野

一見、誰が羊で誰が狼かは分からない

西野

逃げたり怖がってる生徒は羊だってバレバレです

堂場

あーなるほど…

堂場

そういえばさっき、底辺だって叫んだヤツが殺されてたな

鈴原

それに、有栖川さんが言ってたろ

鈴原

普通は殺し合いなんてしたくない

鈴原

だからそういう生徒たちも

鈴原

学園祭を楽しんでるフリしてるんじゃないか

鈴原

過激な奴らが狩りをやってるけど

鈴原

そんなことできるの、一部だけだよ

鈴原

（僕だって狼になったけど）

鈴原

（殺しなんてできる気がしないわけだし）

高田

じゃあ僕らも底辺じゃない風にふるまえば

高田

バレないかも…？

高田

ほらぁ、みんなでたこ焼き食べたり～

高田

お化け屋敷に入ったりして～

堂場

だ、だよな

堂場

みんな、逃げるのはやめて

堂場

フツーに遊んでるフリしようぜ

鈴原

（確かに逃げてる生徒はバレバレだから）

鈴原

（あんまり必死に逃げまわるのは得策じゃなさそうだけど…）

鈴原

で、でもさ、堂場

男子生徒

あ、そこの君ら～

男子生徒

たこ焼きどうですか～？

男子生徒

試食におひとつどうぞ～

堂場

お、おう

高田

じゃあもらおうかな～

鈴原

待つんだ高田！

ヒュンッ──

たこ焼きピックを持った生徒が、高田に向けて串を突き立てようとしてきた。

咄嗟に鈴原が高田を突き飛ばし、串は空を切った。

高田

ひ、ひぃ、ひぃぃ！

堂場

お前、何すんだよ！

男子生徒

え、だって君ら底辺でしょ？

男子生徒

見りゃ分かるって

男子生徒

俺らのために死んでよ

男子生徒

早く羊全員殺さなきゃ

男子生徒

俺らだってやばいんだよ！

男子生徒

爆発なんて嫌だぁあああ！

鈴原

くそ、みんな逃げよう！

鈴原

（甘かった…！）

鈴原

（一見、狼か羊かは分からない、けど）

鈴原

（僕らのグループは明らかに底辺の雰囲気で）

鈴原

（真っ先に標的になってるのはそういう奴らだ）

鈴原

（爆発音も何度か聞いたし）

鈴原

（爆発した生徒を見たら、狼だって恐怖に陥る）

鈴原

（狼は全力で羊を殺しに来てる…！）

堂場

くそぉ、くそぉ！

堂場

俺ら見ただけでバレバレって

堂場

完全に詰んでるじゃねーかよ！

西野

あそこの男子トイレに隠れましょう！

堂場

うぅ、狭いな…

鈴原

でも、掃除道具入れなら

鈴原

閉まっててもチェックされないし…

鈴原

しばらくここに隠れてよう

高田

はぁ、はぁ…

高田

もうこれ以上走れない～

高田

僕はもう殺されるんだぁ～

鈴原

こんなところに4人で長時間じっとしてるなんて無理だろうし

鈴原

ここもそんなに長くはもたないよ

鈴原

少し休んだら移動しないと

高田

うぅ～嫌だぁ～

高田

怖いよ～

西野

死にたくないです…

西野

うっ、うっ…

堂場

お、おいお前ら泣くなよ

堂場

オレだって死にたくねえよ…

鈴原

みんな…

鈴原

（高田、西野、堂場と別行動すれば…）

鈴原

（僕は狼だし、殺されずに済む…）

鈴原

（って、何考えてんだよ！）

鈴原

（僕はこの学校に来て、やっと本当の友達ができたんだ）

鈴原

（見捨てられるわけないだろ！）

タッタッタッ…

鈴原

（足音…！？）

鈴原

しっ、みんな…！

鈴原

音を立てるな

鈴原

誰かトイレに入って来た…！

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