月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
注意!! ・地雷さんは今すぐUターン! ・まろにきが付き合ってます ・まろにきホワイトデーネタです ・nmmn ・ご本人様方とは何も関係のないフィクションです ・口調&キャラ崩壊あり ・通報❌
月見。
痛いほどに視線を感じる。
If
段々居た堪れなくなり顔を上げれば、こちらを見ていた二人とばっちり目が合った。
ないこ
If
りうら
If
りうら
ないこ
やっぱ呼ばなきゃ良かった、なんて後悔してももう遅い。
リビングのソファに座っている赤組こと、ないことりうら。面白そうにニヤニヤとこっちを見ているその顔にムカつきながらも、俺はキッチンで手を動かしていた。
何をしているかと言うと、カレンダーを見れば分かると思う。
3月14日。そう、今日はホワイトデーだ。
If
りうら
ないこ
If
りうら
ブーブーと文句を言って来る二人に噛み付く。コイツら面白がって二人で悪ノリしやがって・・・。
それからも赤組のいじりを受けつつ、なんとかチョコが完成した。普段こう言うお菓子系を作らない俺にしては、我ながら上手く出来たと思う。後は味だ。
If
ないこ
りうら
If
りうら
りうらが駄々を捏ね始めた。最年少らしさをここで発揮すんなよ!と思いつつ、ずっと相談に乗ってもらってた身としてはやっぱりないこに食べてもらいたい気持ちが大きい。いやまぁ結局毒味なんやけど。
If
りうら
If
ないこ
苦笑しながらそう言ったないこが、チョコを口にする。
ないこ
If
ないこ
If
バタンッ
りうら
ないこ
If
りうら
If
ぽつりと呟き、俺は壁にかけられた時計を確認した。
あにきを家に呼んでいた時間は16時。今の時刻は、16時30分。もう30分も約束の時間を過ぎているのに、あにきが来るどころか、連絡すら来ていなかった。
いれいすで集まる時でも、彼が無断で遅刻することなんてほとんどなかった。遅れること自体珍しいが、遅れるときは必ず連絡を入れる人なのに。
嫌な予感がして、なんだかとても落ち着かない。
とりあえずさっき帰った赤組の二人に聞いてみようと、ないこにLINEを送った。
“あにき来ないんだけど、何か知らん?”
“連絡来てたりしない?”
少し待っていると、すぐに既読が付いた。そわそわ返事を待っていれば、ないこから電話がかかってきた。
If
ないこ
If
ないこ
If
りうら
If
りうら
If
りうら
りうらの言葉に、俺は自分のさっきの言葉を思い出していた。
このチョコはないこに食べてもらいたいんやって!
りうらに対して言った言葉だったが、これは確かに、その場にいない人間が急に聞けば、俺がただないこにチョコをあげたい奴にしか聞こえないんじゃないか?
それを、あにきが聞いていた?
サァッと体の芯から冷えていく様な感覚。
彼はああ見えて案外不安になりがちで、優しいが故に恋愛面において自分に自信を無くしがちだ。そんな彼があんな言葉を聞いていて、勘違いしない方が考えられない。
If
りうら
ないこ
If
電話を切って、丁寧にラッピングしたチョコを持ち、俺は家を飛び出した。
悠佑
パタン、と玄関のドアを閉め、リビングに入る。静かな家の中で一人、俺は小さく息を吐き出した。
今日はまろに家に呼ばれていた。たまには驚かしてやろうと、約束の時間よりも早くに家に着いた俺は、合鍵を使いこっそり中に入った。
玄関に置いてある靴の数がいつもより多く、誰かいるのかと思いながらリビングへ入ろうとしていた俺は、中から聞こえてきたまろの声に、リビングの扉を開けようとしていた手を止めた。
If
瞬間、頭が真っ白になった。
まだ続いているらしい中での会話も、他のどんな音も、何一つ、もう俺の耳には届かなかった。
ただひたすら、まろの言葉が頭の中で反芻されて。
ないこ
If
次に二人のそんな会話がやっと耳に届く様になった時、俺はその場から逃げる様に、まろの家を飛び出していた。
カレンダーをちらりと見る。3月14日。ホワイトデーだ。
バレンタイン、俺はまろにチョコをあげた。だから今日呼ばれたのは、そのお返しをもらえるからなんじゃないかと、心の中で密かに期待を膨らませていた。
だがそんな期待は、簡単に打ち砕かれてしまった。
このチョコはないこに食べてもらいたいんやって!
