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コメント
16件
新キャラも最高ですね!
初めて4人が御仕事してるところみたかも‥ かっちょいい!(^-^)
好きだす
──翌朝
リビングに漂うコーヒーの香りに誘われて、麗央はゆっくり目を覚ました
まだ少し眠たげな目をこすりながら、ダルそうにソファへ歩いてくる
麗央
零斗
零斗がキッチンカウンターから顔を出し、笑いかけてきた
零斗
麗央が瞬きをしてから、ぼそっと言う
麗央
朔矢
朔矢がニヤリと笑いながら、麗央の頭をくしゃっと撫でる
朔矢
麗央
頬を赤らめて視線を逸らす麗央に、龍牙がマグカップを差し出す
龍牙
麗央
麗央は素直にそれを受け取り、温かい紅茶を口にする
そんな様子を見守りながら、蓮がゆっくりと近づき、視線を合わせた
蓮
麗央
蓮
麗央
むすっとしながら返す麗央の髪に、蓮は一瞬だけ優しく触れてから離れる
朔矢が肩を回しながら玄関に向かい、ぽつりと漏らす
朔矢
零斗
朔矢
最後に、零斗が後ろ手にドアを開けながら振り返る
零斗
その言葉に、麗央はソファの背にもたれたまま、小さく頷いた
麗央
──パタン、と扉が閉まる音がして
リビングに残されたのは、まだ紅茶の湯気が立ち上る、静かな空気
麗央は膝を抱えて、そのぬくもりを感じながらぽつりと呟いた
麗央
でも――
ほんの少し、口元がゆるんでいた
朝の空気を切り裂くように、黒のベンツが止まる
扉がバタンと音を立てて閉まり、4人の男たちが無言で降り立つ
龍牙
龍牙が短く吐き捨て、タバコをくわえる
火をつける手元には一切の無駄がなく、その動きすら鋭利だった
零斗
零斗が肩を鳴らしながら、すでにポケットの奥でナイフを握っている
零斗
蓮は黙って先頭に立ち、路地奥のシャッター前へ進む
待っていたのは、敵対組織の構成員数人――
そして、その中央に立っていたのは、前に一度だけ姿を見せた男
香月
香月
香月の声は冷たく、静かに場を制圧する空気を纏っていた
蓮
蓮の声は低く、鋭い。背広の内ポケットには拳銃が忍ばされている
朔矢
朔矢がひときわ危険な目つきで前に出る
ネクタイをゆるめ、皮手袋をはめ直す動きひとつで、殺気が走った
香月
香月がスッと右手を上げる
その瞬間、香月の後ろから2人の男が飛び出してきた
龍牙
龍牙がタバコを地面に叩きつけ、踏み潰す
次の瞬間、乱闘が始まる
蓮は一人を床に叩きつけ、そのまま肘打ちで昏倒させる
朔矢は無表情で相手の顔面を殴りつけ、笑いながら蹴り飛ばす
零斗はすばやく背後を取ってナイフで足を刺し、動きを封じる
龍牙は、相手の腕を折る音と同時に、無言で叩き伏せた
圧倒的な力と速さ
それでも――
4人の表情は、どこか焦りと苛立ちを帯びていた
香月は最後まで手を出さず、一歩も動かずその光景を見ていた
香月
蓮
蓮が血のついた手を拭いながらにらみつける
蓮
一瞬、言葉が詰まった
蓮
蓮は肩を落とし、背を向ける
その表情は、ただ怒りだけじゃない
不安も、焦燥も、苛立ちも、すべてが混ざっていた
蓮
3人
4人は何も言わずにその場を後にした
ただ――その背中からは、あきらかに“ピリついた気配”が漏れていた
帰りの車内、誰も口を開かない
窓の外をぼんやり見つめながら、誰もが同じことを考えていた
(……香月、あいつが麗央に何をした?)
4人が去った後
路地裏に静寂が戻る
床に倒れ込む部下たちを一瞥もせず、香月はポケットから白手袋を取り出し、指先を丁寧に包むようにはめていく
香月
低く吐き捨てる声に、かすかな愉悦が混じる
まるで試合前のウォームアップを終えた選手のように、香月の表情は落ち着いていた
柊夜
背後から声がした
鼻の横から血を流した男――榊原 柊夜が、顔を歪めもせず肩をすくめる
柊夜
香月
香月は淡々と答える
香月
一拍置いて、唇の端がわずかに吊り上がる
香月
柊夜
柊夜が目を細めた
香月
香月はふと空を見上げる
香月
柊夜
香月
柊夜
香月
香月はポケットから煙草を取り出し、火はつけず指先でくるくると回す
香月
柊夜
香月
くすっと笑い、煙草を唇にくわえたまま香月は言った
香月
香月
柊夜
柊夜が呆れたように片手を上げた
柊夜
香月
香月の声は柔らかく、だが奥に冷たい刃を仕込んでいた
香月
柊夜
香月
香月
柊夜
柊夜は苦笑しつつ、懐から取り出したハンカチで血をぬぐう
柊夜
香月
香月はそう呟くと、ポケットの奥に仕込まれたメスの存在を指で確かめた
香月
柊夜はため息をついた
柊夜
それでも止めない
止められないことも、彼にはもう分かっていた
香月
香月がぼそりと呟く
香月
──その声は、まるで予言だった
予測ではなく、確信と執着が混じった、静かな狂気
そして柊夜はそれを、否定も肯定もせず、ただ沈黙で受け止めた
だいふく
だいふく
だいふく
柊夜
だいふく
だいふく