テラーノベル
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女はすばやく運転席に乗り込み、アクセルを踏み込んだ。ボンネットにのりあげた警官を振り落とし、加速する
女がスピードを上げたまま左折すると、道路脇に駐車していた赤のマスタングがブオオオンとエンジンをふかして急発進した。
猛スピードで駆け抜ける女の車を追う
六本木通りに出た女の車は、料金所のバーをはじいて首都高に入った。
マスタングも猛スピードで通過する。 次々と先行車を追い抜いた女は、チラリとルームミラーを見た。すると、赤のマスタングが追ってくるのが見える────。
女は胸元からスマホを取り出し、片手でメールを打ち出した。
ときおり前を見ながらどんどん車を追い抜いていく。
キュラソー
と文字を打った瞬間────
ガンッ!
と後ろから強い衝撃が襲った。追突されたのだ。スマホが女の手から離れ、助手席に落ちる。
追突したのは白のRXー7────安室の車だった。警察庁から飛び出して追ってきたのだ。女はハンドルを握り、左右に振れた車をすばやく立て直して加速した。
ルームミラーに映るRXー7を見てチッと舌打ちし、助手席に落としたスマホを見る。スマホの画面には〈送信中〉の文字が表示されていた。追突された拍子にメールが送信されてしまったのだ。
すると、追い上げた安室の車が女の車にならんだ
安室 透(バーボン)
日照雨 遥(ブラン)
助手席には日照雨も乗っている。 女は唇をクッと噛むと、ハンドルを左に切って体当たりをかけた。が、安室の車はギリギリかわす
安室 透(バーボン)
日照雨 遥(ブラン)
カーブにさしかかった二台の車はスピードを上げたまま後輪を滑らせて曲がった
ギギギギ……とタイヤが悲鳴をあげる。 すると、せめぎ合う二台の車に赤のマスタングがピッタリと着けてきた。横滑りするRXー7にマスタングがぐんと近づいてくる
安室 透(バーボン)
安室はマスタングの運転席を見た。黒いニット帽をかぶった男と目が合う。
安室 透(バーボン)
日照雨 遥(ブラン)
それは赤井秀一だった。 カーブをぬけた女の車はライトアップされた橋を猛スピードで走った。女の車を追うRXー7の前にマスタングが割り込むと、安室はハンドルを切ってマスタングに右車体を当てた
安室 透(バーボン)
睨みつける安室を、赤井は鋭い目で睨み返した。そのとき、前方でクラクションが鳴った。
女の車が路肩を走り、トラックと並んで走る軽自動車に体当たりしている────!
トラックにどんどん寄せられていく軽自動車はクラクションを鳴らし続けた。
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赤井秀一!?