月姫🌙*·̩͙
月姫🌙*·̩͙
月姫🌙*·̩͙
月姫🌙*·̩͙
月姫🌙*·̩͙
𝐬𝐭𝐚𝐫𝐭
敵出現による避難誘導放送があってすぐ。 避難所から少し離れたアーケード街で 爆発が起こった。
ようやく届いた食料品を運んだトラックが 3人の敵に襲われたのだ。
痩せた敵
痩せた敵が刃物のついたブーメランを 脅すように振り回す。
痩せた敵
痩せた敵
市民
手にした荷物を放り出し逃げる市民達を尻目に 盗んだ荷物を両脇に抱えた小太りの敵が トラックの後ろにしがみついた。
もう1人、青いモヒカン頭の敵がトラックへと よじ登り屋根にドンッと手をつく。
青いモヒカン頭の敵
すると敵はトラックに溶け込む様に同化を始めた。 バンパーから沢山の鋭いツノが出現する。
屋根からは青いモヒカンがにょきりと生えて トラックの前面で両眼が見開かれる。
青いモヒカン頭の敵
トラック敵は乱暴に叫ぶとギャリギャリと 激しく後輪を回転させて急発進した。 アーケードに積まれた荷物をなぎ倒しながら 仲間の敵を乗せて暴走を始める。
武装した市民達が反撃するもトラック敵は 急ハンドルでなんなく避けた。 小太りな敵がトラックから後ろに ごろりと飛び下りる。
着地の反動でスピードを増した体を ゴム弾の様に弾ませて市民達へと襲いかかった。
市民
市民
二階の窓から捕獲用の鳥もち弾で狙いすましていた 市民を体当たりで吹っ飛ばす。
痩せた敵
ゴム弾敵がトラックに戻ると同時に今度は 痩せた敵が手にしていたブーメランを放った。 ブーメランは壁へとめり込み 大きな音を立てて爆発する。
痩せた敵
少し小太りな敵
激しい爆風を追い風にして食料品を積んでいる トラック敵は商店街を猛スピードで駆け抜けた。 信号機も機能していない道路を進んで 荒れ果てた国道に出る。
敵達は自分達の手際の良さに上機嫌だった。
その頃現場からはるか後方の道を 無線機やモニターを沢山積んだ一台の装甲輸送車が 走っていた。
乗っているのはヒーローとして活躍できる 仮免試験に合格した雄英高校の生徒達。
A組3班に配属されてチームを組んでいる 緑谷出久、麗日お茶子、尾白猿夫、耳郎響香 瀬呂範太、葉隠透、障子目蔵の7名だった。
走行は運転席にいる運転ロボに任せて 出久達は全員ヒーローコスチュームに 身を包んでいる。
耳郎 響香
耳郎 響香
輸送車のコンソールに“個性”の 『イヤホンジャック』を挿した耳郎が言う。
尾白 猿夫
耳郎 響香
後部座席で待機している尾白からの質問に 耳郎は素早くそう答えた。
瀬呂 範太
同じく待機している瀬呂の言葉に出久がゆっくりとストレッチをしながら顔を上げる。 ほわほわ頭にそばかすが愛嬌を添えている 地味めな顔立ちな少年だ。
緑谷 出久
雄英高校ヒーロー科に在籍し、これまでに様々な 事件を乗り越えて着実に経験と力を身につけた 出久の表情に不安げな様子はまるでない。
運転ロボ
運転ロボが開閉ボタンを押すと輸送車の 後部ハッチがゆっくりと開いてゆく。 車内に入る風を感じながら、出久はしっかりと 立ち上がった。
緑谷 出久
心の中で呟いて、すっと目を閉じる。 足元がふわりと浮き上がり出久の体が風を 受けるようにハッチから空へと上昇していく。
オールマイトか、“個性”の譲渡を受けた出久は これまで脈々と受け継がれてきた8人の 歴代継承者達の力を少しづつ発現させられる ようになっている。
7代目の継承者から受け継いだ “個性”『浮遊』もその一つ。
緑谷 出久
加速で超スピードになった出久は あっという間に目標のトラック敵を視界に捉えた。
一方、食料の強奪に成功し呑気に荷台に座っていた 敵達は遠くと空からこちらへ向かって飛んでくる 小さな影に首を傾げた。
少し小太りな敵
痩せた敵
聞いた事がある。 タルタロスから脱走した凶悪な“ダツゴク”達が 犯行に及ぶと、どこからともなく現れて たった一人であっという間に制圧していく ヒーローがいると。
少し小太りな敵
緑谷 出久
ゴム弾敵が焦り声を上げたのと 出久が“個性”の『黒鞭』を出したのは同時だった。
月姫🌙*·̩͙
月姫🌙*·̩͙
月姫🌙*·̩͙
月姫🌙*·̩͙
月姫🌙*·̩͙
月姫🌙*·̩͙
月姫🌙*·̩͙
月姫🌙*·̩͙
月姫🌙*·̩͙
月姫🌙*·̩͙
月姫🌙*·̩͙