そして、念願の属性検査の日。
父である国王と顔を合わせるのも、これが初めてだ。
父(ノワール)兼国王
アルト
父(ノワール)兼国王
その言葉は俺ではなく、母に向けられた言葉のように思えた。
壇上へ促され、水晶の前に立つ。
水晶に手をかざせば、いいらしい。
かざした瞬間、神父が1歩後ろへ後退り、尻もちを着いた。
神父
父(ノワール)兼国王
神父は少し躊躇ったが口を開いた。
神父
無属性? 強いのか?
そんな呑気なことを思っている俺に構わず、辺りの人間はざわめき出した。
母(カミラ)
地べたに座り込んでいる母が声を荒らげてそう言った。
父(ノワール)兼国王
母(カミラ)
母の声も聞かずに、父は去っていった。
アルト
母(カミラ)
そう言って母も去っていった。