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rara🎼
nmmn注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️ 誤字脱字注意⚠️ 殺し屋パロ
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#16 深まる闇、浮かび上がる真実
雨の夜が、三日続いていた。
まるで空が、何かを洗い流そうとしているかのように。
だが、濁ったこの街の闇は、雨ごときでは流れない。
その日、“ロクショク”の六人は、それぞれ別の場所にいた。
そして、それぞれが別の形で、真実の欠片に触れ始めていた。
赫はカフェの奥で、一枚の封筒を見つめていた。
差出人不明。
だが中には、旧い写真と一通の手紙。
写真に写っていたのは、自分たち――ロクショクとして生きてきた日々の、ある一場面。
あの頃は、確かに全員が笑っていた。
信じ合っていた。
手紙にはこう書かれていた。
“本当に裏切ったのは、君じゃない” “けれど、君が沈黙した瞬間、すべては始まった”
赫は指先で写真を撫で、深く息を吐く。
思考が過去に引き戻されそうになるのを、必死で引き離す。
# 赫
桃は駅のホームで、ある任務の開始を待っていた。
手には新たな指令書。
そこに記された名前を見て、思わず鼻で笑う。
# 桃
書かれていたのは――黈の名前。
# 桃
スマホの通知が震える。
情報は錯綜していた。
誰が命令を出しているのかすら、はっきりしない。
# 桃
桃は缶コーヒーをゴミ箱に投げ入れ、静かに歩き出した。
翠はアトリエの奥で、新しいキャンバスを前に立ち尽くしていた。
だが今回は、何も描けなかった。
目の前には、ある内部報告のコピー。
そこには、こう記されていた。
“指令系統に、複数の分岐あり” “一部の命令が、既存の司令ラインと齟齬をきたしている”
# 翠
# 翠
独りごちる声は穏やかだが、目は鋭かった。
そして報告書の端に、自分の名前があることに気づく。
“翠:独自行動頻発。優先監視対象”
さらに続く一行。
“翠と黈は接触済。再確認の必要あり”
# 翠
瑞は夜の橋の上に立っていた。
冷たい風が川面を撫でる中、対岸のビルをじっと見つめている。
そこには、今――茈が潜伏しているはずだった。
だが、瑞の手元に届いた新たな記録は、それを否定する。
# 瑞
以前の瑞にとって、茈は最も合理的な“観察対象”だった。
でも今、その動きには矛盾があった。
# 瑞
その言葉が、自分に跳ね返る。
この数日、彼は“撃たなかった”という選択を何度も記録されていた。
# 瑞
茈は、郊外の廃ビルに身を潜めていた。
古い手帳をめくる指先が、止まる。
そこには、過去の任務とともに、別の動きが記されていた。
“第三系統、存在の可能性” “既存の命令系統とは異なる、影の指示”
ページの片隅にあったのは――黈の名前。
# 茈
静かに目を閉じる。
# 茈
そのころ、黈はひとり、沈黙の中にいた。
情報の流れを読みながら、ある選択肢に手をかけていた。
ディスプレイには、六人全員の行動履歴。
そして、新たな指令の通知。
みことは、それをしばらく見つめたのち――キーボードに指を伸ばし、しかし送信の直前で止める。
# 黈
六人の視点が、徐々に交差し始めていた。
それぞれが、真実の断片を掴みかけている。
だが、真相はまだ濃い霧の中。
「誰も信じられない」と思う一方で、「誰かを殺すことへのためらい」が確かに残っていた。
静かな狂気と、裏切りと、信頼のかけら。
今、分岐点に立っている。
#16・了
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𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡170
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コメント
2件
笑いあっていた日々の写真を見て、赫くんはどう思ってんだろ… また過去に戻りたいのかな…? それとも、自分の沈黙から始まった事による罪悪感…?? でも、〇すことへのためらいがあるなら、笑いあった日々に戻りたいってのは合ってんのかな…? 続き予想するのがあまりにも難しすぎる…楽しみです!!!