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さらに女は車を何度も軽自動車の左車体に当て続けた。そして軽自動車から一度離れると、再び激しくぶつかった。
トラックと女の車に挟まれた軽自動車は後方に押し出され、回転しながら橋を逆走した。大きく跳ね上がった軽自動車が安室と赤井の車に向かってくる────！
二人はとっさにハンドルを切って左右に分かれた。二台の間に軽自動車が入り、さらに転がっていく。軽自動車は後方を走っていたタンクローリーに激突し、車体を滑らせたタンクローリーは壁を
破壊しながら止まった。赤井は後ろを振り返り、軽自動車とタンクローリーから人が出てきたのを確認すると、再び前を向いた。
そのとき、カーナビの画面が目に入った。画面をダブルタップし、地図を拡大する。海の上を走る首都高は急な右カープのループがあり、その先は工事中で渋滞を示すラインが明滅している────
赤井 秀一
赤井は急ブレーキをかけ、車を止めた。
前方を走っていた安室が振り返り、赤井の車が止まったのを見た。諦めたか────安室はフッと笑い、スピードを上げた。
次々と車を追い抜き、女の車に近づいていく
ルームミラーに映る安室の車を見て、女は唇を噛んだ。右カーブにさしかかる手前でタンクローリーを抜くと左車線へ移り、隣を走る大型トラックに体当たりした
大型トラックがスピンして道路をふさぐ。そこに先ほどの女の車が抜いてタンクローリーが追突した。道をふさいでいた大型トラックが押し出され、左の側壁を突き破って飛び出した。
続いて女の車が側壁を越えて飛び出す。落下する大型トラックの上に着地した女の車はガガガ……と荷台の屋根を走る。
大型トラックは海に落ち、大きな水柱を立てた────。
タンクローリーの手前で急停車した安室と日照雨は、信じられない光景に目を見張った。まさか落下するトラックを踏み台にして海を越え、着地するなんて────。
安室 透(バーボン)
日照雨 遥(ブラン)
安室の車が急発進し、トラックの横を走り抜けた。もし逃げられでもしたら、世界中がパニックになる……安室は必死でアクセルをふんだ
女はハンドルを握りながら後方を見てフッ…と笑い、前を向いた。すると────目の前の橋が渋滞していた。テールランプの赤い光が点々と続いている。
女はとっさに急ブレーキを踏み、車を止めた
キュラソー
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