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rara🎼
nmmn注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️ 誤字脱字注意⚠️ 殺し屋パロ
rara🎼
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#17 告白の銃声、選ばれた離反者
――雨が降っていた。
細かく、冷たい雨。
空は重く沈み、街の輪郭すらぼやけるほどに。
その夜、茈は廃ビルの屋上にいた。
濡れた手帳を膝に載せ、ページをゆっくりと捲っている。
ページの端がふやけ、インクが滲んでも、茈の目はそこから離れなかった。
そこには、過去の任務と共に、“本来伝えられていなかった命令”が書かれていた。
赫は生かされた。感情に引かれた判断だったが、黈の承認で許可された。 翠は記録者。行動と結果の記録が任務の一部であり、彼自身は知らされていない。 瑞は観察者。感情の変化を記録しつつ、標的と味方の境界を曖昧に保つ。
そして、最後のページにあったのは、“第三系統”――非公開の指揮系統の存在だった。
雨音にかき消されるように、茈は呟いた。
# 茈
風が吹き抜け、ページが一枚、膝から滑り落ちた。
茈は拾い上げながら、遠くにある組織の本部を見つめた。
# 茈
手帳を閉じ、深く息を吸う。
# 茈
そのどちらも、まだ失ってはいない。
そう自分に言い聞かせ、立ち上がった。
深夜。
瑞の部屋にノックが響く。
# 瑞
ドア越しの声に、こさめは鍵を外さない。
だが、“茈”の名を聞くと無言でドアを開けた。
# 瑞
茈はしっとり濡れたコートを脱ぎ、部屋に入る。
整頓されたデータ端末や情報資料、そして一杯の温かい紅茶。
# 茈
# 瑞
# 瑞
瑞の声はいつも通りだが、その瞳には憂いが混じっていた。
茈は無言で封筒を差し出す。
# 茈
# 茈
中には、組織の裏構造と過去の裏命令が書かれた手帳のコピーが入っていた。
瑞は黙ってページをめくり、息を呑む。
やがてぽつりと言った。
# 瑞
茈は迷わず頷いた。
# 茈
# 茈
# 瑞
# 茈
# 茈
瑞は目を閉じ、やがて封筒を握り締めた。
# 瑞
# 瑞
それが瑞なりの、精一杯の肯定だった。
翌朝。
いるまは“行方不明”となった。
組織の報告書にはこう記されている。
【茈:任務放棄。裏資料持ち出し。命令に背き、独立行動中】 【抹消対象:優先度最高に指定】
黈は報告を読み、淡々とパソコンを閉じた。
# 黈
その声に怒りはなく、ただ静かな崩壊の音が響いた。
桃は電波塔のふもとで受信端末を確認していた。
受信したのは匿名のメッセージ。
送り主は言わずとも分かる。
桃はふっと笑う。
# 桃
ポケットの奥にある拳銃は冷たいが、今は握らなかった。
# 桃
# 桃
保育園のロッカーの中には、置き去りにされた一通の手紙があった。
宛名はない。
だが、そこに記された想いは確かに誰かに届くことを願っていた。
もしこの手紙を読んでいるなら、ごめん。 君たちを守るはずだった俺は、逃げるように姿を消すことを選んだ。 でもこれだけは信じてほしい。 君たちが笑える未来があるなら、俺は全てを敵に回しても構わない。 だから、どうか忘れないで。 俺は、本当の意味で君たちの味方だったことを。
文字は乱れ、インクは滲んでいたが、決意は揺るがなかった。
六人の均衡が、ついに崩れた。
一人の離反が、残された五人の心に亀裂を走らせる。
命令か、正義か。
忠誠か、意志か。
誰もが何かを抱え、終わらぬ裏切りの連鎖に飲み込まれていく。
そして、この離反は、始まりに過ぎなかった。
#17・了
rara🎼
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𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡180
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コメント
2件
なんか色々凄すぎて言葉が出ないんだが 語彙力えぐいし内容えぐおもろいしなんなんだこれは(? ほんとに、普段何してたらこんな話思いつくんですか?? 普通こんな凄いの思いつかんよ… 一気に目覚めてきました()