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リルゼ・ディスティニー

(どうしよう……どうする?)

リルゼ・ディスティニー

(この状況で勝つのには……)

リルゼ・ディスティニー

……よし。

リルゼ・ディスティニー

(これならきっと勝てる……!)

リルゼはとある策を思いつく。 そして、それを実行に移すことにした。

弓を取り出し、もう一度セルリアンと向き合う。 そして、矢を放った。

セルリアン

武器だけで勝つつもり?

セルリアン

残念だけど、私はそれくらいで倒れたりしないわ。

リルゼ・ディスティニー

ふふっ、どうだろうね……!

リルゼ・ディスティニー

『束縛』!

セルリアン

……またこれなの?

セルリアン

貴方、もう1つの能力はどうしたのかしら?

リルゼ・ディスティニー

ふふっ……それは使わないよ。

リルゼ・ディスティニー

あれを使ったのは空から落ちてきた時だけ。

リルゼ・ディスティニー

君との戦闘は、運命を書き換えるまでしなくても勝てるってことが分かったから。

セルリアン

ふふっ、よく回る口ね……。

セルリアン

いいわ、それが運命なら私が書き換えてあげる!

ガタガタガタ……

すると、突然地面が揺れだした。 地震とも取れるその揺れは、収まらずにずっと続く。

リルゼ・ディスティニー

なに、地震……!?

セルリアン

いいえ。これも私の能力よ。

セルリアン

空間を操れる能力なのだから、こんなことが出来てもおかしくないでしょう?

セルリアン

貴方は私を拘束して殺そうと思ったのかもしれないけれど……

セルリアン

それなら、手元が狂ってしまえばどうしようもないでしょう?

リルゼ・ディスティニー

ふーん……。

リルゼ・ディスティニー

よくドヤ顔でそんなこと言えるね。

リルゼ・ディスティニー

(……甘いよ。私の策はそんなものじゃない。)

リルゼ・ディスティニー

……でも、確かに私が圧倒的に不利なのは認めるよ。

リルゼ・ディスティニー

私の武器、どっちも遠距離だからね。

セルリアン

えぇ。だから……

リルゼ・ディスティニー

……“でも”、諦めない。

リルゼ・ディスティニー

というより……やっぱり私が勝つ、かな。

ガタガタガタッ……!

ガタガタガタッ……!

セルリアン

建物ごと潰れて、死んでしまいなさい!

先程よりもより一層、強く揺れ始める。 見ると、近くにある建物がリルゼの方に向かって倒れてきているということが分かった。

リルゼ・ディスティニー

うわっ……!

リルゼ・ディスティニー

(流石に危ない……!)

セルリアン

さようなら、運命神さん♪

セルリアン

……口ほどの相手でもなかったわね。
弱い犬ほどよく吠えるってこのことかしら?

セルリアン

(にしてもおかしいわ……。)

セルリアン

(いくら運命神だからといって、こんなに簡単に倒れるもの?)

セルリアン

まぁいいわ、早く回収して帰ってしまおうかしら。

そうして、セルリアンは瓦礫の山を漁り始める。 その中に居るであろうリルゼを見つけ出すためだ。

セルリアン

……あら、居たわ。

セルリアン

にしても酷い怪我……。可哀想ね。
これじゃあ即死じゃない?

そう呟き、セルリアンが 瓦礫の山から見えたリルゼの腕を掴むと──

その手が、セルリアンの腕を掴み返した。

セルリアン

っ──!?

セルリアン

貴方、まさかまだ生きて……!?

リルゼ・ディスティニー

……誰が口ほどでもない相手だって?

リルゼ・ディスティニー

残念だけど、私はまだ死んでないよ。
勝ったって思い込んじゃって本当に可哀想。

セルリアン

それは──

ブォンッ──

その瞬間、セルリアンの頭を何かが強く殴った。 それは街灯で、よく見ると街灯には鎖が巻きついている。

セルリアン

うっ……!

リルゼ・ディスティニー

不意打ち成功、これで私の勝ち。
文句ないよね?

リルゼ・ディスティニー

そのままじゃ可哀想だから、運命を書き換えといてあげるよ。

リルゼ・ディスティニー

君、この状態で放置したら死んじゃうからね。

リルゼ・ディスティニー

死なない程度にしておいてあげる!
どう? 死なないんだよ? 嬉しいでしょ?

気付けばリルゼは瓦礫の山から脱出していた。 そして、セルリアンの腕を握る。

セルリアン

……貴方、出血多量で──

リルゼ・ディスティニー

え? あー、これ?

リルゼ・ディスティニー

ちょっとしたドッキリ要素〜。
油断させてこれが楽しいんだよね。

リルゼ・ディスティニー

……それじゃ、せいぜい私達に喧嘩を売ったこと反省するんだよ。

リルゼ・ディスティニー

ね?

天河 翠

い”っっったぁ”……。

天河 翠

あの白髪……加減とか分からないのかなぁ?

リルゼとセルリアンが戦っていた頃、 街中でもレジェンと翠がナジェと戦っていた。

翠はナジェに蹴り飛ばされ、建物の壁に激突した。 そして、レジェンは現在ナジェの能力で力を吸収されている。

天河 翠

(にしても、一撃であの威力……)

天河 翠

(やっぱり、他人の力を吸収して自分を強化するっていうのは本当なんだね。)

天河 翠

いったいなぁ……。

天河 翠

(体中痺れてるしめちゃくちゃ痛い……。
これじゃあ武器を持って戦えない……。)

天河 翠

(まあいっか、能力もあるし。)

ナジェ

お待たせしました。
アナタから始めましょう。

天河 翠

……何の?