まろはないこが好きだったんだ。それでも優しい彼は自分と付き合ってくれていた。
俺はそんなことにも気付かず、呑気にバレンタインチョコなんて渡して。一人で勝手に、期待して。
悠佑
ボロボロと涙がこぼれてくる。それを拭う気にもなれず、暗くなってきたリビングで一人、ただ床を濡らした。
もうまろに合わせる顔がなかった。でもいれいすの活動で必ず顔を合わせるし、俺はどうしたら良いのだろうか。
答えに辿り着けないまま、延々と同じ考えを繰り返した。
ピンポーン
静かな家の中に響いたインターホンの音に、ビクッと肩を揺らした。
そう言えば、まろに何の連絡もせずに約束をすっぽかしまっていた。
でも、アイツはないこと一緒にいる方が幸せなんだろう。それを俺が邪魔するとか、そんなどこまでも最低な奴に、俺はなりたくない。
そうだ、まろはないこといるんだ。今ここに来ているのが、まろな訳がない。
宅配便か何かだろう。でもまろじゃないにしろ、こんな成人済みの大人が泣きながら出てきたら誰だって驚くだろう。居留守を使ってしまおうか。
If
悠佑
その時、廊下からリビングに飛び込んで来たのは、俺が一番会いたくて、一番会いたくない、
If
俺が泣いているのに気付いたんだろう。まろが目を丸くした。
約束の時間に現れない俺を心配して態々家まで来て、出て来ない俺を心配し合鍵で入って来て。泣いている俺を見た彼は、また優しくしてくれるんだろう。
・・・その優しさが、今の俺にはとても辛い。
悠佑
If
悠佑
If
悠佑
ガシッと両肩を掴まれる。ずっと顔を見ない様にしていたのに、思わず顔を上げて、まろの顔を見てしまった。焦った様な表情の彼と、目が合う。
If
悠佑
行っていないと嘘を付ける訳でもないのに、認めることもできなかった。俺は、何が怖いんだろう。
悠佑
If
悠佑
悠佑
If
悠佑
If
If
悠佑
まろの言葉に、腕で顔を隠そうとした。が、それをまろによって拒まれる。
指摘されて仕舞えば、折角頑張って止めていたのに、また涙が溢れてきてしまって。
If
悠佑
If
悠佑
もう逃げられない。この夢の様な日々にも終わりを告げなくちゃいけない。
溢れる涙は、もう拭うことを諦めた。まろにも見られてしまった今、隠す努力も無駄だ。
If
悠佑
なんて、きっと綺麗事だ。実際は何も考えられず、ただあの場であれ以上二人の会話を聞いて、自分が傷付くのが怖くて。
悠佑
If
悠佑
If
悠佑
静かに、名前を呼ばれる。彼の真っ直ぐな視線を感じながらも、目を合わせることは出来なかった。
If
悠佑
If
カサ、と音を立てたそれは、綺麗にラッピングされた・・・
悠佑
If
If
If
If
If
悠佑
ボロボロと、勢いを増して流れ落ちる涙。
まろの真っ直ぐな言葉に、視界はぼやけてほとんど見えなかった。
目の前のチョコは、黄色い袋に黒のリボンでラッピングされていて。それは紛うことなき、俺のメンバーカラー。
俺が、勝手に勘違いして不安になって、約束すらすっぽかしたのに。
どうしてまろは、こんな俺のところに来て、謝ってくれるのだろう。俺のことを、嫌いにならずにいてくれるんだろう。
・・・どうして、こんな俺のことを。
If
悠佑
If
悠佑
If
悠佑
If
優しい手が頰に触れて、溢れる涙を拭う。じんわりと伝わってくる温もりに、ますます涙が溢れてきてしまう。
If
悠佑
If
悠佑
悠佑
好きで好きで、好きなんて言葉じゃ、もう。
嗚咽に飲み込まれてしまった言葉の先を尋ねることなく、まろは俺の体を引き寄せ、抱き締めた。
優しいのに力強い。そんな彼の抱擁に、伝えきれないこの気持ちが少しでも伝われば良いと、俺はまろの肩に顔を埋め、背中に回した腕に力を込めた。
悠佑
If
さっきまで泣いていた彼も、大分落ち着いた様だ。
ソファに座り、ぴったりと俺に体をくっつけてくる彼の愛おしさに悶えながらも、ずっと俺があげたチョコを見ている彼になんだかソワソワしてしまう。
悠佑
If
悠佑
ふっと笑う柔らかい笑みにさえ、愛おしさが溢れる。ああ、好きだなぁ。
悠佑
If
これで不味いとか言われたらどうしよう。口に合わなかったら?ないこ普段辛いのとか食べてるから舌麻痺ってる説もゼロとは言えない。いやでもりうらも美味いって食べてたし、いやでも。
悠佑
If
グルグルと不安に頭を悩ませていると、あにきが俺に抱きついてきた。いやさっきまで抱き締めてたしずっとくっついてたけど、普段あにきから抱きついてくることなんて殆ど無いのに!?
If
悠佑
If
悠佑
幸せそうに笑うあにきの目の端から、一筋の涙が流れ落ちる。
If
ああもう、本当にずるい人。そんなこと言われたら、そんな顔されたら。
If
悠佑
If
この気持ちを伝え切れないのがもどかしい。でも、彼が不安になることが、彼が一人で泣いてしまうことが、もう無いように。
チョコの様な甘さを、毎日君に届けよう。
If
君の不安を吹き飛ばす様な、そんな愛の甘さを。
コメント
5件
何回読み返してもいい作品…✨月見さん以上によい青黒供給者(?)がテラーで見つからず月見さんの作品全てを順番に読み返す日々…てかやっぱまろにきてぇてぇ…(*´Д`*)
すれ違っても最後には愛し合ってるまろにき可愛すぎます… いふくんはきっと一生懸命作ったんだろうな~ 今回も最高でした!