人間みたいに

ﾋﾞｰ

侵入者！

静かだった館内に響く

サイレンの音

そんな中聴こえてくる

人間の声

嗚呼、

煩わしい

静かにしてくれ、

ﾊﾞﾝｯ

銃声が聞こえる

もう慣れた

まだだ

まだ聞こえる

やっと、

やっと静かになった、、

これでいい

ずっとこれで

何かが近づいてくる

声からしてセンセイではないだろう

''食事の時間だ''

ガチャ

戸が空いた

3人か、

人間だ

美味しいだろうか

不味いだろうか

まぁ、どっちでもいい

音を立てて誘き寄せようか

ｶﾞｻｯ

やっと来てくれた

人間以外に何に見えるのだろうか

君たちに似せたはずなのに

よかった、人間に似ていたらしい

まぁ、違くてもいいけれど

嗚呼、どうでもいい

僕は死なないというのに

それに気づけないとは

可哀想に

ﾊﾞﾝｯ

響く銃声

倒れておこう

死んだふり、人間はそう言っていたはずだ

ガチャ

どうやら、どこかへ行ったようだ

さて、此処の人間も食い終えた

他へ行こうか

ガチャ

ペタリ、ペタリと、柔らかく冷たい足音が静かに響く

まるでそのものの性格を表すかのように

所々に散る血液により

その足音は変わり続ける

同じ音は聞こえない

長い廊下、面倒くさい

飛んでしまおう

ﾊﾞｻﾘ、

羽を広げ音が立つ

そのまま飛んだ

風を切る音が心地よい

だけれど

室内で飛ぶのはお行儀が悪い

､､､

そんなことを

考えるものは此処にはいない

生きた人間は此処にはいない

此処を出れば外へ繋がる

つまらない場所だった

それも今日､たったこの瞬間でおさらばだ

外というものはどのようなものだろうか

少しは楽しめればいいのだが

まぁ、、どうでもいい

そして今1匹の雛が外へと飛び立った

いいや、

雛というより、

''死神の卵''

その方があの者には合っているのかもしれない、、