ナジェ

もちろん、“大罪の悪魔狩り”の準備です。

ナジェ

アナタは大罪の悪魔ではないのでわざわざ殺す必要もないのですが……神ならいいでしょう。

ナジェ

最悪、あの方が逃げてもどうにかなります。

天河 翠

ふーん……。

ナジェ

さて、さっさと終わらせてしまいますか。
何か言い残すことは?

ナジェ

今なら代わりに伝えてあげますよ。

天河 翠

伝言はないけど……それじゃあひとつだけ。

天河 翠

君……敵の能力はきちんと把握しておいた方がいいんじゃないかな?

ナジェ

っぐ……!?

ナジェ

っな、何を──

突然、ナジェは右腕を抑えながら蹲る。 翠は全て知っていたかのように微笑を浮かべていた。

???

お、いい感じに効果出てる。

???

何も変化なしだからイマイチ効いてるのか分からなかったけど。

天河 翠

あ、やっと来た〜。

天河 翠

大丈夫? フラフラしてない?

グラスラーバ・レジェン

ん〜、だいじょぶだいじょぶ〜。

グラスラーバ・レジェン

こいつから力奪い返せば済む話だし。

ナジェ

なっ、どうして……!

ナジェ

今頃倒れているはずでは!?

グラスラーバ・レジェン

ま、普通の人間だったらそうかもよ。

グラスラーバ・レジェン

ただ、こっちは怠惰の悪魔だし。
やられっぱなしも俺のスタンスじゃないし。

グラスラーバ・レジェン

ってこと〜。

天河 翠

最初はまさかとは思ったけど……
本当にそうだったんだね。

グラスラーバ・レジェン

ね、これ一瞬で思いついて行動に移せる俺って凄くない?

ナジェ

ふざけるのも大概にしてください!
今のアナタ達に何が出来るというのですか!

グラスラーバ・レジェン

その右腕、人形の腕みたいでしょ?
それ俺の能力〜。

ナジェ

っはぁ……!?

言うことを聞かないナジェの右腕。 いつの間にか、その腕は人形のもののようになっていた。

ナジェ

くっ……

ナジェ

うぐっ……。
でも、これなら──!

ナジェは動きにくい右腕をどうにか動かし、 銃口を翠に向けた。

天河 翠

(……大人しく左手使ったらいいのに。)

天河 翠

(まぁいいや。暇だしちょっとだけ遊んであげよっかな。)

天河 翠

『神の命令』

天河 翠

武器を置いて、今すぐ降参して。

ナジェ

……!

グラスラーバ・レジェン

おぉ、降参のポーズだ……。
凄。これ能力?

天河 翠

そうそう。凄いでしょー?

ナジェ

……分かりました。ボクが浅はかでした。
素直に負けを認めます。

天河 翠

うんうん、生きていくためにはそういう潔さも必要だよ!

天河 翠

それじゃ、リルゼちゃん探そっか。
どこに居るんだろうね?

グラスラーバ・レジェン

そういえば今頃どうなってるんだか。
青いのと一緒に消えたんだっけ?

天河 翠

そうそう。

グラスラーバ・レジェン

ん〜……。

グラスラーバ・レジェン

めんどい、寝ていい?

天河 翠

ダメ! 探すよ!

ナジェ

(でも、セルリアンなら勝てているはず……!)

しかし、ナジェの淡い期待はすぐに打ち砕かれた。 どこからともなく、無傷のリルゼ“だけ”が現れたのだ。

リルゼの姿を確認した瞬間、ナジェは自分達が敗北したということを察した。

リルゼ・ディスティニー

あ、2人とも!
戦闘は……終わったっぽいね!

天河 翠

あ、リルゼちゃんだ。
そっちこそ終わったの?

リルゼ・ディスティニー

うん、終わったよ!

グラスラーバ・レジェン

青い奴……セルリアンだっけ?
はどこに行った?

リルゼ・ディスティニー

ん〜、なんかよく分からないんだよね。
戦いが終わって私だけ戻ってきちゃったし。

天河 翠

へぇ〜?

天河 翠

とりあえず他の皆と合流しない?

グラスラーバ・レジェン

賛成〜。

リルゼ・ディスティニー

だね。

ナジェ

(負けた……。)

ナジェ

(フラジール達も負けたそうですし、あとはあの2人に期待するしか……。)

ナジェ

(また、主の目標から一歩遠ざかってしまった……。)

ナジェは、そんなことを考えながら瞼を閉じた。

【参加型】七つの罪の花は今

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コメント

6

ユーザー

わぁお…皆さん強い…戦闘シーンすごい…考察はまぁとりあえず置いておいて(?) 次回も楽しみにしています👍️

ユーザー

つ、強ぉ…!!! うちの子もしかして強い…?! 神作すぎて携帯飛びました!🫶🫶気長に待ってます〜!頑張ってください!!!!!💪🔥

ユーザー

みなさまお強すぎる…!!!!!!強い子好きぃ…🤤最高っすね、次回も期待してまーす!🥰(考察もなにもせずにストーリーを楽しむ人間1号)

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